コンポーザブルインフラとHCIの違いを説明

 2020.09.03  ストレージチャンネル編集部

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ストレージ領域の2大トレンドとも言えるのが「コンバーザブルインフラ」と「HCI(ハイパー・コンバージド・インフラ)」です。

仮想化インフラを導入する企業は国内で3割弱に達するとされており、特に高いセキュリティ要件を擁する金融業界における導入が進んでいます。それら仮想化インフラを構築した企業の多くは、サーバ/ストレージ/SANスイッチの3要素構成による「3Tier型仮想化インフラ」を採用しています。多くのIT技術者にとって馴染みのあるインフラではあるものの、障害の問題切り分けが難しく、かつ運用負担の大きさから逆に負担になっているケースは多々あります。

3Tier型仮想化インフラの数ある問題を解決できるのがコンポーザブルインフラとHCIです。本記事では、それぞれどのようなインフラなのか?その違いを解説していきたいと思います。

コンポーザブルインフラとHCIの違いを説明

HCIとは何か?

まずは、コンポーザブルインフラより以前からストレージ領域でトレンドとして注目されているHCIから解説します。

AzureやAWS(Amazon Web Service)等クラウドコンピューティングを運営する世界の大手ITベンダーは「ウェブスケールIT」と呼ばれる、以下に示す要件を満たすようなITインフラを構築しています。

  • サーバとストレージの統合(X86サーバー上でのハイパーコンバージェス)
  • 100%ソフトウェアによる制御(ソフトウェアインテリジェンス)
  • クラスター全体にわたるデータとサービス(完全分散)
  • 分散リカバリによる障害の切り離し(自己修復型システム)
  • APIドリブンの自動化とデータ分析 Etc.

以上の条件を満たすとSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)やNAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)等のストレージを排除し、スケールアウト(ストレージ増設によるリソースの増強)型の分散ファイルシステムを構築できます。これにより、ごく短期間での仮想化インフラ構築、アプリケーション開発、ITコストの抑制などが実現可能です。

ただし、ウェブスケールITのような柔軟性の高いITインフラを構築するには、必要なコンポーネントを揃えるだけで多大なコストを費やし、高度で熟練したスキルを持つエンジニアの存在が必要です。

導入事例:NBC情報システム株式会社様
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そこで登場するのがHCIです。HCIはハードウェアが X86サーバだけで構成され、ストレージベンダー各種が独自に開発した仮想化ソフトウェアを採用することで、外部ストレージアレイやSANスイッチを排除し、サーバ内蔵ディスクを1つの仮想的なストレージプールに見せかけて、仮想化インフラを容易に構築できます。

コンポーザブルインフラとは何か?

HCIの登場より数年、新しいインフラ技術として注目されているコンポーザブルインフラについて解説していきます。

コンポーザブル(Composable)という言葉には「構成可能なーー」の意味があります。サーバリソースの分割/プールを実施する際には、ハイパーバイザと呼ばれる専用ソフトウェアをインストールして仮想化環境を構築します。しかしこれには、専門的な知識と技術を擁し、運用も簡単ではありません。

これに対し、一般的な仮想化技術とは違ったアプローチでサーバのストレージ/コンピューティング/ネットワークをそれぞれ分離した上で、仮想的にプール化して異なるワークロードに合わせて最適なリソースを自由に切り出して構成可能にするのがコンポーザブルインフラです。コンポーザブルインフラには次のようなメリットがあります。

コンポーザブルインフラのメリット

メリット1. 多種多様なインフラストラクチャに対応可能

コンポーザブルインフラはサーバのストレージ/コンピューティング/ネットワークを分離した上で仮想的にプール化しており、異なるワークロードに合わせたリソースの切り出しが可能です。さらに、物理環境か仮想環境か、あるいはコンテナなど多種多様なインフラストラクチャに統合でき、柔軟性の高いシステム基盤を構築できます。

メリット2. 素早いサービス提供によるIT戦略の促進

コンポーザブルインフラではリソースを管理するコントローラーも簡素化されています。その他、柔軟な構成を素早くインスタンスでき、開発環境やアプリケーションの稼働、サービス開始にかかる時間を短縮し、素早いサービス提供を実現することでIT戦略の促進に一役買っています。

メリット3. 既存のインフラストラクチャに柔軟性を

多種多様なツールとの連携によって既存のインフラストラクチャへ接続し、柔軟性の高い環境が構築できます。ワークロードが増大し、大量のリソースを消費する場合でも統合管理ツールを用いて迅速なリソースの追加も可能です。

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HCIのメリット

コンポーザブルインフラは柔軟性の高さにおいて大きな利点があるものの、まだ発展途上の若い技術ということでストレージベンダーごとに機能差が大きく、業界標準も定まっていないのでそれぞれに示すコンポーザブルインフラの定義が曖昧です。より信頼性の高い仮想化インフラを構築する点では、HCIを検討するのが良いかと思います。では、HCIにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット1. 短期間で信頼性の高いインフラストラクチャを構築

従来の3Tier型仮想化インフラでは異なるITベンダーの製品を組み合わせています。対してHCIは単一ITベンダーによる仮想化インフラの構築が可能であり、SANスイッチとストレージが排除されハードウェアとソフトウェアが統合されたオールインワンインフラが実現できます。

これにより発注時点でコンフィグレーションが検証済みとなり、指定されたハイパーバイザがインストールされるのでHCIが届いたその日に仮想化インフラとして前線に立たせることも可能です。

メリット2. データセンター費用の削減

HCIはSANスイッチとストレージの排除に成功したことで、1~2Uの筐体にPCサーバを1~4台積載し、システム構成の簡素化によって省スペースを実現しています。従来の仮想化インフラと比較するとラックスペースに余裕が生まれ、データセンターにかかる光熱費を削減可能です。

メリット3. インフラストラクチャの簡素化により運用負担を軽減

SANスイッチとストレージを排除したことでネットワークI/Oに関連する問題が解消され、ネットワークパフォーマンスが安定することで運用負担を軽減することも可能です。

メリット4. 必要に応じた拡張で適正コストを保つ

HCIに搭載されたサーバにはCPU/メモリ/ディスクが内蔵されており、サーバ1台単位での拡張が可能です。従来の3Tier型仮想化インフラでは拡張時にサイジングを再実施したり、ストレージ製品のモデル変更が生じたりながらありましたが、HCIではそうした作業が発生しません。インフラ拡張が必要なれば、それに応じてリソースを搭載したサーバを選択して追加するだけなので、ビジネスの成長に合わせたインフラストラクチャの拡張が可能です。

コンポーザブルインフラとHCIは似たようなインフラ技術であっても、メリットに着目すると違いが多いことに気づきます。皆さんの仮想化インフラにとって何が必要かをしっかりと見極めながら、最適なインフラストラクチャを構築できるよう心がけていきましょう。

調査レポート:451 ResearchによるHCI

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