次世代データセンターが求める次世代HCIとは?

 2018.01.10  2022.01.26

消費型インフラを実現する次世代データセンターへの変革

データセンターインフラは、仮想化技術を中心に旧来の物理環境を中心としたものから大きく変化してきている。そして、さらなる技術の発展・進化によって、“次世代データセンター”が生み出されようとしている。

従来のデータセンター環境では、物理環境から仮想化環境への移行すなわち「P2V」や、サーバー仮想化による「統合基盤」の構築、そして「Tier1アプリの仮想化」といった目標の実現に向けて、構築・運用されてきた。

このデータセンターに求められるのは、まずコスト、そして性能や機能、拡張性だ。インフラの運用部門は、ネットワーク、サーバー、ストレージにチーム分けされ、個々の分野のみを管理するという方式が採られる。インフラの要求からデリバリまでは、数週間から数か月かかるという消費モデルだ。

新しい次世代データセンターでは、「消費型インフラの実現」「運用の迅速化」「サイロ環境の排除」「統合ワークロードへの対応」「可視化と予測性の向上」などが、新しい目標としてあげられる。

インフラチームの運用はオートメーションやオーケストレーションなどの技術によって統合され、管理の複雑さから解放される。クラウド技術の応用によってセルフサービス化が進み、インフラの要求から利用までの期間は数時間から数分へと短縮され、オンデマンドにリソースが提供される。次世代データセンターの優先事項は、「スケール」「容易性」「効率性」そして外部連携を実現する「API」だ。

簡単にまとめれば、“消費する人がダイレクトかつタイムリーに利用でき、状態が可視化され、簡単にコントロールできるインフラ”こそが、次世代データセンターということである。

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ネットアップの次世代データセンターへの取り組み

ネットアップでは、理想的な次世代データセンターの実現に向けた取り組みとして、“次世代製品ポートフォリオ”の拡充を図っている。これらの製品と企業ITや外部のクラウドとシームレスに接続するのが「データファブリック」技術だ。もともとネットアップは、幅広い製品群を相互につなぐことを前提に、次世代データセンターの実現を目標として製品開発を行ってきた。そして2017年、新たにポートフォリオに加わった製品が「NetApp HCI」である。

ネットアップのポートフォリオ

既存のHCIが抱える大きな課題とは?

NetApp HCIは、その名のとおり「ハイパーコンバージドインフラ」製品である。HCIとしては最後発にあたることになるが、それゆえに従来のHCIが抱える問題・課題をクリアした、次世代HCIとも言える製品として仕上がっている。

今日のHCIは、コンピューティング、ネットワーク、ストレージがソフトウェアで定義されており、導入直後からシンプルかつ容易に管理できるのが特長だ。拡張性に優れ、スモールスタートして大規模に拡大していくことが可能である。複数のワークロードでCPUコアリソースを共有するため、導入の障壁を下げることができる。そして、決められたサイズですべての構成に対応するアーキテクチャが採用されている。

こう見るとよいことばかりのように思えるが、上述したように課題も残されている。決められたサイズですべての構成に対応するということは、拡張の柔軟性に欠けるという意味でもある。

従来のCPUコア共有型HCIの場合、CPUもメモリもストレージもまとめて1ノードに納められているため、すべてのリソースをまとめて拡張しなければならない。つまり、もしパフォーマンスのみを拡張したいとしても、ストレージも追加することになる。逆にストレージのみを拡張したくとも、メモリやCPUも拡張することになる。また、HCIに搭載するソフトウェアの多くはプロセッサライセンス型を採っているため、ライセンスコストも跳ね上がる。要するにムダが多いのだ。

また、HCIクラスタに複数の異なる種類のワークロードを載せることは難しい。なぜなら、ワークロードによってストレージ容量と性能の要求は異なるためである。安定したアプリケーションを提供するためには、データベース用やVDI用というように専用のインフラを構築しなければならない。つまり、せっかくHCIを採用したのに、サイロ化が進んでしまう。

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NetApp HCIは なぜ次世代HCIなのか?

NetApp HCIアプライアンスは、2Uサイズのシャーシに4基のスロットを搭載している。VMware vSphere Hypervisorを搭載した「コンピューティングノード」と、NetApp SolidFire Element OSを搭載した「ストレージノード」に分離されており、スロット単位で自由にノードを組み合わせて搭載できるという点が最大の特長だ。コンピューティング1台とストレージ3台でも、コンピューティング2台とストレージ1台でも、自由に配置できる。

コンピューティングとストレージを自由に組み合わせることができるということは、ストレージを追加したいときにはストレージだけ、性能を上げたいときにはコンピューティングだけを拡張できるということだ。

また、ストレージノードにはハイパーバイザーが搭載されていないため、ストレージのみを拡張するときにライセンスコストが増大することもない。

従来のHCIでは、ストレージ用VMで発生するCPU/メモリのオーバーヘッドや、仮想SANのデータプロテクション機能のオーバーヘッド、利用しないソフトウェアのライセンスコストなどが、長らく“HCI税”として捉えられてきた。NetApp HCIであれば、そうした税金を支払う必要はない。

オープンなストレージモデルを採用している点も、ネットアップ製品ならではの特長で、外部のホストをNetApp HCIのストレージターゲットと柔軟に統合することができる。これも次世代データセンターに求められる特徴の1つだ。

こちら「コンポーザブルインフラとHCIの違いを説明」記事もご参考にしてください!

ワークロードごとに性能を保証できる

仮想化基盤を安定的に運用するには、ストレージのパフォーマンスが非常に重要である。上述したように、ワークロードによって求められるストレージ容量とパフォーマンスは異なるため、従来のHCIではサイロ化せざるを得ないケースが多々あった。1つのインフラに複数のワークロードを搭載し、性能を安定化させてサイロ化を排除するにはどのような仕組みが必要だろうか。

NetApp HCIの価値の1つがここにある。

NetApp HCIでは、ワークロードごとに異なるストレージ容量と性能を個々に独立して割り当てることができる。リアルタイムに性能をモニタして、他のワークロードに影響を与えることなく完全に分離した状態を保ち、ワークロードや仮想ディスクごとに性能を保証する。いわゆる“ノイジーネイバー”の性能問題は、NetApp HCIには存在しないということである。VMware vMotionのような技術を必要とせず、リアルタイムに性能を調整できるのも特徴だ。

NetApp HCI

よりわかりやすく自動化も実現しやすいHCI

次世代データセンターでは、構築や管理にかかる負荷の軽減も実現されなければならない。NetApp HCIに搭載されている運用・構築ツール「NetApp Deployment Engine」は、わかりやすいGUIが採用されており、通常は入力が必要な400以上の項目を30未満に圧縮。たった45分で初期化から構築までの作業を完了し、運用を開始できるようにくふうされている。

構築完了後の運用管理も簡素化されており、ハイパーバイザーとストレージを同一のインタフェースで統合的に管理できるようになっている。

日常的な運用タスクの95%は「VMware vSphere Client」を介して実行できる。これに「VMware vRealize Orchestrator」を組み合わせることで、それらの多くをGUIで簡単に自動化することが可能だ。ほかにもさまざまな最新の自動化ツールに対応しており、煩雑な手順書を読み解く必要はなく、スクリプトやツールによる運用へと変革されることだろう。

まとめ

NetApp HCIは、さまざまなワークロードに活用できる、次世代インフラだ。速やかに導入し、シンプルで負荷なく運用することができる。

例えば、個々のユーザーのワークロードが予測しにくいエンドユーザーコンピューティングのような用途でも、常に安定的な稼働を提供し、柔軟に拡張していくことができるためオススメだ。

ニーズに合わせて拡張できるという点では、データベースの基盤としても有効である。他のワークロードを統合しても、完全にパフォーマンスを分離して保証できるというのは、すでに述べたとおりである。APIも豊富なため、バックアップやデータ保護も実施しやすい。

ONTAP Selectを搭載してNASを構成したり、NetApp FASを組み合わせてディザスタリカバリー環境を構築したりすることも容易である。幅広い用途に最適化できるNetApp HCIは、次世代データセンターの一翼を担うソリューションと言えよう。

導入事例:NBC情報システム株式会社様

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