人工知能の定義と種類について

 2018.12.05  ストレージチャンネル編集部

2017年、Googleが開発した囲碁AIの「Alpha GO」が当時の世界最強棋士である柯潔(カ・ケツ)に勝利したことは、人工知能業界において大きなインパクトを与えました。人工知能がボードゲームで人間に打ち勝つというニュース自体は真新しいものではなく、1996年にはIBMが開発した「ディープ・ブルー」というチェスAIが当時の世界チャンピオンに勝利しています。

しかしながら、囲碁では人工知能が人間に勝利するまで「あと10年はかかる」と言われていただけに、Alpha GOの勝利は人工知能業界に多大なる衝撃を与えたのです。

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2018年1月1日に日経ビジネスオンラインにて投稿された池田信太朗編集長のエントリでは、人工知能の技術進歩によって「人間とは何か?」を深く考えさせられるという1年になるだろうと言われています。

確かに、人工知能の目覚ましい発展によって従来人が行ってきた作業の多くが、コンピューターに代替されつつあります。そうした中で「AIに負けないために、今自分にできることは何か?」とほとんどのビジネスパーソンが考えるべき局面に突入しているのかもしれません。

本稿では、この人工知能についてその定義や種類について基本を整理していきたいと思います。人工知能とは結局何か?何ができて何ができないのか?人工知能は将来的にどのような影響を与えていくのか?等を考えるきっかけにしていただきたいと思います。

人工知能とは?

「人工知能」と聞くとSoftbankが開発した人型ロボットの「Pepper(ペッパー)」や、鉄腕アトムやドラえもんといった空想的なロボットやコンピューターを想起する方が多いのではないかと思います。これらは確かに人工知能なのですが、近年話題になっている人工知能とは少し違います。

本質的な人工知能とは何かを理解するために、まずは人工知能研究の第一人者であるジョン・マッカーシー教授による人工知能の定義を確認してみましょう。

ストレージに関するお役立ち資料

It is the science and engineering of making intelligent machines, especially intelligent computer programs. It is related to the similar task of using computers to understand human intelligence, but AI does not have to confine itself to methods that are biologically observable.(知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術です。人の知能を理解するためにコンピュータを使うことと関係がありますが、自然界の生物が行っている知的手段だけに研究対象を限定することはありません。)
出典:WHAT IS ARTIFICIAL INTELLIGENCE? 人工知能とは何か?

噛み砕いて言うと人工知能とは人間の知能や行動を模倣するコンピューターを含みますが、必ずしもそういった自然的行動をコンピューターで実現するものではなく、特定の問題を解消するために自律的に行動するコンピューターも含まれます。

たとえば身近なところで言えばパソコンに搭載されているMicrosoft IME等のキーボードソフトウェアにも簡易的な人工知能が搭載されています。Microsoft IMEではユーザーが入力したデータに応じて変換候補の優先順位が変化します。これはMicrosoft IMEに搭載された人工知能が入力データを学習して、よく変換されている文字を優先的に表示しているからです。

このように、人工知能はちょっとした利便性の向上にも使用されているため、必ずしも人型ロボット等のコンピューターが人工知能というわけではありません。

人工知能の種類

人工知能の種類は大きくカテゴライズすると「特化型人工知能(AGI)」と「汎用型人工知能(GAI)」があります。それぞれの特徴について説明します。

特化型人工知能(AGI:Artificial General Intelligence)

特化型人工知能は、個別の領域に特化した能力を持つ人工知能のことを指します。たとえば前述のAlpha GOやディープ・ブルーといった人工知能が該当します。他にも医療診断や画像認識など、ある特定の分野ですでに人間以上の能力を持っており、実用化も進んでいます。近年話題に上がっている人工知能の多くが特化型です。

汎用型人工知能(GAI:Growing Artificial Intelligence)

それに対して、汎用型人工知能は異なる領域で多様かつ複雑な問題を解決する人工知能を指します。汎用型人工知能は、人工知能自身が自律的にコンピューターを制御して、まるで人間のような振る舞いをします。SoftbankのPepperやIBMが開発した「Watson(ワトソン)」といった人工知能がこれに該当します。

人工知能の学習方法

人工知能とは開発されたその時から色々なデータを処理したり、自律的に物事を判断できるわけではありません。人工知能にはいくつかの学習方法があり、それによって特性も違います。

教師あり学習

人工知能に与えるデータの中に、そのデータの内容を示すための答え(タグ)を付けた上で大量のデータを読み込ませます。そうしてデータ分類の精度を高めていく方法を「教師あり学習」といいます。たとえば、人工知能が何も学習していない段階から車の写真を見せても、それを「車だ」と判断することは不可能です。そこで、大量の車の画像データにそれぞれ「これは車です」というタグを付与した上で人工知能にそれを与えます。そうすると人工知能は大量の画像データの中から車の特徴を自ら学習していきます。最終的には車種の違いも含めて「これは車だ」と判断できるようになります。

教師なし学習

「教師なし学習」では教師あり学習と違ってデータにタグを付けません。つまり人工知能自ら大量のデータから関連性を見つけ出させ、特徴を理解させ、その規則性を学ばせるという学習方法です。教師なし学習には正解と不正解が無いため、教師あり学習で行う「これは車だ」といった判断をさせるような人工知能開発には向きません。何に活用するかというと、ECサイトにおいてユーザーごとに異なる表示をするレコメンド機能や、あるいは天候予測等です。教師なし学習は何を基準にするかによって導き出される答えが違うため、開発者の技量が重要視されます。

深層学習(ディープラーニング)

近年特に注目されている人工知能が「深層学習」によって開発されたもので、「ディープラーニング」とも呼びます。たとえば教師あり学習では車の写真から「これは車」と判断できるようになるためには、タグを付与した大量の画像データが必要です。一方ディープラーニングではタグを付与せずとも、車の写真を見て「これは車だ」と判断できるようになります。

これは簡単に説明すると機械学習を発展させた技術であり、人間の神経細胞を模した“ニュートラルネットワーク”と呼ばれる技術が中核にあります。つまり人間の神経伝達システムを真似ることで、高度な人工知能を開発することができます。

これからの人工知能について

人工知能は今も目覚ましい発展を遂げています。2045年には「シンギュラリティ」といって、人工知能が人間の英知を完全に超えるタイミングだとも言われています。しかしながら、人工知能が人間の職を奪うという将来はまだ到来していません。現在では、人間がこれまで行ってきた機械的な作業を人工知能が保管して、人間がよりクリエイティブな領域に集中できる手助けをしているといったステージにあります。ただし人工知能ができることは年々増えているので、今後は人工知能について理解をもっと深めて、かつその活用方法をあらゆるシーンを想定して模索することが大切です。

皆さんの会社ではすでに人工知能活用は進んでいるでしょうか?NetAppにおいても人工知能の研究開発や製品への実装が進んでいます。この機会に、人工知能の活用についてぜひ考えていただきたいと思います。

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