ファイルサーバーをクラウド化するメリット・デメリットとは?
ファイルサーバーをクラウドに移行する方法を解説

 2022.07.22  2022.08.03

ファイルサーバーは、企業の膨大なファイルを保管するために使われていますが、近年ではそのファイルサーバーをクラウド化する企業が増加しています。総務省の令和2年度「情報通信白書」によると、ファイルサーバーをクラウド化している企業は全体の約6割にのぼります。
また、ファイルサーバーの利便性の高さが評価されていることから、クラウド型ファイルサーバーを提供する企業も増えています。
本記事では、オンプレミスのファイルサーバーとクラウド型ファイルサーバーの違いや、ファイルサーバーの選び方と注意点、オンプレミスのファイルサーバーをクラウドへ移行する方法を解説します。

オンプレイス型とクラウド型ファイルサーバーの概要と選び方

まず、オンプレミスのファイルサーバーとクラウド型ファイルサーバーの違いと、ファイルサーバーの選び方・注意点について解説します。

ファイルサーバー(オンプレミス)

概要

ファイルサーバーとはLANやWANなどのネットワーク上に設置した、データ保存やファイル共有を目的としたサーバーのことです。自分が管理しているローカルストレージをネットワーク上の他のコンピューターと共有したり、外部から利用できるようにしたり、共有目的のファイルスペースを作成したりするなど、企業の情報共有には欠かせないITシステムです。

ファイルサーバーをクラウド化するメリット・デメリットとは?ファイルサーバーをクラウドに移行する方法を解説 01

クラウドとの比較

オンプレミスとクラウドの大きな違いは、オンプレミスは物理サーバーであるのに対し、クラウドは仮想サーバーであることです。
それぞれメリット・デメリットがあるため、社内でどちらを導入するか検討する必要があります。
具体的には、まず初期コストの違いです。オンプレミスでは導入時にサーバーやネットワーク機器を揃える必要があるのに対し、クラウドでは初期費用がかかりません。
また、オンプレミスの導入で揃えたサーバーやネットワーク機器はメンテナンス費や修理代・電気代などのコストが発生します。一方でクラウドの場合は、定額課金制か従量課金制のため使用した分のみが請求され、人的コストを大幅に抑えられます。
他にもオンプレミスとクラウドには多くの違いがあるため、自社のニーズに合うほうを選定することが重要です。

クラウド型ファイルサーバー

概要

クラウドはブラウザ経由で提供されるサービスの総称であり、そのカテゴリによってSaaS・PaaS・IaaSと分類されます。
SaaSは、パソコンやサーバーにインストールして使用するソフトウェアをサービスとして提供します。ASP(Application Service Provider)とも呼ばれますが、最近ではSaaSと呼ぶことが一般化しています。
アプリケーションを開発するためのサーバーとOS、ミドルウェアの一式を、サービスとして提供するのがPaaSです。PaaSを利用することでシステム設計に沿ってアプリケーション開発が行えるため、開発期間を短縮して開発コストを抑えられるのが特長です。開発に集中できる環境とツールが揃っていることから、アプリケーション開発で真っ先に検討されるプラットフォームでもあります。
PaaSで提供するサービスをさらに深化させ、インフラそのものをサービスとして提供するのがIaaSです。その特徴から、HaaS(Hardware as a Service)と呼ばれることもあります。
このなかでファイル保存を目的としたクラウドはSaaSに分類されます。様々なサービスが提供されていますが、一般ユーザー向けのものではDropboxやGoogleドライブなどが有名です。

ファイルサーバーをクラウド化するメリット・デメリットとは?ファイルサーバーをクラウドに移行する方法を解説 02

セキュリティ

クラウド型ファイルサーバーは、クラウド提供事業者がセキュリティ対策も行っており、自社でサーバーを物理的に設置したり管理したりする必要がありません。
扱うデータはデータセンターに保管され、自社のサーバーでは難しい対策をクラウド事業者が提供してくれるため、安全性に優れています。
またサービスによっては、データのウイルスチェックや暗号化など、データ保護の対策も標準でとれているため、実際のデータに関しても安全性が高いといえます。

ファイルサーバーの選び方

チェック項目1.接続ユーザー数
提供サービスやプランによってファイルサーバーに接続できるユーザー数が異なります。
接続するメンバー数を確認し、必要ユーザー数を検討しましょう。

チェック項目2.容量
ファイルサーバー選定でもっとも重要なポイントがデータ保存容量です。
社内のデータ容量はどれくらいかを確認し、容量は余裕を持って選定するのがおすすめです。

チェック項目3.価格設定
提供サービスやプランによって価格は大幅に違ってきます。
月額で料金が発生する固定費となるため、費用の見積もりは正確に行いましょう。

チェック項目4.セキュリティ
社内の情報漏洩を防ぐためにも、高度なセキュリティ対策が取れているサービスを選定しましょう。
アクセス制限や監視ログの保管などセキュリティ対策に必要な機能を、社内のセキュリティポリシーと見比べて検討してください。

2022 クラウドインフラストラクチャレポート(日本語版)

2022 クラウドインフラストラクチャレポート(日本語版)

Spot by NetAppが提供する、Dimensional Researchによる本レポートは、従業員500人以上の企業に勤務するクラウド インフラ関係者を対象に実施したオンライン アンケートの結果に基づいています。

資料ダウンロード

ファイルサーバーをクラウド化するメリット・デメリット

ファイルサーバーをクラウド化するメリット・デメリットについて解説します。

ファイルサーバーをクラウド化するメリット・デメリットとは?ファイルサーバーをクラウドに移行する方法を解説 03

クラウド化のメリット

メリット1.自社にサーバーを設置する必要がなくなる

自社にサーバーを設置する必要がなくなるため、サーバーのメンテナンスや修理にかかる管理コストや、サーバーの光熱費を削減できます。
また、防災やBCP対策にもつながります。企業の緊急事態時にデータがクラウドにあることにより、被害を最小限に抑えられるでしょう。

メリット2.システムの拡張やストレージの追加が簡単に行える

オンプレミスのサーバーを使用している場合、システム拡張やストレージを追加したいときには、新しいソフトや追加のHDDを用意して設置しなくてはなりません。そのため、多くの手間と時間がかかってしまいます。
しかし、サーバーをクラウド化していれば、提供サービスのオプションの追加やプラン変更により簡単に拡張が可能です。

メリット3.高度なセキュリティ対策

高度なセキュリティ対策が行われているデータセンターにデータを保管することとなるため、自社にサーバーを設置してウイルス対策ソフトやセキュリティソフトを準備するよりも安心して利用できます。
またサービスによっては、データのウイルスチェックや暗号化が標準機能として提供されており、高度なセキュリティのニーズを満たすことが可能です。

クラウド化のデメリット

デメリット1.インターネット回線がないとアクセスできない

クラウド型のファイルサーバーにアクセスするにはインターネット回線が必要です。
PCの故障やインターネット回線のトラブルが生じると、ファイルサーバーにアクセスできなくなり、業務が滞るおそれがあるため、万が一のときにすぐに対処できるようリスク対策を行わなければなりません。

デメリット2.機能拡張に限界がある

クラウド型のファイルサーバーは、提供サービスによって機能が異なります。
最低限の機能しか備えてないファイルサーバーの場合、機能が必要となった際に、別のサービスに切り替えるか、機能自体を別の機能で補う、もしくはその機能の使用をあきらめなければなりません。
導入の際には、将来的に使用する可能性がある機能が備わっているサービスかを確認した上で、選定する必要があります。

デメリット3.高度な秘密情報の管理には向かない

クラウド型のファイルサーバーでは、データをインターネット経由で、クラウド事業者が管理するデータセンターに保管することとなります。
高度なセキュリティ対策がとられているデータセンターでも、不正アクセスやデータの不正利用などのリスクがまったくないわけではありません。そもそもデータセンターにデータを保管するということは、社外にデータを保管することです。
よって、社内の高度な秘密情報を保管するのは避けたほうが安心です。

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クラウドへの移行方法

ファイルサーバーをクラウドへ移行する方法と注意点を解説します。

移行方法1.自社でクラウド型のファイルサーバーに移行する

システムやサーバーの知識を要していれば、自社で移行することが可能です。
自社で移行することにより移行費用を削減できますが、システムやサーバーの知識がなければ、人的コストが増えてしまうおそれがあるため、注意が必要です。
また実際に自社で移行を試みる場合、もっとも大切なのはデータのバックアップです。データ移行の前には必ずデータのバックアップを取り、データ移行中の障害によるデータの紛失や破損などのリスクに備えましょう。

移行方法2.クラウド型のファイルサーバーへの移行を外部へ委託する

自社でクラウド型のファイルサーバーへの移行する体制が取れない場合や、費用をかけても確実にデータの移行を行いたい場合には、実績豊富な社外のプロにデータの移行を依頼しましょう。
コストはかかりますが、その分確実にデータの移行を行えるため安心感があります。費用と効果を比較して、依頼するかどうか判断しましょう。

移行方法3.クラウドサービス側で提供される移行ツールを活用する

クラウドのサービスによっては、データの移行ツールが提供されています。
なかには、データを保護する機能や、重複データの排除やデータ圧縮など効率的にデータを移行する機能を備えているものもあります。
また、サービス提供事業者によるサポートを受けられるサービスもあるため、自社でデータ移行するよりも確実に、外部にデータ移行を委託するよりも低コストでデータ移行が可能です。

クラウド移行の注意点

注意点1.データ移行の前にはバックアップを取る

自社でデータ移行する場合でも外部へ委託する場合でも、データの紛失や破損などのリスクがあります。データのバックアップは必ず行いましょう。
また、取得したバックアップデータでリストアができることも確認しておきましょう。バックアップを取ったつもりでもリストアができなければ、正常にバックアップが取れていないこととなります。
データは社内の大切な資産であるため、バックアップとリストアの確認は徹底してください。

注意点2.データ移行後は社内に周知する

オンプレミスのファイルサーバーからクラウド型のファイルサーバーへデータ移行することにより、データへのアクセス方法やアクセス権限・その他運用フローなどが大幅に変更されます。
ファイルサーバーをクラウド化したことを周知していないと、データが見つからないなど社内に混乱を招きかねません。ファイルサーバーのクラウド化により影響が出ると想定される部署に対しては、必ず周知するようにしましょう。

注意点3.データ移行時は定期的に監視する

データ移行時は、データが正常に移行されているか、サーバーに負荷がかかりすぎていないかを定期的に監視しましょう。
とくにサーバーに負荷がかかりすぎていると、データ移行がいつまでたっても進まずに、通常よりも時間がかかってしまいます。データ移行を定期的に監視することで、負荷が大きければデータ転送量を減らす対策が取れます。
また、逆にサーバーへの負荷が小さい場合は、データ転送量を増やすことでデータ移行時間を削減可能です。

注意点4.クラウドで使用したい機能が実装できるか確認する

利用できる機能は、クラウドの提供サービスごとに異なります。
オンプレミスの場合はカスタマイズ性があり、必要な機能を後から付け加えることが可能ですが、クラウドの場合は提供サービスの機能のなかから、自社で必要な機能を選定して導入するため、必要な機能がなければ実装できないケースが多いです。
そのため、必要な機能を整理して、それらの機能が利用できるサービスかどうかを事前に確認しましょう。

注意点5.予算を確認する

クラウドは一般的に、定額課金制や従量課金制となります。
そのため事業拡大などにより、機能やクラウドサービスのオプションを増やすと、当初の予算以上のコストがかかってしまう可能性があります。
クラウドサービスの課金はサービスごとに異なるため、導入前にしっかりと確認をして、余裕を持った予算を検討する必要があります。

ファイルサーバーをクラウドへ移行するならNetAppのONTAPがおすすめ

ファイルサーバーをクラウド化するならNetAppのONTAPを活用しましょう。

ONTAPの概要

ONTAPは、NetAppが創業時から一貫して提供しているストレージOSです。
FAS(Fabric Attached Storage)、AFF(All-Flash FAS)に搭載され、最⼩限の処理や負荷によって最⼤限の拡張性と管理性を提供します。
プロトコルはCIFS(SMB)・NFS・iSCSI・FC・FCoEをサポートしています。オンプレミスからクラウドに移行してきた時代の変遷に合わせて、業界に先駆けてデータ保護とデータ効率化などの機能を強化してきました。

ONTAPによるファイルサーバーのクラウド移行がおすすめの理由

ONTAPには、ファイルサーバーをクラウドへ移行する際に便利な機能がいくつも備わっています。
使い勝手のよさと業界トップの実績により、多くの企業に採用されており、ファイルサーバーをクラウドへ移行しようとしている方にはとてもおすすめです。

ONTAPおすすめ理由1.データ保護機能

ONTAPには、データを確実に保護する機能があります。
データのバックアップ・リストア・コピーは、短時間でパフォーマンスを低下させることなく実行可能です。
具体的には、データのバックアップはONTAPのSnapshot機能を使用することにより、数秒でSnapshotを取得できます。
データのリストアはONTAPのSnapRestore機能を使用することにより、ファイルやボリューム単位で実行することが可能であり、高速でリストアが実現できます。
データコピーはONTAPのSnapMirror機能を使用することにより、差分データのみを転送し、転送のデータ量と時間を削減できます。

ONTAPおすすめ理由2.効率化機能

主な効率化機能として、重複排除機能があります。
データを取り扱う際に重複しているデータをあらかじめ排除することにより、データ処理時間を削減可能です。
また、ONTAPはデータ圧縮機能も備えています。重複排除機能と連動させ、容量の効率化もすることにより、さらにデータ処理時間の削減につながります。

ONTAPおすすめ理由3.複数の環境の一元管理

ネットアップのエンタープライズ データ管理 ソフトウェアは、複数の環境を管理する製品として設計されています。容量利用率・パフォーマンス・可用性・データ保護に関する指標を確認することで、環境の健全性を一元的に監視できます。
継続的なリスク評価、予測に基づくアラート、定型化されたガイダンス、自動化された対応方法により、問題を未然に防ぎ、システムの健全性と可用性の向上、そしてセキュリティの強化につなげます。

以上のように、ONTAPにはデータ処理を確実かつ効率的に実行するための機能が多数あり、必要な機能のみを実装可能です。
オンプレミスとクラウド、SSDとHDDを問わずに、ストレージの利用環境を最適化してデータ管理を効率化でき、運用管理の負荷やコスト削減に役立てることができます。

まとめ

ファイルサーバーのクラウド化には多くのメリットがあり、多くの企業がクラウド化を進めています。
業務効率化やコスト削減もできることから、急速に変化する情報化社会へ柔軟に対応するためにも、ファイルサーバーのクラウド化は必須ともいえるでしょう。
しかし、ファイルサーバーのクラウド化にはデメリットや注意点もあるため、十分に理解して検討したうえで実施することが大切です。

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