昨今では、ビジネスに欠かせないITインフラをクラウド化する企業が増えています。オンプレミス環境をクラウドシステムに移行することで、ITインフラの管理コスト削減を図る企業は多いでしょう。しかし実際には、期待ほどのコスト削減を実現できていない企業も少なくありません。
そこで本記事では、ビジネスにおけるクラウド化の基礎知識や、問題解決のソリューションCloud Insightsの魅力についてお伝えします。
クラウドの利用率は年々増加している
クラウドの重要性が広まるにつれて、ビジネスにおけるクラウドの利用率も増加しています。ところで、クラウドがなぜ「クラウド」と呼ばれているのか、ご存じでしょうか。クラウドの重要性は認識していても、その定義をしっかり説明できる方は少ないでしょう。
まずは下記の2つに分けて、クラウドの概要を解説します。
- そもそもクラウドとは?その種類や特徴
- 日本企業におけるクラウドシステムの利用率
そもそもクラウドとは?その種類や特徴
主にIT分野で使われる「クラウド」という言葉は、英語の「cloud(雲)」に由来するといわれています。クラウドとは、ネットワークを経由してサービスを利用できる仕組みのことです。ユーザーからは直接見えない、雲の先にあるサービスを利用するイメージから、このように呼ばれています。
従来で主流だったオンプレミス型のITインフラとの大きな違いは、自社で物理サーバーを用意しなくてよい点です。オンプレミスの場合には、自社サーバーの導入に多額の初期費用がかかるうえに、導入後も運用や保守のために多くの人件費がかかります。
一方クラウドの場合には、サーバーの取り扱いを全てベンダーが代行してくれるため、こうした手間やコストがかかりません。また自社サーバーを経由しないため、場所を問わず利用できるのも大きなメリットといえます。クラウドの主な種類は、以下の通りです。
- SaaS(Software as a Service)
- PaaS(Platform as a Service)
- IaaS(Infrastructure as a Service)
サービスの提供範囲に着目すると、IaaS<PaaS<SaaSの順に広範囲となります。SaaSはITインフラなども含まれており手軽に利用できるものの、拡張性の低さがデメリットです。反対に、IaaSはITインフラの構築を自社で行う必要があるものの、柔軟なカスタマイズが行えます。
日本企業におけるクラウドシステムの利用率
ガートナー社の調査によると、クラウドシステム利用率は2012年から2021年にいたるまで、ほぼ右肩上がりで推移しています。特に、2021年のクラウドシステム利用率は平均22%ほどで、1年で約4%も増加しました。2020年に感染拡大した新型コロナウイルス感染症により、Web会議ツールなどの導入が増えたことも影響しているでしょう。
クラウドの種類に関わらず、年々利用率が増加していることが分かります。企業においてクラウドの導入は、今や当たり前となりつつあるのです。
引用元:ガートナー「ガートナー、日本企業のクラウド・コンピューティングに関する調査結果を発表」
クラウド利用には想定以上のコストがかかる場合がある
クラウドを導入する企業が増えていくなかで、新たな問題も浮き彫りとなりました。クラウドの導入には、自社サーバーにかかるコストを回避できる大きなメリットがあります。しかしクラウドを適切に運用できないと、想定以上のコストがかかってしまう場合もあるのです。
当然ながらクラウドに移行したからといって、全くコストが発生しなくなるわけではありません。クラウドシステムを運用していくうえで、ベンダーに利用料金を支払う必要があります。企業のITインフラ構築に用いられることの多いIaaSだと、利用した分だけ料金が発生する「従量課金制」が一般的です。
従量課金制の場合、クラウド利用の実態を把握できていないと、予算をオーバーしてしまう恐れがあるでしょう。例えば、夜間はITインフラをほとんど利用しないにもかかわらず、フル稼働の設定となっているケースも考えられます。また、必要以上に性能の高いクラウドを利用していても、ムダなコストが増えるでしょう。
クラウドを「監視」する必要性
クラウドの問題は、前述したコスト面だけではありません。クラウドは誰でも利用しやすいがゆえに「シャドーIT」のリスクも生み出します。シャドーITとは、各チームが独断でITシステムを利用してしまい、企業全体として実態を把握できなくなることです。
それぞれのチームが思うままにクラウドを利用すれば、その実態を経理部門が把握することは困難でしょう。誰がどのクラウドシステムを利用しているか分からなければ、利用コストが適正なのかも分かりません。最悪の場合、セキュリティ事故を引き起こすリスクもあります。
こうした問題を解消するためには、クラウドの「監視」が必要不可欠です。クラウドを監視することは、利用コストの最適化に加えて、セキュリティ事故の防止につながるメリットもあります。
Cloud Insightsでムダなコストを削減
クラウドの運用におけるムダなコストを削減するなら、「Cloud Insights」の活用をおすすめします。Cloud Insightsとは、企業のITインフラを統合的に監視するSaaSです。主要なクラウドシステム(AWS・Azure・GCP)に加えて、オンプレミスシステムの利用状況もモニタリング・分析できます。
システムごとの利用量やコストはもちろん、外部からのランサムウェア攻撃に関する情報などもグラフにより可視化されます。機械学習による高度な分析も可能なため、人間では発見が難しい情報も得られるでしょう。Cloud Insightsで監視すれば非効率的なシステムやムダなコストが明確となり、ITインフラの運用を最適化できます。
世界的な運送会社や化学薬品メーカーも、セキュリティ対策を兼ねてCloud Insightsを利用しています。今やなくてはならないITインフラのコスト削減は、どの業種にとっても重要課題です。クラウドのコストを削減したい企業の方は、Cloud Insightsの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、ビジネスにおけるクラウド化の基礎知識や、Cloud Insightsの魅力についてお伝えしました。
クラウドには自社サーバーが不要でコストを抑えやすいメリットがあり、利用率が右肩上がりとなっています。しかし適切な運用ができないと、かえってコストが増大してしまうことも少なくありません。ITインフラの運用コストを抑えるためには、クラウドを監視し、最適化していくことが求められます。
実現するには、Cloud Insightsの活用が有力な選択肢となります。クラウドの利用量やコストを可視化・分析でき、ムダなコストの削減につながるでしょう。またNetAppでは、クラウド・オンプレミス・エッジデバイスを標準化し、「データファブリック」を推進するサービスも提供しています。ITインフラを最適化したい企業の方は、ぜひお問い合わせください。
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