人工知能と機械学習とディープラーニングの違い

 2019.03.07  ストレージチャンネル編集部

2016年、Google傘下のGoogle DeepMindが開発した囲碁AI「Alpha GO(アルファ碁)」が当時の世界最強棋士であるイ・セドル氏を降してから、「人工知能(以下AI)」「機械学習」「ディープラーニング」という言葉がメディアで度々取り上げられるようになりました。

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いずれも同じようなものを指しているように思えますが、明確な違いがありますし、AIがビジネスや生活と深いかかわりを持っている現在、これからの時代はAIに対して深い理解がないと様々な事象から取り残されることになります。本稿ではAI、機械学習、ディープラーニングの違いについて解説します。

AI、機械学習、ディープラーニング、それぞれの分類

AIとは、1956年7月から8月にかけて開催された「ダートマス会議」によって初めて定義された研究分野です。当時ダートマス大学に在籍していたジョン・マッカーシー教授(AI研究の第一人者)が主催し、人類史上初めてAI(Artificial Intelligence)という言葉が使用されました。

AIと聞くとサイエンスフィクションに登場する人間と同じような心や考えを持ったロボットを想像するかもしれませんが、それはあくまでAI研究のごく一部であり、かつ現在話題になっているAIとはまた違います。

現在メディアで取り上げられるようなAIは「特化型AI」といって、特定の分野において人間よりも遥かに高度な能力を持ったコンピューターのことを指します。たとえばAlpha GOは囲碁に特化したAIですので、世界最強の棋士に勝つことはできても、犬の写真を見てもそれを「犬だ」と判断することはできません。サイエンスフィクションで取り上げられているようなAIはまだ実現しておらず、だからこそサイエンスフィクションというジャンルが成り立っています。

もっと見る:人工知能の定義と種類について

では、機械学習とディープラーニングとは何か?詳しい解説については後述しますが、これはAI研究分野の一部であり、機械学習の発展によってディープラーニングが誕生しました。

ちなみにAI研究の第一人者であるジョン・マッカーシー教授は、AIを解説するためのホームページにて次のように定義しています。

“知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術です。人の知能を理解するためにコンピュータを使うことと関係がありますが、自然界の生物が行っている知的手段だけに研究対象を限定することはありません。”

出典:人工知能のやさしい説明「What’s is AI」人工知能のFAQ

機械学習とは何か?

今あるAIのほとんどは機械学習によって生まれたと言っても過言ではありません。具体的にどういった技術かというと「コンピューターに人間的判断の一部を取り入れる」と言うと分かりやすいでしょう。

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たとえば人間は犬の写真を見て「これは犬だ」と自然と判断しますが、コンピューターにはそれができません。なぜならそもそも「犬」という概念が無いのです。皆さんがこの世界にまったく存在しない、何にも類似していない生物を目の前にしているのと同じようなものです。

では、コンピューターにこうした人間的判断を取り入れるためにはどうすればよいのでしょうか?シンプルな方法としては犬の画像データを大量に読み込ませて、犬の特徴を学習させることです。この方法を「教師あり学習」といいます。

教師あり学習ではコンピューターに当たるデータに「メタデータ」と呼ばれる付加情報を与えます。つまり犬の画像データに「これは犬ですよ」というメタデータを与えた上でコンピューターに読み込ませるのです。そうして大量のデータから学習することで、コンピューターは犬の特徴を記憶していき、新しい犬の写真を見ても「これは犬だ」と判断できるようになります。ちなみに画像認識等の技術はこの教師あり学習がベースにあります。

この方法とは反対に、あえてメタデータを与えずにコンピューターに学習させる方法が「教師無し学習」です。この機械学習はなにもないところからコンピューター自身にその特徴を見つけさせて判断精度を高めていきます。

ある一定の基準をデータに与えて、データの分布状況によって新しいデータがどのグループに分類されるかを決定するため、気象予報など過去のデータから未来の情報を予測するために用いられる機械学習です。

ディープラーニングとは何か?

前述のようにディープラーニングとは機械学習を発展させたものであり、昨今の革新的なAI技術の1つとして位置づけられています。機械学習(教師あり学習)では画像データにメタデータを付与することで学習を行いますが、ディープラーニングではメタデータ無しでコンピューターが自ら学習し、画像の識別を行うようになります。

「Googleの猫」という事例をご存知でしょうか?これは2012年に発表されたニュースで、Google社が開発したAIがメタデータを与えずとも、猫のデータを読み取って自ら「これは猫だ」と判断できるようになったという事例です。

参考:2012年にAIの歴史が動いた!ついに猫認識に成功した「Googleの猫」

今でこそディープラーニングはAIのトレンドとして扱われていますが、当時は非常に衝撃的なニュースでした。

ディープラーニングの実用例といえばEコマース(オンラインショップ)におけるレコメンド機能(おすすめ機能)でしょう。Eコマースでは利用者がカートに商品を入れたり、購入画面に進むと「この商品を購入した人は、他にもこんな商品を購入しています」といったコメントと共に、おすすめ商品が自動的に表示されます。近年のレコメンド機能にはディープラーニングが活用されており、利用者の好みに合わせて最適な商品をおすすめするように作られています。

こちらの「FUJITSU AI Zinraiディープラーニング システム」も参考にしてください。

オンラインで使用できる手軽な翻訳ツールとして、Google翻訳を使用している方も多いでしょうが、実はこの翻訳ツールにもディープラーニングが活用されています。Google Neural Machine Translation(GNMT)という新しいシステムが導入され、GNMTを導入したことでGoogle翻訳は自ら改良を続け、自然言語により近い翻訳を行います。

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面白い事例としてはクエリーアイ株式会社というコンピュータテクノロジーの企画・研究・開発・サービスを行っている「零(ゼロ)」です。これは福沢諭吉や新渡戸稲造など、過去の著名な作家の文集を大量に取り込み、ディープラーニングによって学習させることで、まるで過去の文豪が再来したような作品を発表したことで話題を集めました。

実際に「零(ゼロ)」によって執筆された「賢人降臨(けんじんこうりん)」はNTTドコモの電子書籍サービスで出版されており、現在のAIのレベルを知ってもらうためにあえて無校正で出版とのことです。

参考:クエリーアイ株式会社「クエリーアイが開発した人工知能「零」が書籍「賢人降臨」を出版」

AIや機械学習を効率的に実現できる環境整備の重要性

AIや機械学習についてご紹介してきました。この世界を実現するためには学習するデータが必要です。そして、このデータが大量であればあるほど精度は増します。つまり、大量データを高速かつ柔軟に処理できる環境が求められるのです。

NetAppでは、AIの導入を簡易化、統合、高速化するソリューションを提供しています。AIを企業や組織が実現するためにはデータパイプラインの整備が必要です。具体的にはデスクトップ、モバイル、IoTから必要なデータをすべて収集するエッジ層、データは安全に保存し簡単にアクセスできるようにするコア層、クラウドで提供できるAIサービスを活用するクラウド層です。つまり、大量のデータを収集し、クラウド環境も視野にAIを活用しながら管理することが重要なのです。

NetApp ONTAP AI は、ディープ ラーニングのデータ パイプラインを簡易化、高速化、統合できます。エッジ、コア、クラウドにわたるデータ ファブリックによってデータの流れを確実に合理化できるので、トレーニングと推論に必要な時間を短縮できます。

人工知能や機械学習のシステム基盤としてNetAppにご期待ください。

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