NetAppでHCIを構築するメリット 柔軟性、簡易性、自律性の3つの側面から解説

 2020.12.15  ストレージチャンネル

HCI(Hyper Converged Infrastructure、ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャー)は、仮想化基盤を利用してサーバー内でストレージやネットワーク機器を完結させるアーキテクチャーです。外部ストレージを利用しないため、障害時の対応やデータ利用の増加時の拡張作業などの負荷を軽減することが可能です。

NetAppでは、ストレージのアプライアンス販売からサービス提供に事業を拡張してきました。このような事業展開の流れから、HCIのソリューションにも注力しています。HCI構築のポイントとして、拡張の柔軟性、導入と運用の簡易性、障害時における自律性の側面からNetAppが提供するHCIの特長を解説します。

NetAppでHCIを構築するメリット 柔軟性、簡易性、自律性の3つの側面から解説

HCIを構築する3つのポイント

HCIのインフラストラクチャー構築を検討するときには、まず仮想化やVDI(仮想デスクトップ)など要素技術を洗い出します。その後で、構成、運用、障害時の対策の3つを検討することがポイントです。これらは重なり合っている部分が多いといえるでしょう。

システムの構成に関しては、障害があっても持続的に利用できる高可用性のスペックに加えて、コストの検討が重要です。サーバーのサイジング、リソースの有効活用などはコストに大きく関わります。構成が決まれば見積りを依頼することができますが、3年先の拡張性を見据えておくことが必要です。

運用面の検討も重要な項目です。新たなインフラストラクチャーを導入する前に、情報システムの担当者や社内の利用者に対して、教育や研修を行わなければならない場合があります。さらに、導入スケジュールの調整や、システム更新後の設計書や手順書の整備も考えなければなりません。夜間や休日の対応が必要かどうかも検討項目です。

高可用性に関連しますが、障害時のメンテナンスは外せないポイントです。障害は予測できません。業務に対する影響を、可能な限り最小限にすべきです。したがって、障害発生から復旧までの時間を見直しておく必要があります。復旧状況によっては、メンテナンスに多大な時間が必要になり、業務に支障をきたすことがあります。

NetAppは、このようなインフラストラクチャー構築の条件を前提として、柔軟かつシンプルであり、自己回復機能によって障害に対応するHCIを提供しています。

NetAppのHCIについて、柔軟性、簡易性(シンプル)、自律性(自己回復機能)のそれぞれの側面から解説します。

もっと見る:NetAppのハイパーコンバージドインフラとコンバージドインフラ

柔軟性:必要なリソースごとに拡張

HCIに求められる柔軟性とは、拡張性に優れていることを意味します。NetAppでは、HCIのコンピューティングとストレージを分離して世代を超えて拡張可能で、技術ではなくビジネスから将来を見据えた構成のHCIを提供しています。

NetAppが提供するHCIの拡張性のフェーズ

拡張性の面から考察すると、HCIには3つのフェーズがあります。

NetApp HCIでエンドユーザコンピューティング 環境を高速化
Cloud Volumes ONTAPを使用してマルチクラウドのデータ保護を実現するNetApp HCI

第1フェーズは、将来的な投資の持続性を保護したスモールスタートのフェーズです。小規模の構成にすることで、無駄な予算を削減します。

第2フェーズとしては、スモールスタートのビジネスが成長し、さまざまな課題や要望が生じた場合です。最適な規模や要望に合ったストレージに移行します。このとき、アップグレードの負荷を最小限に抑えることが重要になります。

そして、第3フェーズで実現するのは、エンタープライズ規模の無停止アップグレードです。5年という長期間の利用にも耐えられる環境を実現します。

コンピューティングとストレージの完全な分離、世代を超えた拡張

アーキテクチャーの観点からみると、NetAppのHCIはコンピューティングとストレージを完全に分離しているため、単⼀のアプライアンスとして導⼊および管理、無停⽌で拡張することが可能です。独⽴したアーキテクチャーのノードにより、世代の異なる製品を混在させることができ、段階的に拡張することで新しい機能をサポートします。

ビジネスニーズの変化に応じて、CPUの世代やハードウェア構成の異なるコンピューティングノードを追加して、リソースを拡張できるハイパーバイザを備えています。vSphereの更新版のリリースに合わせてアップグレードがサポートされ、VMware Enhanced vMotion Compatibilityを⾃動的に設定して互換性を確保します。

ストレージは、容量やパフォーマンスのニーズに合わせたストレージリソースの拡張と、新たなストレージ機能のリリースに合わせたアップグレードが可能です。再構成することなく、容量ポイントの異なるストレージノードを追加できます。

技術要件ではなく、ビジネス要件に合わせた拡張

HCI内に複数の独⽴したクラスタを作成して、異なる機能を備えた複数のソリューションをビジネスの⽬標に合うように構成します。

ハイパーバイザにおいては、仮想マシンの利用率を高めるためにはコア数の多いノードを使用します。逆にライセンス数を最小化するためには、コア数を少なくします。エンドユーザーのコンピューティングと仮想デスクトップの画像処理を高速化することも可能です。

ストレージでは、複数のvSphereクラスタから混在したワークロードを単⼀のストレージのクラスタでサポートします。クラスタ全体で常に有効な全ワークロードの重複排除と圧縮を行い、データ削減によるストレージの最適化を実現します。

簡易性:統合管理によって運用を効率化

HCIのインフラストラクチャーは、導入段階と運用段階ともにシンプルであることが重要です。SLAによるパフォーマンス保証も効率化につながります。

NetApp Deployment EngineによるセットアップとvCenterプラグイン

NetAppのHCI導入ではNetApp Deployment Engineが用意されています。導入時に必要な400以上の⼊⼒項⽬を30未満に削減しているため、わずか45分でセットアップを完了することができます。

HCIコンポーネントのインストールと設定項目には、ネットワーク、ストレージクラスター、コンピュートノード/ESXi、vCenter Server、Management Node、VMware vCenterプラグイン、Data Fabric File Services powered by ONTAPがあります。

仮想化環境の運用を行っている場合、使い慣れたVMware vCenterプラグインが利用できるため、新たな知識を学ぶ必要がありません。

クラウドライクなSLA

HCI導入前の課題として、ひとつのアプリケーションやテナントが別のアプリケーションに影響を与えていること、パフォーマンス重視のアプリケーションがボトルネックになっていること、インフラストラクチャーがサイロ化して効率が低下していることなどがあります。

NetAppでは、容量とパフォーマンスを個別に割り当ててアプリケーションを分離することが可能で、最適な稼働状況を予測できるクラウドライクなSLAを提供しています。GUIにより、操作性の向上も図っています。

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自律性:自己回復によりメンテナンスの負荷を軽減

NetAppのストレージ専用OSは、単⼀点障害(Single Point of Failure)でシステム全体が停⽌せず、⾃動⾃⼰回復で障害後の冗⻑性を担保することが特長です。ハードウェアとソフトウェアの無停⽌アップグレード、スケールアウトによる⾼速リカバリ、危険性の軽減、世代間アップグレードの自動化を実現します。

ノード障害の自動ビルドは60分以内

一般的なソリューションでは、2つのコントローラが限定的にCPU、ストレージ、メモリ、ネットワークを保有し、リビルドに数時間もしくは数⽇かかります。また、手動操作が必要です。しかし、NetAppのソリューションでは、各ノードがCPU、ストレージ、メモリ、ネットワークを保有するため高可用性を維持し、60分以内で自動的に処理が行われます。

ドライブ障害時のデータ分散処理とリビルドは10分以内

NetApp以外のソリューションでは、個々のブロックデータ率は単⼀ディスクと同じでビルドが低速であり、大規模なハードウェアを必要とします。しかし、NetAppのSolidFireでは障害時に複数のボリュームから複数のボリュームへ自動的にデータの分散処理とリビルドが行われるため、10分以内に完了できます。

まとめ

HCIの構築を検討するときには、柔軟性、簡易性、自律性の3つのポイントからチェックすることが大切です。NetAppでは、3つの要件を満たすHCIソリューションを用意しています。技術的な側面はもちろん、ビジネスの将来性を検討した上で最適なインフラストラクチャーを選択する必要があります。


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