今さら聞けないストレージのNASとSANの違い

 2019.11.21  ストレージチャンネル編集部

ストレージの基本的な技術や構成について勉強していると、必ずと言ってよいほど出てくるキーワードが「NAS」と「SAN」です。その意味や違いとは一体何なのでしょうか?本稿では、今さら人にはきけないNASとSANの違いについてご説明します。

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NASとは?

NASは「Network Attached Storage(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)」の略であり、「ネットワークに接続された記憶装置」という意味です。NASと聞くとファイルサーバーをイメージされる方が多いかもしれませんが、これはNASがファイルサーバー専用機として開発されたことが主な理由です。

1990年代のファイルサーバーはネットワークに接続すると、転送速度が低速であり、従来型のSCSI(Small Computer System Interface:スモール・コンピューター・システム・インターフェース)接続に比べると性能面で劣っていました。一方で、ネットワークでの転送速度が徐々に進化していくとNASの需要が認識され、企業のファイルサーバーとして一般化した経緯があります。

現在では、NASはネットワーク接続のストレージという認識が一般的であり、現在では企業だけでなく一般家庭にも普及しています。また、NASを大規模なストレージとして捉えるのではなく、部門ごとに設置するストレージ装置として利用するケースもあります。

SANとは?

SANは「Storage Area Network(ストレージ・エリア・ネットワーク)」の略であり、LAN(Local Area Network:ローカル・エリア・ネットワーク)から独立したストレージ専用のネットワークを構築して、ストレージとサーバーをFC接続でつなぐことにより、効率的なストレージの強盗管理や柔軟な運用を実現することを目的として、ストレージ接続の形態です。

ストレージに関するお役立ち資料

SANは「ストレージ専用ネットワーク」とも呼ばれ、これまで1対1だったサーバーとストレージの関係を複数対1(または1に近い数字)に変化させました、複数のサーバーとその台数以下~1台のストレージを繋ぐことで、運用管理の手間とリソースの無駄という問題を解消しています。

さらに、SANに接続された複数台のストレージも統合管理できることから、柔軟なリソースの割り当てやスケールアウトが容易に行えるのが特徴です。

NASとSANのメリット・デメリット

NASとSANは状況に応じて使分けるのがポイントであり、それぞれにメリットとデメリットがあります。ストレージ技術者としてはまず両者の特徴を知り、シーンに応じて適切なストレージ構成を選択することが大切です。また、昨今ではデメリットを克服したストレージ製品も存在ますので、その点はご了承ください。

NASのメリット・デメリット

メリット

ストレージを既存のLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)に接続するので、SANと比較して容易に導入できる

ファイル共有に特化したOSが搭載されているため、非常に安定性がよく、メンテナンスにも手がかからない

Gigabit Ethernetの普及により今まで以上にパフォーマンスが向上している

高機能なNASを導入すれば、ユーザー認証など豊富な機能があり搭載されているため新たにファイルサーバーを設置する必要がない

FC接続でNASにストレージを追加することにより、大容量ストレージの構築が可能

LVM(Logical Volume Manager:ロジカル・ボリューム・マネージャー)機能を持つNASなら、ディスク増設時も一つの共有ディレクトリに割り当てることができ、スナップショット機能と合わせスケーラブルなストレージ管理が可能

デメリット

アクセス速度は既存のLANに依存するので、高速化が難しい

NASをLANに接続することでネットワークにかかる負荷が大きくなり、ネットワーク速度低下の原因になる

SANのメリット・デメリット

メリット

ストレージが統合されているため、複数サーバーからのディスク使用ニーズに対しストレージを配分し、再分割するなどの手法で柔軟に対応できる

データ転送がFC接続による専用ネットワークのため、帯域幅の利用率が良く、高速で信頼性の高い通信が可能

データが各サーバーOSのファイルシステム上に保存され、ストレージにはブロックレベルでアクセスするため、頻繁にデータの読み書きを要求するようなデータベースや、大容量データの取り扱いに適している

独自のストレージネットワークを構築しますので、既存のネットワークに影響を与えない

SANに接続するシステムを冗長構成にしやすいので、障害発生時も迅速に復旧できる

社内全体のストレージを集約するので一元管理ができる

デメリット

ネットワーク構成のために専用機器が必要になるので、NASに比べて導入は高価になる

専用機器について専門的な知識と技術が必要になるため、運用管理の内製化が難しい

DASとは?

DASは「Direct Attached Storage(ダイレクト・アタッチド・ストレージ)」の略であり、1台のコンピューターに対してストレージを直接接続する方法です。十数年前まではストレージ環境の主流として利用されていました。ストレージの接続にはSCSI、IDE、FCが用いられ、IDEにはEIDEやUltraATAなどの規格があり、コンピューターに内部ストレージを接続します。SCSIは内部ストレージだけでなく外部ストレージとの接続も可能にし、FCはSCSIと同様外部ストレージ接続し、接続長がSCSIよりも長いという特徴があります。

ただし、複数のサーバーにそれぞれのストレージが分散される形になるため、組織全体としてストレージ統合管理が難しくなり、バックアップもそれぞれのサーバーで行う必要があるため管理効率が下がります。さらに、サーバーのCPU消費率が高くなるのが難点の1つです。

今日のストレージ環境ではDASに無駄やコストが多いという理由から、一定規模以上の環境ではNASまたはSANが採用されています。NASは複数のユーザーで同じストレージを共有したり、ファイルを共有したりする場合に有効です。NASは基本的にファイル共有が目的だと言えます。

SANは業務システムなど高度なパフォーマンスが要求されるストレージ環境に有効です。ストレージ専用ネットワークを構築するためアクセス速度が非常に高速であり、情報システムが提示するパフォーマンス要件を満たすことができます。一般的なファイルだけではなく、高速な処理が必要な業務システムデータベースにも利用され、サーバーとストレージを複数対1で接続できることから、効率性の高いストレージ環境を構築できます。

以上のように、NASとSANは似たようなストレージ用語であっても、その意味は構成されるストレージ環境はまったく異なります。ストレージについて勉強する際は、両者の違いを明確にした上で自社にとって最適なストレージ環境について考えてみましょう。

 

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