クラウドに移行する際に知っておきたいデメリット

 2019.11.21  ストレージチャンネル編集部

クラウドはオンプレミスに比べて、メリットが多いしデメリットは少ない」。こうした認識を持っている方は多いでしょう。確かに、昨今のソフトウェア市場ではオンプレミスをクラウドが逆転するという光景がしばしば見られますし、クラウドに商機と勝機を見出している企業がほとんどです。そしてその考えは、おおむね正しいと言えます。

IT業界において古い技術や慣習を、新しい技術や慣習が塗り替えていくことは時代ごとに繰り返されており、クラウドとオンプレミスもその流れの1つだと考えてよいでしょう。将来的には、企業ごとに形は違えど「システム全体をクラウドに一本化する」のが当たり前になるかもしれません。

ただし、「クラウドはデメリットが少ない」という広い認識は重大な誤解を生む可能性があり、それ故にクラウド移行で失敗する、失敗とまではいかずとも思うように成果が上がらないという事例も存在することも事実です。

本稿では、クラウド移行に際し知っておきたいデメリットを網羅的に紹介しています。メリットばかりに固執して失敗しないためにも、ぜひ参考にしてください。そして、これらの内容を吟味した上でクラウドへの移行を考えても決して遅くはないかと思います。

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クラウド移行の際に知っておきたい7つのデメリット

1.既存システムとの連携不足による日常業務の停滞

企業の中である業務システムをクラウドへ移行したとしても、それに伴って他の業務システムも移行できるとは限りません。投資費用を考慮して一部のシステムに留めることも多いですし、基幹系システムとなると容易に移行できないことは経営者や情報システム担当者が重々承知していることでしょう。

そこで問題になるのが、「既存システムとの連携性」です。コストメリットを狙ってクラウドへ移行したのはいいものの、オンプレミス時代に比べてシステム同士の連携不足が発生しているとあっては、コストどころの話ではありません。日常業務が停滞すればその影響はビジネス全体に及びますし、顧客からの信用も失います。

重要なのは、「システム全体を通じてまとまりをもてているか」であり、クラウドに固執するあまりシステム全体を見渡せなくなることは起こりがちな失態です。

さらに、クラウドの初期投資の低さと導入スピードに感動し、事業部門別や業務別に導入を進めてしまうのも非常に危険です。最終的にはシステムのサイロ化を引き起こし、連携不足による日常業務の停滞に陥ります。

2.自由にカスタマイズできないことへのもどかしさ

一般論としてクラウド特にSaaSは自社仕様にカスタマイズするのが難しい場合があります。もちろん、サービスによって独自の開発キットなどを提供し、ユーザー独自にソフトウェア構成を変えられるものも存在します。

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となると、「システムを自由にカスタマイズできない」というデメリットは想像以上のもどかしさを生む可能性があります。これは高い技術力を有する企業や独自かつ特殊な業務プロセスを持つ企業ほど感じやすいものかもしれません。

これまでなら業務要件に応じてシステムを組み替えてきたのに対し、これかはビジネス要件に対して業務プロセスを組み替えていく必要があります。業務プロセスの組み換えは悪いことではありませんし、見方を変えればクラウド移行をきっかっけにBPR(業務プロセス再設計)を実施することにも繋がります。

しかし、そうした経験の無い企業にとって業務プロセスの組み換えは想像以上に重労働であり、クラウド移行のメリットが一体何だったのか見出せなくなる可能性が高いでしょう。

3.ネットワーク障害が発生した際の影響が非常に大きい

オンプレミス環境でも日夜さまざまな障害が発生しますので、「障害が発生する」こと自体が問題ではありません。ネットワーク障害が発生した際に起こる影響があまりにも大きい、というのが最たる問題です。

仮にオンプレミス環境でネットワーク障害が発生しても、問題があるネットワークを切り離してビジネスに影響が少ない範囲で対応することが可能です。一方、クラウドでネットワーク障害が発生すると壊滅的かもしれません。インターネットが利用できなければシステムは利用できないのですから、当然と言えば当然のことですね。

最近では災害時の停電もかなりの警戒が必要なので、クラウドのリスクは以前よりも増していると考えてよいでしょう。予備電源を確保しているとしても、近くの電線まで電気が通っていなければインターネットは利用できないのです。

ただし、多くの企業がクラウドを利用しているのであらゆる企業が同じ状態に陥ることは確かです。最低限、契約するクラウドベンダーのSLAは確認しておいたほうが良いでしょう。

 

4.運用負担を軽減できる=システム運用に関与できない

クラウドのメリットとして「運用負担の軽減」を挙げる企業は多いでしょう。一般的にクラウドの種類によっては、サーバーメンテナンスやアップデート対応などの必要はないので、運用負担を大幅に軽減できることは間違いありません。ところがそれば、システム運用に関与できないということを意味します。システム障害が発生してもベンダーの対応を待つ他ありませんし、システム構成を自由に選択できないことにもどかしさを覚える企業もいるかもしれません。

5.ランニングコストの増大という落とし穴の存在

クラウド移行を検討している企業は、オンプレミスとクラウドのメリットが容易に逆転することがある、という事実を知っておかなければいけません。

クラウドは必要なリソースを必要な時に利用するというスタイルから、コストの適正化が図れて費用削減に繋がると考えられています。これは事実ですが、誤解もあります。クラウドは利用した分の従量課金制というスタイルから、短期的にはランニングコストが安く済んでも、長期目線のトータルコストでオンプレミスを上回る可能性があります。

これを知らずしてクラウドへ移行すると、気づくと予算を大幅にオーバーしていたなんてことになり兼ねないので注意しましょう。そのために契約しているクラウドベンダーから移行しやすいような準備も必要です。

6.サービスがいきなり提供されなくなるというリスク

たとえばオンプレミスで導入したソフトウェアを提供しているベンダーが倒産しても、更新プログラムやセキュリティプログラムが配布されなくても、独自のセキュリティ体制を敷くことでシステム運用を継続できます。あまり良いことではありませんが。

それに対し、クラウドではベンダーが倒産や事業撤退をすれば、サービス自体が提供されなくなる可能性が高いため、このリスクを念頭に置く必要があります。

7.システム仕様が勝手に変更される可能性が高い

クラウドではアップデートが自動的に行われることから、運用負担を軽減できるメリットがあります。しかしそれは、裏を返せばシステム仕様が勝手に変更される可能性も秘めていることを理解しておくべきでしょう。無料サービスを利用していて、ユーザーインターフェース等が勝手に変更されていて不満に感じたことはないでしょうか?この場合は「無料だから仕方ないか」と割り切れますが、わざわざ料金を支払って利用しているサービスの場合、不満はかなり募ります。

いきなり大幅な仕様変更が発生したという事例も少なからずあるので、その点にも留意しておくことが大切です。

 

こうして見るとクラウドの悪口ばかり言っているようにも思えますが、クラウドは大変素晴らしい技術であり、サービスであることに違いありませんし、私たちのビジネスに多大な恩恵をもたらしてくれるものです。そのため企業はクラウドを選定することがデフォルトになってきています。

大切なのは、デメリットもしっかりと理解した上で、適材適所を理解し、適切な移行を目指すことです。本稿でご紹介した内容を、これからのクラウド移行に少しでも活用していただければ幸いです。

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