仕様・要件ごとに短い開発期間(イテレーション、スクラム、スプリント)を設定し、その中で計画・設計・開発・テストを繰り返し実行していく開発モデルを「アジャイル開発」といいます。
従来型の開発モデルであるウォーターフォール開発に比べて開発スピードが迅速で、かつ仕様・要件ごとに開発期間を設けているのでプロジェクト途中の仕様・要件変更が発生しても柔軟に対応でき、工数の手戻りが少ないことからソフトウェア開発モデルの主流となっています。
特にWebサービス開発や継続してアップデートするようなソフトウェアサービスではアジャイル開発が採用されており、これを高度に実現している開発チームでは1日に10回以上のデプロイ等も行っています。
高いレベルでのアジャイル開発を実現するために欠かせないものがツールです。本稿では、そんなアジャイル開発に便利なツールを17個ご紹介します。
プロジェクト管理系ツール
仕様・要件の決定から開発スケジュールの計画、ソフトウェア設計、開発、テストといった開発工程を、ゼロから最後まで一連の流れで実行するのがウォーターフォール開発です。アジャイル開発はそうした開発工程を複数に分解して、それぞれの開発期間の中で計画・設計・開発・テストを繰り返していきます。
そのためアジャイル開発では手動でのプロジェクト管理が難しく、ツールによる効率化を取り入れることが大切です。
1. Redmine
Redmineはオープンソースソフトウェア(OSS)として利用できるプロジェクト管理ツールであり、世界中のソフトウェア開発会社から愛用されています。追加できるプラグインが多く、カレンダーと連携してスケジュールを同時に見れるなど使い勝手が良く、ガントチャートも表示できます。インターフェース的には時代を感じるデザインですが、今もなお前線で活躍するツールです。
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2. JIRA
アトラシアンが開発したエンタープライズ向けのプロジェクト管理ツールであり、122カ国25,000以上の企業に使われています。パブリックオープンソースプロジェクトで広く使用されていることで有名でしょう。階層化に優れていて大きなプロジェクトでよく採用されているため、権限管理機能が徹底されています。ただし入力項目が多くて煩雑に感じることがあったりと使用にた多少の慣れが必要です。
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3. Trello
フリーミアムビジネスモデルで提供しているプロジェクト管理ツールなので基本機能の私用は無料ですが、高度な機能を使用したりチームで利用するためには有料化が必要です。かんばん方式なのでシンプルで使いやすく、シンプルなタスク管理や個人的なタスク管理には最適です。
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4. Wrike
こちらもフリーミアムビジネスモデルで提供されているプロジェクト管理ツールです。無料で使える範囲が非常に広く、タスクの階層化ができるためアジャイル開発で利用するのに最適でしょう。ガントチャートも使用できますし、しっかりとスケジュール管理を実行したいチーム向けのツールです。
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5. Asana
近年急成長しているプロジェクト管理ツールであり、東京オフィスの開設も予定しているので日本企業の利用も活発化しています。元米国大統領のアル・ゴアが会長を務めていることも有名で、共にFacebook社員の生産性向上に関わった、Dustin Moskovitzと元エンジニアのJustin Rosensteinが2008年に創設しました。
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6. Restyboard
OSSで提供されているプロジェクト管理ツールです。ただし、Redmineのように日本語情報が少ないため日本企業が利用する場合は英語に強い人材がいることが前提になります。Trelloにより多くの機能を追加したようなツールとイメージすると分かりやすいでしょう。
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7. Scrumsiwe
日本語未対応のプロジェクト管理ツールです。カンバン方式とスクラム方式の両方を仕様でき、アジャイル開発向きのツールの1つです。
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8. Scrummate
こちらも日本語未対応のプロジェクト管理ツールです。アジャイル開発にてスクラム方式で推進する場合は使いやすい機能を提供しており、同じくアジャイル開発向きのツールだといえます。
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9. Taiga
PythonのフレームワークDjangoとAngularJSで作られているプロジェクト管理鶴です。プロジェクト作成時にカンバン方式かスクラム方式かを選択でき、チームを作成して管理等ができます。ちなみにOSSで提供されているので無料で使用可能です。
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10. ProjectPlace
日本語未対応のプロジェクト管理ツールです。かんばん方式での利用となり、横に区切るスイムレーンを設定できるので複数の開発ラインなどでカテゴリを区切りやすい仕様になっています。
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ドキュメント管理系ツール
アジャイル開発では「ドキュメントが要らない」と考えている方も多いようですが、当然ながらウォーターフォール開発同様にドキュメント作成が大切です。そのため、ドキュメント管理ツールを導入することで管理効率を高められます。
13. Confluence
Javaで作成され、主にビジネスで使用されるWebベース企業向けWikiです。プロジェクト管理ツールのJIRAを提供しているアトラシアンが開発・販売しています。ホスティングサービスとしても提供されているので、導入が簡単でありコストを適正化できるというメリットがあります。
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14. Esa.io
階層表現でドキュメント管理ができ、PlantUMLを使えるのが特長です。
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16. Qiita:team
開発者向けのコミュニティブログサービスのQiitaが提供するチームコラボレーション用のツールで、インターフェースはQiitaとほとんど同じなので使用感は分かりやすでしょう。タグ設計か、検索で引っかかるようにするためにキーワードを多く使用することが重用です
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いかがでしょうか?アジャイル開発に使えるツールは色々とありますので、各ツールを実際に使用してみてチームやプロジェクトに最適なツールを選択しましょう。ちなみにバージョン管理およびソースコード共有が可能なホスティングサービスのGitHub(ギットハブ)は各ツールとの連携が可能です。アジャイル開発の効率化を進めるためにも、GitHubとの連携をぜひご検討ください。
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