ネットアップとは?
データストレージに特化した特徴、メリットについて解説します!

 2022.09.08  ストレージチャンネル編集部

ネットアップはファイルサーバーに欠かすことのできないデータストレージに特化したソフトウェア企業です。NetApp FASと呼ばれるストレージ製品群を提供し国内でもトップクラスのシェアを誇ります。またファイルサーバーのみならず様々なソリューションを提供しています。

本稿では、ネットアップが提供するソリューションやテクノロジの特徴を紹介し、ネットアップ社のNetApp FASの特徴とWindowsファイルサーバーとの違いについて、ご紹介しますので、今後の検討材料にしていただければ幸いです。

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ネットアップとは

ネットアップは1992年に米国で設立されたデータストレージに特化したソフトウェア企業です。2014年から「データファブリック」(Data Fabric)という概念を提唱し「クラウドやオンプレミスなど環境の違いを超えてユーザーが自由にデータを入出力できるようにしたい」というコンセプトに基づいて、技術的制約にとらわれずクラウド、オンプレミス、データセンターなど様々な環境で利用できるソリューションを提供しています。国内のNAS市場におけるシェアもトップクラスです。まずはネットアップの代表的なテクノロジについて紹介します。

参考記事:国内NAS市場でシェアNo.1

NetApp ONTAPとは

ネットアップのテクノロジを支えているのがストレージ専用OSのNetApp ONTAPです。ネットアップが提供するハードウェアアプライアンス、仮想アプライアンス、あらゆるソリューションの根幹となるOSです。Spinnaker Technologyより買収しNetBSD、Linuxベースで開発されたOSであり、CIFS、NFS、FTP、iSCSI、FCPなどあらゆるプロトコルに対応し国際的な規定に準拠しながら現在に至るまでネットアップ独自の仕様で開発されています。

ファイルシステムはWAFL(Write Anywhere File Layout) を採用しており、独自のRAID構成を可能としながら様々なオプション機能を実装しています。

WAFL(Write Anywhere File Layout)とは

NetApp ONTAPで採用されているファイルシステムです。ネットアップが1992年の創業当初から実装しているアーキテクチャです。ディスクへの書き込み負荷を極限まで減らすために工夫されています。

WAFLはデータを一時的にNVRAMに保存し、ドライブの空きブロックを確認して、データの書き込みを一括でWrite処理する仕組みです。また空きブロックを管理し、読み込み時間を短縮しドライブのオーバーヘッドを極限まで削減しています。

WAFLは負荷を削減する仕組みと同時に仮想化機能、重複排除機能、スナップショットなどの機能に親和性が高いという特徴を持っています。

ストレージ管理に特化したStorage Efficiency機能

Storage EfficiencyはNetApp ONTAP、WAFL環境で提供される効率化機能です。シンプロビジョニング、Snapshot、重複排除、データ圧縮、柔軟なクローン作成、レプリケーションやRAID、キャッシュのアグリゲーションなど様々なオプションが利用できストレージ効率を最大限に高めることができます。

クラウド環境におけるファイルサーバーのメリット

ここまでネットアップの代表的なテクノロジを紹介しました。近年ではクラウド環境においても利用が広がっています。クラウド環境におけるファイルサーバーのメリットについて解説します。

場所にとらわれず利用できる

オンプレミス環境のファイルサーバーではVPNなどデータにアクセスするための仕組みを構築しなくてならず、VPNは接続数や帯域がボトルネックになる可能性があります。

クラウドファイルサーバーはインターネット経由で外部サーバーへ直接アクセスが可能なことからテレワーク、サテライトオフィスなど場所にとらわれず、帯域を気にせずアクセスすることができます。

運用管理の作業負担削減

オンプレミス環境の場合、バックアップ、OSアップデート、障害対応、セキュリティ対策などの定期的なメンテナンスや突発的な対応など作業負担が大きくなりがちです。

クラウド環境では自社のサーバー管理が不要になるため、メンテナンスや修理など運用を大幅に削減することが可能です。

柔軟な拡張性

オンプレミス環境の場合、容量が不足した時には、ストレージの拡張対応が必要です。サーバー増設、ハードディスク追加は費用負担、作業負担が大きく、実施までに数日、場合によっては数ヶ月時間を要する場合があります。

クラウド環境ではファイルサーバーはサービスとして提供されているため、プラン変更やオプションサービス追加で即日対応することが可能です。料金も基本的に利用した分だけの従量制課金です。

ネットアップ 総合カタログ

ネットアップ 総合カタログ

NetApp ONTAPは、NetAppストレージに標準搭載される高度なデータ管理のための専用ソフトウェアです。企業が求めるストレージ効率性、バックアップ、ディザスタリカバリ、コンプライアンス、耐障害性と可用性、セキュリティをNetApp ONTAPが支え続けています。

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クラウド環境に最適化されたNetApp Cloud Volumes

このようなクラウド環境の普及からネットアップはクラウド環境向けに最適化されたNetApp ONTAPを基盤とするストレージソフトウェアであるNetApp Cloud Volumes を提供しています。

NetApp Cloud Volumes はLinux、Windowsクライアントに対してクラウド環境での効果的なファイル共有を提供するフルマネージドストレージサービスです。NFS、SMB、CIFSプロトコルのアクセスに対応しており、様々な環境に統合することが可能です。またREST APIを実装していることから様々なプログラム連携も可能です。

ネットアップの監視サービスNetApp Cloud Insights

このように様々な用途に利用可能なクラウド環境では誰でもすぐに利用できるために、従量制課金のコスト増大や、誰が使っているのかわからないシャドーITのリスクも生み出します。

クラウドの利用においては監視が必要不可欠です。ネットアップではリソースやアプリケーションが正常に適切に利用されていることを監視するNetApp Cloud Insightsという監視サービスを提供しています。

クラウド上のあらゆるリソース、アプリケーションを完全に可視化し、マルウェアや、攻撃の予兆などをいち早く検出しアラートすることが可能です。またNetApp Cloud Insightsはクラウド、オンプレミスの両方に対応しており、ハイブリット環境を完全に監視することが可能です。詳しくはこちらの記事をご参照ください。

関連記事:Cloud Insightsでクラウドのコストを激減 インフラ監視システム

クラウドリソース最適化サービスSpot by NetApp

監視のみならずクラウドリソースのコスト最適化を目的としたSpot by NetAppというサービスもあります。Spot by NetAppは、Cloud Analyzer、Eco、Elastigroup、Oceanの4つのサービスで構成されています。これらのサービスを組み合わせて活用することでコスト面においてより効率的な運用が可能になります。詳しくはこちらの記事をご参照ください。

関連記事:Spot by NetAppでクラウドコストの最適化を実現する

NetApp FASの特徴

ここまで解説した通り、ストレージ専用OS であるNetApp ONTAPがネットアップのコアテクノロジであることがお分かりいただけたと思います。このNetApp ONTAPを搭載したストレージ製品群がNetApp FASシリーズです。まずは、NetApp FASと一般的に広く利用されているWindowsファイルサーバー、双方の特徴から整理していきます。

NetApp FAS

NetApp FAS(ネットアップ・ファス)は、NetAppが提供するストレージ製品の総称です。

NetApp FASは汎用性が非常に高く、CIFS及びNFSプロトコルを通じてアクセスする「NAS(Network Attached Storage:ネットワーク・アタッチド・ストレージ)」としてだけでなく、iSCSIやFibre Channelといった「SAN(Storage Area Network:ストレージ・エリア・ネットワーク)」ストレージとしても利用でき、1台で複数の接続プロトコルを混在させたストレージ環境を構築できます。要するに、WindowファイルサーバーやUnixファイルサーバーが混在するファイル共有環境であっても、NetApp FASが1台あればそれらの環境を統合できる、ということです。

Windowsファイルサーバー

Windowsファイルサーバーが広く利用されている理由は、前述のようにGUIベースによるシンプルな操作性と、Windows Serverにファイルサーバー機能が標準搭載されていることが挙げられます。その他の特徴としては、「Active Directory(アクティブ・ダイレクトリー)」によって、ネットワークに接続されている資源やユーザーに関する情報及び権限を、一元管理できるシステムです。Active Directoryを使用することで、組織全体のユーザーを容易に管理でき、かつクライアントパソコンの一括設定等も可能です。「SSO(Single Sing On:シングル・サイン・オン)」を実装すれば、ユーザーの利便性も向上します。

双方の特徴を整理しただけでも違いが見えてきますが、次項にてNetApp FASとWindowsファイルサーバーとの細かい違いについてご紹介します。

導入事例:株式会社TOKAIコミュニケーションズ様

NetApp FAS とWindowsファイルサーバーとの違い

それでは、さまざまな観点からNetApp FAS とWindowsファイルサーバーの違いを確認していきましょう。

OS(オペレーティング・システム)

Windowsファイルサーバー:Windows Sever 2019を搭載。セキュリティに脆弱性が多く、頻繁なアップデートが必要になる。

NetApp FAS:ONTAPを搭載。ストレージに特化し、NetApp独自のOSであることからWindowsやLinuxと比較すると脆弱性は少ない。その観点からも、サイバー攻撃に対し一定の堅牢性を備えている。

ファイルシステム(破損からリスク有無)

Windowsファイルサーバー:リスクがある。提言によるファイルシステムが破損した場合、チェックサムから回復し、別途ディスクスキャンのプロセスが実行される。以前のバージョンに比べれば回復時間が改善される。

Windows server 2022ではストレージの修復速度が改善されている。ディスク障害に対しストレージの修復と再同期が早くなり、修復速度やパフォーマンスにリソースを割り当てるなどより詳細に制御でき可用性、柔軟性、効率性が向上した。

NetApp FAS:停電が発生してもNVRAM上のデータは、内部バッテリーによる整合性が保持した状態で保管されるため、ファイルシステムの破損がない。

なぜならNetAppはディスクへデータを書き込む前にコントローラー内のNVRAMへデータが書き込まれた時点で書き込み完了の応答を返している。これは高速にデータの保存を完了し不整合を防ぐことでデータを保護することを目的としており高い堅牢性が特徴だ。

クオータ管理

Windowsファイルサーバー:NTFSの場合ユーザー単位。FSRMの場合フォルダー単位。

NetApp FAS:ユーザー単位、Qtree単位、グループ単位での管理が可能。

シンプロビジョニング

Windowsファイルサーバー:仮想ディスクとして物理容量より大きな領域を提供できるが、動的な伸縮が不可能。

NetApp FAS:仮想的なボリュームとして物理容量よりも大きな領域が提供でき、動的に伸縮が可能。ONTAPではStorage Efficiencyテクノロジにより低コストで最大限のデータを格納しスペースを節約しながら急増するデータに効率的に対応。

仮想環境におけるプロビジョニング

Windowsファイルサーバー:動的にVHDXの拡大及び縮小が可能。

NetApp FAS:動的にDatastoreの拡大及び縮小が可能。

RAID保護

Windowsファイルサーバー:外付けのストレージが提供するRAID保護に加えて、仮想ディスクを保護するための回復スキーマが必要になる。この回復性スキーマで仮想ディスクの保護をしないと、物理ディスクが故障したタイミングで論理的なデータ損失が発生し、復旧できない。

NetApp FAS:HDD、SSDレベルのRAID6の保護により物理ディスクが故障した場合でもデータ損失が起きない。

またRAID-4、RAID-DP、RAID-TECもサポートしている。RAID-4は従来商用システムで導入されている例は少ない構成だが、NetApp独自開発のWAFLファイルシステムおよびNVRAMとの組み合わせによりオーバーヘッドを最小に抑え高速な書き込みを実現している。

SSDによるキャッシュ機能

Windowsファイルサーバー:Windows Server 2022では記憶域バスとしてキャッシュ機能に対応。キャッシュは読み取りキャッシュと書き込みキャッシュの両方をサポートしている。

NetApp FAS:自動的に、ランダムアクセスの場合はSSDにキャッシュし、シーケンシャルアクセスの場合はHDDを利用することで性能向上とコストのバランスを実現できる。

重複排除機能

Windowsファイルサーバー:32kb~128kbの可変長ブロック単位で重複チャンクをスキャンし、1つのチャンクに格納する。重複除去はシステムの低負荷時に実行する必要があり、あるいはスケジュール設置が可能。ただしインラインは実行不可。

Windows Server 2019ではReFSファイルシステムに最大10倍のデータを格納可能となった。最大 64 TB のボリュームをサポート可能。

NetApp FAS:4kbブロック単位で重複ブロックを精査し、排除する。インライン・オンラインで重複排除が可能であり、重複データを見極める単位がWindowsファイルサーバーに比べて小さく、排除率が高い。

ネットアップはストレージに特化しているという点から他社のプライマリストレージ、セカンダリストレージ、アーカイブストレージで動作することを前提に設計されている。そのためアプリケーション、プロトコルに依存しない柔軟性を維持するために重複データを見極める技術精度が高い。

圧縮機能

Windowsファイルサーバー:オンラインでのみ圧縮可能。

NetApp FAS:インライン・オンラインともにデータ圧縮が可能。

NetApp FASはデータを格納する際に圧縮し必要な物理容量を抑制する。インラインおよびポストプロセスによる処理しアダプティブ圧縮およびセカンダリ圧縮の2種類の圧縮方法を選択が可能。

バックアップ

Windowsファイルサーバー:VSS(Volume Shadow-Copy Service)によるバックアップ。

NetApp FAS:VSSと連動し、オープン中のファイルのスナップショットが生成可能。ランサムウェア対策で圧倒的な効果を発揮する。

NetAppは無償で適用可能なオンラインバックアップ機能としてポインター情報だけをコピーするという独自の仕組みでSnapshotを実現している。

汎用的なコピーアウト方式のSnapshotのようなパフォーマンス劣化なくシステム稼動中にボリュームサイズや処理状況を問わず、1秒以内でSnapshot コピーが作成され瞬時にオンラインバックアップを取得できる。

クローン機能

Windowsファイルサーバー:外付けストレージの機能に依存する。

NetApp FAS:仮想的なクローンボリュームを瞬間的に生成し、クローンボリュームに書き込み、上書きされた時だけ容量が消費される。

NetApp ONTAPでは読み込み/書き込みが可能な複製ボリュームを作成することができるフレックスクローン機能を提供する。

フレックスクローンは、わずか数秒で作成可能な複製ボリュームであり、このフレックスクローンボリュームはオリジナルデータの状態を損なうことなく利用可能である。

データレプリケーション

Windowsファイルサーバー:仮想マシンのレプリケーションで対応。回復サイトにあるHyper-Vサーバーに運用仮想マシンを手動でフェールオーバーでき、仮想マシンはある一時点の状態に、数分以内に回復する。

NetApp FAS:ストレージ筐体間もしくはノード間でレプリケーションが可能。仮想環境ではDatasotoreのレプリケーションを実装でき、Vmware ESXi環境であればSRMとの連携が可能。

NetAppが提供するNetApp Snap Mirrorサービスによりビジネスクリティカルなデータの可用性を高め高速なデータレプリケーションを実現可能。

1つ以上のネットアップストレージにデータをミラーリングしデータを継続的に更新することで、データを最新の状態に保ち、必要なときにいつでも利用できる。外部のレプリケーションサーバは不要。

ファイル保持ポリシー

Windowsファイルサーバー:ファイルスクリーニングによるポリシーベースで制御する。拡張子情報からファイル本体のヘッダーの確認まではしない。

NetApp FAS:Fpolicyという機能を利用し、拡張子による保存可能可否を設定することができる。

NetApp FPolicyはSMBおよび NFS v3 および v4.0 のファイルアクセスを監視するためのファイルアクセス通知フレームワーク。FPolicy を使用すると選択したネットアップパートナーと連携してさまざまなユースケースを処理できる。

レポート機能

Windowsファイルサーバー:標準で重複するファイル、大きなファイルなどの抽出をし、レポートすることが可能。

NetApp FAS:NEC NIAS等のサードパーティ製ソフトウェアと組み合わせる必要がある。

ファイルサーバーとNASの違い」もご参考にしてください。

Azure上で利用できるAzure NetApp Files

ここまで、NetApp FAS とWindowsファイルサーバーについて違いから特徴を解説してきました。マイクロソフトが提供するクラウドサービスであるAzureでもNetApp ONTAPが搭載されたストレージサービスを利用する事が可能です。詳しくはこちらの記事をご参照ください。

関連記事:Azure NetApp Files(ANF)とは?その概要について解説

まとめ

いかがでしょうか?ネットアップの代表的なテクノロジと特徴について、クラウド環境におけるネットアップのサービス、またNetApp FASとWindowsファイルサーバーの違いを一挙にご紹介しました。NetApp FASはシステムパフォーマンスを向上するだけのストレージ製品ではなく、ファイルサーバーとして利用することによる、従来のファイル共有環境から脱却し、統合的かつIT管理者の負担を軽減し、コスト削減を実現するファイル共有環境を構築できます。この機会に、NetApp FASをぜひご検討ください。

Azure NetApp Files(ANF)

Azure NetApp Files(ANF)

本資料では、Azure NetApp Files(ANF) に関して「The Power of Data ONTAP」 「Microsoft Azure内に実装されたNetApp All Flashベースのフルマネッジドファイルサービス」「ユースケース」「価格(東⽇本リージョン)」など情報をご紹介いたします。

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