NetAppのクラウドストレージサービス AWS、Azure、GCPで利用できる機能

 2020.11.16  ストレージチャンネル

NetAppが提供するクラウドサービスは、クラウド分析、クラウド管理、データサービス、クラウドストレージサービスの4つのレイヤーがあります。このレイヤーで必要な要素を組み合わせて活用することが可能です。

クラウドストレージサービスのレイヤーに焦点をあて、AWS、Azure、GCPで利用できるCloud Volumes ONTAPとCloud Volumes Serviceを解説します。

NetAppのクラウドストレージサービス AWS、Azure、GCPで利用できる機能

Cloud Volumes ONTAPとは

Cloud Volumes ONTAPは、AWS、Azure、GCPの仮想マシンのインスタンスにNetAppのNAS(Network Attached Storage)と専用ストレージOSのONTAPを提供します。NetApp Cloud Data Serviceにおける統合管理コンソールとして位置づけられる無償ソフトウェアです。

Cloud Volume ONTAPが有効なケースとは

オンプレミスにおいてNetAppのストレージを導入済みで、クラウドを活⽤することでインフラストラクチャーや運⽤管理のコストを削減したいときにCloud Volumes ONTAPは適しています。

オンプレミスとパブリッククラウド間でデータの移行と共有を簡易化したい場合や、ファイルサーバーのクラウド化に役立ちます。さらに具体的にすると、DR(Disaster Recovery:災害対策)としてデータのバックアップやリストアにNetAppを利用している場合や、稼働中のシステムをオンプレミスからクラウドにスムーズに移行する場合などがあります。

こうした場合では、オンプレミスの通常利用のストレージと、AWS、Azure、GCPいずれかのクラウド上のCloud Volumes ONTAPをSnapMirrorによって同期させます。パフォーマンス層(ブロックストレージ)とキャパシティ層(オブジェクトストレージ)の同期によって、オンプレミスのストレージで障害が発生した場合はクラウドに切り替えます。

Cloud Volume ONTAPの機能、メリット、構成

Cloud Volumes ONTAPは、クラウド上の仮想マシンのインスタンスとしてNAS(NFS、CIFS、iSCSI)およびハードウェア製品(FAS/AF)と同⼀のONTAPの機能を提供します。

ストレージの階層化技術と効率化によって、クラウド上のデータの保存および管理のコストを全体最適化します。ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの環境でデータのモビリティを実現するとともに、セキュリティとコンプライアンスの強化が可能です。

技術的な特長としては、重複排除、データ圧縮、⾃動階層化の技術を実装し、3倍以上の容量削減を実現します。ONTAPハードウェア製品と同様のFlexCacheによるキャッシング技術やSnapMirrorによるデータ転送技術によって、オンプレミスとクラウドのデータ連携が容易です。

自動フェイルオーバーのHA(High Availability)機能で障害が発生したときに、Mediatorで予備のシステムに切り替える管理を行います。Cloud Volumes ONTAP自体は、Cloud Managerで管理します。

Cloud Managerによる管理機能

Cloud Managerは無償の統合管理コンソールです。クラウドのストレージにおけるデータの利⽤状況を⼀元管理できます。GUIの採用によりタブレット端末でも直感的な操作が可能で、Data Fabricプラットフォーム全体の管理ホストとしてセキュアなデータ管理を実現します。

Cloud Managerはオンプレミスとクラウドの両方に対応し、Cloud Backup ServiceやCloud Complianceとの連携、NetApp Active IQ Supportとオンラインによる連携ができます。

Cloud Backup Serviceによるバックアップ機能

Cloud Volumes ONTAPのデータ保護機能がCloud Backup Serviceで、Cloud Managerを操作してバックアップが可能です。AWSではCloud Volumes ONTAPの作成時に指定して、バックアップ先のAWS S3を同時にデプロイできます。将来的にはAzure NetApp FilesとCloud Volumes Service for AWSにも対応する予定です。

クラウドに関わる利用調査報告
Azure NetApp Files(ANF)

スケジュールを設定したバックアップとマニュアルバックアップの両方に対応し、ボリューム単位でのバックアップ、フルマネージドのリストアのサービスも提供しています。バックアップのデータはAWSではAWS S3、AzureではAzure blobに格納します。GCPのオブジェクトストレージにも対応が予定されています。

クラウドストレージのコスト削減および最適化を行うFabricPool

利⽤頻度の低いデータをより安価なクラウドストレージに自動的に階層化し、クラウドストレージのコストを削減する機能がFabricPoolです。

FabricPoolはONTAPの機能で、Cloud Volumes ONTAP上のデータの⾃動階層化も可能です。AWSではAmazon S3、AzureではAzure Blob Storage、GCPではGoogle Cloud Storageをサポートしています。アプリケーションからシームレスにFabricPoolを利用することが可能で、Cloud Volumes ONTAPには無償ライセンスがバンドルされています。

Cloud Volume Servicesとは

Cloud Volumes Servicesはフルマネージドによるファイルストレージのサービスで、AWS、Azure、GCPで利用できます。

AWS、Azure、GCPのようなクラウドサービスでは、IaaSはクラウドサービスプロバイダーが管理を行います。しかし、WindowsファイルサーバーとCIFSファイル、LinuxファイルサーバーとNFSファイルは、ユーザーで管理することが必要です。

Cloud Volumes Servicesでは、WindowsとLinuxのファイルサーバーとデータの管理をNetAppが担うため、ユーザーによる管理が必要ありません。さらに、IaaSにおいてAWSとGCPではCloud Volumes Services、AzureではAzure NetApp Filesが運用管理を提供します。

したがって、ファイルサーバーの運⽤はもちろん、インフラストラクチャーの設計と構築、障害時の対応、セキュリティ対策などの⾯倒な運⽤不可を削減します。

Cloud Volume Servicesが有効なケースとは

クラウドのデータ運⽤管理で煩雑な⼿間を削減したい場合に有効です。たとえば、リモートワークでWVD(Windows Virtual Desktop)を構築するとき、仮想デスクトップ環境でプロファイルやユーザデータの領域に⾼速な共有ストレージを提供します。

エンタープライズで⼤規模データベースを利用している場合や、開発部門や研究施設でHCIアプリケーションなどを利用した、ソフトウェアのビルド、ゲノム解析、ビデオのレンダリングを行う場合にも適しています。

Cloud Volume Servicesの機能、メリット、構成

AWS、Azure、GCPのクラウプロバイダーによる内部ネットワークを通じて、フルマネージドのファイルストレージサービス(NFS、CIFS)を、ONTAPを基盤とした専⽤ストレージプラットフォームで提供します。割当容量がTB単位で、性能保証を含めた⽉額の従量課⾦制度を採用しているため、利用コストを最適化できます。

メリットとしては、クラウドコンソールから⼀括操作が可能で、インフラストラクチャーの運⽤管理が不要なことがあります。Cloud Volume Servicesは、リソースプールなどのクラウドアーキテクチャとシームレスに連携します。SAPをはじめ、VDI、AI、HPCなどの多彩なクラウドソリューションにおいて最適な環境を構成します。

技術的な特長としては、トップレベルのデータ⼊出⼒性能を⼿頃な価格およびSLAとして99.99%の品質で提供することです。サービスレベルと処理性能およびスループットは以下になります(処理性能は4KB Block処理負荷における性能値)。

■STANDARD

処理性能:4,000 IOPS/TB スループット:16MB/TB

■PREMIUM

処理性能:16,000 IOPS/TB スループット:64MB/TB

■EXTREME(AzureではULTRA)

処理性能:32,000 IOPS/TB スループット:128MB/TB

Cloud Syncによるデータ移行

Cloud Syncは、オンプレミスとクラウド、オブジェクトデータ間のデータを同期するサービスです。AWSとGCPのCloud Volume Service、Azure NetApp Filesを利用している場合は無償で提供されています。

活用シーンとしては、オンプレミスからクラウドへのデータ移行、クラウドからクラウドへのデータ移行、ファイルデータをクラウドにアーカイブする場合などがあります。オーナーシップやパーミションのコピーも可能で、ファイルのスタンプ変更および削除されたファイルにも対応しています。

Cloud Insightによるインフラストラクチャーの可視化

クラウド、オンプレミス、ハイブリッドクラウド環境において、容量や性能の管理とコストの最適化を支援する機能がCloud Insightsです。

モニタリング機能は、アプリケーション、データベースなどのハードウェアからクラウドのインスタンスまで幅広くサポートし、利⽤状況の可視化によって効率化の支援とコストの最適化を実現します。カスタマイズが可能なダッシュボードと、コスト最適化を目的としたレポート作成機能を備えています。

トラブルシューティングと性能分析においては、仮想化および物理サーバからネットワーク、そしてストレージまでエンドツーエンドで解析することが可能です。異常を検知した場合は、モニタリング情報から相関関係を分析して根本原因を特定します。

また、不正アクセス検知として、データへのアクセスの監視と監査を行い、異常検出時はポリシーに従ったアクションを自動的に実行します。

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まとめ

NetAppでは、4階層のレイヤーによってハイブリッドクラウドやマルチクラウドを加速させるための多様なサービスを展開しています。クラウドストレージサービスのレイヤーでは、専用のアプライアンスOSをクラウド上で利用できるCloud Volumes ONTAPと、高性能のファイルストレージを提供するCloud Volumes Serviceがあります。

NetAppのWebサイトでは「NetApp Cloud Central」のコンテンツで各サービスの詳細を紹介しています。詳細はサイトでご確認ください。

もっと読む:AWSとAzureの比較とシェア、両者の違いとは?


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