ついに登場! Amazon FSx for NetApp ONTAP

 2021.09.16  ストレージチャンネル編集部

ついに登場! Amazon FSx for NetApp ONTAP

2021年9月、AWS(Amazon Web Services)が提供するNetApp ONTAPのフルマネージド型ストレージサービス、”Amazon FSx for NetApp ONTAP” が発表されました。

この記事では、この Amazon FSx for NetApp ONTAP について簡単にご紹介し、また NetApp のクラウドストレージサービスとの連携についてもご紹介します。

Amazon FSx for NetApp ONTAP とは?

“NetApp” と聞くと、「オンプレミスのNASでシェアNo.1」の会社と連想されるかたは多いかもしれませんが、実はパブリッククラウドについても業界の中でもかなり早い時期から投資を続けており、AWSとも10年近くにわたって協業しています。

これまでも、AWS上で動作するNetAppが提供するクラウドストレージサービスとして ”NetApp Cloud Volumes ONTAP” などのサービスを提供していますが、日本時間 2021/9/3(金)に開催された AWSのオンラインイベント “AWS Storage Day 2021” にて、新サービス “Amazon FSx for NetApp ONTAP” が発表されました!

“ONTAP” とはNetAppが創業時から培い続けてきたストレージ技術のことで、今日様々なところで使われている「スナップショット」などの機能のパイオニアです。ビールサーバーの注ぎ口のことを 「タップ(tap)」と言いますが、ビールサーバーからビールを注ぐかのように簡単にデータを取り扱いできるようにとの思いを込めて、この名前がつけられました。過去にはYouTube に こんな動画 もあがっています。今回の新サービスの プロモーション動画(日本語字幕あり)でも、ちらっと、ビール飲む人が出ていますね。NetAppがどんなノリの会社かおわかりいただけるかと!

このNetApp ONTAP を採用した AWS FSxファミリーの新サービスが、Amazon FSx for NetApp ONTAP です。

エンタープライズクラスのデータ管理機能も沢山備え、これまでも多くの企業でご愛顧いただいている NetApp ONTAPですが、一方で、セットアップや運用保守には一定の専門知識が必要とされ、ITインフラ(IT基盤)の担当者でなければ、その良さを直接実感できなかったかと思います。

一方でこの Amazon FSx for NetApp ONTAP は、開発者の方がAWS マネジメントコンソール(GUI)やAWS CLI などから簡単操作で、少量・短時間からでも 利用できます。またよりディープな作業であれば、ONTAP CLIやAPIからの操作や、NetApp Cloud Manager 等の統合管理GUIからも操作できます。

今日のユーザー企業でのITシステム内製化や、クラウド上でのアジャイル開発といった流れをふまえると、このように「エンタープライズクラスのストレージを、システム開発の現場で、開発者が気軽に使える」ということは、とても大きな意味を持ちます。

はじめてのONTAP
SAP HANA on NetApp FAS Systems with NFS 構成ガイド

Amazon FSx for NetApp ONTAP の特徴

Amazon FSx for NetApp ONTAP の特徴を10点に整理して、みてみましょう。
(サービスイン時点(2021/9/3(金)時点)の内容です)

  1. AWSによるフルマネージド型ストレージサービス
    NetApp ONTAP を、Amazon FSx のラインナップの1つとしてご提供。課金もサポートもAWSが実施します。
  2. NASとブロックストレージを兼ね備えた統合ストレージ
    SMBやNFSといったNAS用途だけでなく、iSCSIでのブロックストレージ用途でも利用可能で、ActiveDirectoryと連携したユーザー管理ももちろん可能です。またマルチテナンシー機能(ストレージ仮想マシン(SVM))も標準搭載し、別々のADドメインに参加するといったこともできます。
  3. 時間と容量、性能による従量課金型で提供
    容量は1TiBから。スループットとIOPS性能を指定可能で、インスタンスとディスクの組み合わせといった複雑な設計作業は不要です。
  4. アプリ開発の現場ニーズに応えられるように
    お馴染みの AWS マネジメントコンソールやAWS CLIから操作可能で、またNetApp ONTAP CLI やCloud Manager からのよりディープな操作も可能です。 「スナップショット」や「クローン」といった高度なデータ管理機能を標準搭載し、「作業の区切りにちょっとバックアップしておきたい」「できあがったものをクイックに展開したい」といった、アプリ開発の現場でよくあるニーズにお応えできます。
  5. ストレージコストを削減可能
    「データ圧縮」、「重複排除」、「シンプロビジョニング」や、アクセスの少ないデータを自動的により安いストレージに移動する「ストレージ階層化」といった様々な効率化機能を標準搭載。クラウドストレージコストを7割削減といった事例もあります。
  6. オンプレからの移行の加速やハイブリッド/マルチクラウドを実現
    ONTAPが搭載するデータ転送機能 “SnapMirror” により、Amazon FSx for NetApp ONTAP 間でのデータ転送だけでなく、オンプレミスや、他のクラウド上のNetAppクラウド製品・サービス間でのデータ転送も可能です。オンプレからの移行や、ハイブリッド/マルチクラウド環境の構築・運用をしやすくなります。
  7. AWSの周辺サービスとも統合
    例えば管理の監査ログはAWS CloudTrailで収集、暗号化キーはAWS KMSで管理するなど、Amazon FSxの連携機能を備えています。
    また、Amazon FSx for NetApp ONTAP 用のバックアップ機能も提供されています。ボリューム単位でのバックアップ・リストアができます。
  8. 自動的なバージョンアップ
    ONTAPのバージョンアップはオンラインで自動実施されます。バージョンの指定やスキップはできません。「やるならこの曜日のこの時間で」という希望指定はできます。
  9. マルチAZ(可用性ゾーン)でのHA構成
  10. 日本国内では東京リージョンで提供

本サービスはAWSが提供するサービスです。そのサービス仕様や使い方、価格等については、AWSのWebサイトを御覧ください。

Amazon FSx for NetApp ONTAP ことはじめ

Amazon FSx for NetApp ONTAP のセットアップは幾つかの方法がありますが、ここでは、一番手軽なAWS マネジメントコンソールでのセットアップについて、その概要をご説明します。

セットアップは大きく、「クイック」と「スタンダード」の2つの道がありますが、基本的に以下のようなことを指定するだけで、びっくりするくらい簡単にセットアップできます。
以下は「スタンダード」の例で、「クイック」だと、この中の幾つかの値は自動設定されます。

図1. セットアップ画面(AWSマネジメントコンソール)

  1. ファイルシステム
    ・ONTAP でのクラスタと “Aggregate”(アグリゲート)に相当。
    ・名前と、ネットワーク(VPCやサブネット、セキュリティグループ等)、搭載するSSD(Performance Tier)の容量及び性能(MB/sec、IOPS)、管理用パスワード等を指定。
  2. ストレージ仮想マシン(SVM)
    ・ONTAPのSVM(Storage Virtual Machine)に相当。1つ以上作成可能。
    (SVMを作成すると、SVM毎に動作用のボリューム(rootボリューム)が自動的に作成されます)
    ・名前と管理用パスワードを指定。ActiveDirectoryドメインへの参加も可能。
  3. ボリューム
    ・ONTAPのボリューム(FlexVol)に相当。SVM毎に作成可能。
    ・名前と容量、ストレージ効率化機能のON/OFF等を指定。
  4. そのほか
    ・自動バックアップ機能の設定(ON/OFF等)

セットアップでの画面操作は3分くらいで、デプロイの待ち時間が30分くらいです。
デプロイが終わった後は、NFSクライアント(Linux等)やSMBクライアント(Windows等)から、一般的なファイルサーバーのマウント作業の要領でマウントしてお使いいただけます。

もっと使い倒したいときは?

AWSマネジメントコンソールやAWS CLIでは、Amazon FSx for NetApp ONTAPのデプロイ・削除と、基本的な操作ができます。

一方で、ONTAP のディープな機能を使い倒すには、ONTAP CLI にSSHでログインする・ONTAP APIをキックすることで、よりきめ細かな操作ができます。例えば、ボリュームのACL属性の設定や、NFSやCIFSのパラメータの変更、さらに SnapMirror の設定などです。
ONTAP CLI にログインするには、管理エンドポイントに対して、SSHで接続します。ユーザー名は “fsxadmin” です。

図2. ONTAP CLIへの接続画面

また、NetAppのクラウドソリューションの統合管理コンソール “NetApp Cloud Manager” (無償、SaaS)からも、デプロイ済みの Amazon FSx for NetApp ONTAP を操作したり、新たにデプロイしたりすることもできます。
NetApp Cloud Manager から Amazon FSx for NetApp ONTAP を操作するためのセットアップ手順は、こちら に記載されています。

例えば、ネットワークの疎通等の前提条件を満たしていれば、オンプレミスや、クラウド上にある NetAppのONTAP搭載ストレージ製品/サービスからのデータ転送といったことも、ドラッグ&ドロップの簡単操作で実現できます。ぜひご利用ください。

図3. NetApp Cloud Manager での画面(マルチクラウドでのデータ転送設定をした画面)

まとめ

今回の記事では、Amazon FSx for NetApp ONTAP について、簡単にご紹介しました。

これまでITインフラ(IT基盤)担当者の方に主にご愛顧頂いていたエンタープライズクラスのストレージ “NetApp ONTAP” ですが、Amazon FSx for NetApp ONTAP によって、開発者のかたにもこの価値をお届けできるようになりました。
「気軽に試せる」ことがクラウドのメリットです。まずはぜひクイックにお試して、その手軽さと価値を実感ください。

 

Name:小原 誠(Makoto Kobara)

Title:ネットアップ合同会社 システム技術本部 ソリューション アーキテクト部 シニアソリューションアーキテクト

Bioストレージプロダクトの要素技術研究開発に始まり、ITインフラ分野におけるコンサルティング(IT戦略立案)からトランスフォーメーション(要件定義、設計構築、運用改善、PMO)まで官公庁・自治体、製造業、サービス業、通信・ハイテク業など業種を問わず、計20年以上従事。ネットアップにおいてはソリューションアーキテクトとして、クラウドソリューション領域を中心に、マーケティング活動や、パートナー企業との共同ソリューション開発、ユーザー企業での導入支援等を実施。

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