NetAppではじめるオールフラッシュストレージ メリットと事例

 2020.12.08  ストレージチャンネル

システムの仮想化に期待することは、安定した稼働と高可用性、障害の少ない信頼性のほか、インフラストラクチャー、運用保守、ファシリティ面のコスト削減など多岐に渡ります。ところが仮想化システムの導入後に生じるのは、期待通りの安定した性能が得られない、予想したよりもコストがかかった、バックアップが遅いといった課題です。

NetAppは、創業時から一貫してストレージ専用OSのONTAPを提供してきました。このONTAPとオールフラッシュストレージのAll Flash FAS(AFF)シリーズを組み合わせることで、理想的な仮想化システムが構築できます。

オールフラッシュストレージがなぜ優れているのか、メリットや特長と具体的な導入事例を解説します。

NetAppではじめるオールフラッシュストレージ メリットと事例

NetAppのONTAPとAFFシリーズとは

ONTAPは、最⼩限のオーバーヘッドで最⼤限の拡張性と管理性を提供するストレージ専⽤OSです。必要な機能だけ実装しているため、無駄なリソースを消費しません。

ONTAPの最新バージョンはONTAP 9で、CIFS/SMB/NFSのファイル、iSCSIやFCなどのブロックアクセスに対応しています。

NetAppのFAS (Fabric Attached Storage)シリーズはONTAPを搭載し、仮想化環境で50,000社以上の導⼊実績があります。FASシリーズのうち、オールフラッシュモデルがAFF(All Flash FAS)シリーズです。エントリーからハイエンドモデルまでONTAPが動作します。AFFを導⼊したユーザーの約60%が仮想化環境で使⽤しています。

仮想化環境におけるONTAPのメリットとは

ONTAPには、ストレージ管理をシンプルにするとともに、柔軟な拡張性、運用保守の負荷軽減のメリットがあります。

仮想マシン単位の管理を可能にするNFSデータストアとvCenter

ONTAPはハイパーバイザとSAN、NFS、vvol(VMware vSphere Virtual Volumes)の接続をサポートしています。

FASシリーズのユーザーはNFSデータストアの接続が多い傾向にあります。この場合、NFSデータストアをマウントするだけで利用できるため、SAN特有の知識、管理のノウハウ、接続性に対する考慮が不要です。

ファイルサーバーのNAS上のファイルにアクセスするのと同じように、それぞれのハイパーバイザによって、クライアントマシンからAFFのNFSデータストア内のvmdkファイル(仮想マシンのファイル)にアクセスできます。

ONTAPでは、簡単にNFSデータ容量の増減や再割当てが可能です。必要に応じて容量の追加や縮小をオンラインで設定して、仮想マシン単位の管理を実現します。

パフォーマンス制御を実現するQoSと柔軟なシステム拡張

ONTAPでは、QoS(Quality Of Service)機能によりパフォーマンスを管理できます。

QoS Maximumでは、他のワークロードの性能を低下させないように、上限の最大性能をコントロールします。設定の対象は、SVM、ファイル、LUN(Logical Unit Number、論理ユニット番号)、ボリュームです。QoS MinimumはAFFのみの機能で、ファイル、LUN、ボリュームに対して、下限の設定値以上の性能を維持してサービスレベルを保証します。

Adaptive QoSはボリュームに設定可能で、下限値の設定はAFF限定です。使用済み、あるいは構成された容量に応じてQoSの上限値と下限値をスケールします。

さらにNetAppのソリューションには、要件に合わせた柔軟な拡張性があります。

スケールアップの場合は、初期導入の環境にDisk/Shelfによる容量の追加をオンラインで行います。スケールアウトでは、クラスタネットワーク上でサーバー群の増加に合わせて、AFFのストレージをオンラインで追加します。無停止状態で設定することができ、新旧さまざまなDisk/ShelfとAFFが混在した環境をサポートします。

VMスナップショットとストレージを連携したリモートバックアップ

ONTAPのSnapMirrorを使って、別の場所にあるFASとAFFでストレージのモデルや距離を問わない非同期のレプリケーションが可能です。データストア単位でレプリケーションを行い、ストレージから直接IPを用いて転送します。SANやNASの領域を選びません。

SnapMirrorはSnapshotの技術ベースで動作し、メインサイト、取得したSnapshot、同じ時点のデータをバックアップサイトに保持します。バックアップのソフトウェアが不要で、2回目以降は変更ブロックだけを差分で転送します。転送ジョブ単位で転送帯域制御が可能です。

FlexCloneによる効率的なクローニング

FlexCloneを使うと、瞬時にvmdkを⼤量に展開可能です。物理的なコピーが発⽣しないのでクローニング処理が⾮常に⾼速なこと、vmdk単位のクローンでストレージ上の同⼀ブロックを再利⽤するため容量を最⼩化できることが特長です。展開後の変更では、差分ブロックだけを確保します。検証⽤のクローン仮想マシン構築に最適で、NFS Plug-In for VMware VAAI導⼊によってvCenterから簡単に操作できます。

仮想化環境を快適にするAFFシリーズ

FASシリーズとAFFシリーズを比較すると、圧倒的にオールフラッシュのAFFシリーズが低コストかつ高性能です。仮想化環境におけるオールフラッシュストレージの特長と優位性を解説します。

安定性とファシリティ集約を実現するフラッシュとONTAPの組み合わせ

多種多様なストレージに負荷が発⽣する仮想化環境では、ハードディスクドライブでは安定したレイテンシと性能を提供することは困難です。NetAppでは、960GB〜最⼤30TBのSSDを提供していますが、安定した稼働を実現しています。

さらにONTAPのストレージ効率化技術によって、データ格納量の削減が可能です。ディスクに書き込む前にメモリ上で処理するインライン処理、定期的にバックグラウンドで処理するポスト処理を備えます。

AFFはハードディスクドライブ構成のFASとほぼ同等のイニシャルコストで導⼊が可能です。オールフラッシュにすることで消費電⼒を抑え、ファシリティ集約による物理的なコストを⼤きく削減します。

AFFのストレージ効率化

AFFには、高い容量効率を実現するために、複数のレイヤで効率化機能を実装しています。

効率化機能には、データストアレベルのインライン処理による圧縮、データストアレベルおよびアグリゲートレベルにおける重複削除があります。さらにインライン処理のDate Compaction、ポスト処理の自動実施による重複削除も備えています。これらの機能はAFFではデフォルトで稼働状態にあります。

FASとAFFのコスト比較

コスト効率の観点からFASとAFFの具体的なアプライアンスを比較します。

FAS2750 1.8TB SAS HDD x24 (Premium Bundle)

・18TBを満たす最低構成

・ユーザブル容量:約24TB(Snapshot5%)

・効率化効果:なし

A220 960GB SSD x12(Flash Bundle)

・A220の最⼩構成

・ユーザブル容量:約18TB(Snapshot5%)

・効率化効果:3倍(AFF保証値)

消費電力では、FAS2750が4,120 kWh/年に対して、AFF A220は2,779 kWh/年でおよそ2/3の省電力です。性能は、FAS2750は13,000 IOPS、AFF A220は140,000 IOPS以上で10倍以上になります。

機能について比較すると、FAS2750ではFAS特有の機能はありませんが、AFF A22にはアグリゲート重複排除やFabricPooなど独自の機能があり、新機能が追加されています。

AFFシリーズの導入事例

最後にAFFシリーズの導入事例の紹介です。

富士電機株式会社様

富⼠電機株式会社様では、従業員27,000名がプライベート仮想化基盤を利用していました。パフォーマンスの改善と運⽤保守の負荷低減を目的として、5年間使い続けることを前提にオールフラッシュのNetApp AFF 8040およびNetApp AFF A300を採⽤。約450の仮想マシンを稼働させるインフラストラクチャー刷新を行いました。

NetApp AFFによって42万IOPSを獲得、オンラインとバッチ処理をともに⾼速化しました。レイテンシを1ミリ秒以下に改善したことにより、1か月に30時間以上もあったエンドユーザーからの問い合わせ対応をゼロにしました。

NetApp OnCommand Insightで利⽤状況を可視化し、パフォーマンスのボトルネック特定、利⽤予測に基づく拡張計画の策定に活⽤しています。運⽤保守の負荷が軽減されたことから戦略的な業務にシフトすることができ、IT部⾨の働き⽅改⾰も実現しました。

リンク&リンケージ株式会社

リンク&リンケージ株式会社様は、⽇本カバヤ・オハヨーホールディングスグループ中核企業2社のサプライチェーンをカバヤ・オハヨー基幹システムで、24時間365⽇体制で⽀えています。このインフラストラクチャーでオールフラッシュ化を行いました。

NetApp AFFで2時間のバッチ処理を30分に短縮する⾼速化のほか、オンライン処理のレスポンス改善、重複排除と圧縮によるデータ量40% 以上の削減、ストレージ機器のスペースを1/10に削減という効果がありました。

BIツールによる業務データ分析をより⾼度化し、需要予測、⽣産量の最適化としてデータマイニングを実⽤化しています。Cloud Volumes ONTAPを活用して、オンプレミスのNetApp AFFとパブリッククラウドを連携させるバックアップの実現をめざしています。

まとめ

オールフラッシュのストレージによってシステムの高性能と高可用性を実現し、コスト削減や運用保守の負荷を軽減できます。企業の競争力を高める働き方改革にもなります。AFF C190など製品の詳細は、NetAppにお問い合わせください。


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