日本において多くの企業がハイパーコンバージドインフラの導入を検討しています。
仮想化が進む多くの日本企業では、データセンターに設置するサーバなどの機器の縮小化や運用の簡素化によるコスト削減を常に狙っています。そのためハイパーコンバージドインフラを導入するケースが少なくありません。
今回は、そんなハイパーコンバージドインフラの市場動向を追っていきます。自社システムインフラへの導入効果を検討する上でも、ぜひ本稿を参考にしてください。
参考記事:ハイパーコンバージドインフラ(HCI)とは?コンバージドインフラとの違いを解説
ハイパーコンバージドインフラの市場規模
ハイパーコンバージドインフラの市場規模のすごさを知るには、国内市場よりも海外市場に目を向ける方がわかりやすいでしょう。米国の調査会社であるガートナーは、2016年5月に発表したプレスリリースにて「2016年のハイパーバージドインフラは前年比179%に達する」と発表しています。その規模額は20億ドル、日本円にして実に2,270億円です。さらにガートナーは、2019年にはコンバージドシステム市場全体のうち、ハイパーコンバージドインフラが占める割合は24%に達すると続けています。
引用:Gartner Press Release「Gartner Says Hyperconverged Integrated Systems Will Be Mainstream in Five Years」
日本ではまだ普及段階のハイパーコンバージドインフラ市場も、海外では今や一大市場です。日本のビジネストレンドは、常に海外を追いかける形になっているので、今後数年でハイパーコンバージドインフラは一大市場に成長するでしょう。
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ハイパーコンバージドインフラのマーケットシェア
日本国内におけるハイパーコンバージドインフラ市場において、各製品のシェアを知るのはまだ難しいのが実情です。国内市場はまだ生まれたばかりのようなもので、NetAppが提供するハイパーコンバージドインフラ製品「NetApp HCI」も、2017年11月7日に提供開始したばかりです。
では、現在の海外市場に目を向けてみましょう。ガートナーが2016年10月に発表したレポートのよると、ハイパーコンバージドインフラ市場の7割を超える売り上げを、をNutanixとSimpliVityという新興ベンダーが占めているといいます。
NutanixはNASDAQ上場、SimpliVityはHPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)に買収されるなど、それぞれ成長を見せています。その中で、2016年から2017年にかけて多くの大手ベンダーがハイパーコンバージドインフラ市場に参入しています。
Dell EMC、シスコシステムズ、マイクロソフトなど大手ベンダーもハイパーコンバージドインフラ市場の可能性と、システムインフラへの有効性を認めています。NetAppもそのうちの一社であり、NetApp HCIの提供によってシステムインフラの多彩な課題解決を支援しています。
ハイパーコンバージドインフラ(HCI)2.0の時代へ
「インダストリー4.0」や「Web3.0」など、これらの数字はその時代を指します。ちなみにインダストリー4.0は、ドイツ政府が主体となって推進する、IoT(インターネット・オブ・シングス)を活用したスマートファクトリーを目指す、第4の産業革命です。
ハイパーコンバージドインフラ市場においても、時代の変遷がありました。それが、「HCI1.0」から「HCI2.0」への進展です。
今でこそワークロードごとにQoSを規定できたり、ストレージやコンピュータの細かな追加などができるハイパーコンバージドインフラ。しかし、これらの特長の多くは、実はHCI2.0になって登場したものです。
たとえば、HCI1.0ではストレージやコンピュータを追加したい際に、筐体自体を追加しなければならず、結果として管理が少し複雑になるという問題がありました。これがHCI2.0になり、筐体を追加せずとも優れた拡張性を持っています。
このように、HCI2.0になったことで解決できる課題は多く、市場拡大の追い風となっています。このHCI 2.0の口火を切ったのはNetAppと言われております。
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NetApp HCIは「業界の風雲児」と評価
ハイパーコンバージド市場調査を行うガートナーの最新レポートでは、NetApp HCIを「業界の風雲児(Evolutionary Disruptor)だ」と評価しています。
参考:NetApp「Gartner Report: Competitive Landscape for Hyperconverged Integrated Systems」
そんなNetApp HCIの特長について少し解説します。
パフォーマンス保証
- 各種のワークロードを統合し、負荷を軽減する
- 仮想マシン単位の細やかな管理ができる
柔軟性と拡張性
- コンピュータリソースとストレージリソースを別々に拡張できる
- オーバープロビジョニングを解消しTCO削減に貢献
インフラを自動化
- 動作検証済みだから導入が速い
- インフラシステム全体を単一画面で管理
- APIエコシステムによる簡易化
NetAppデータファブリックに対応
- データをどこへでも移動可能
- 複数のクラウドにわたってデータを可視化
- すべてのデータを可視化し保護する
NetAppは長年ストレージベンダーとして世界中のシステムインフラを支えてきたからこそ、実現できるハイパーコンバージドインフラがあります。
まとめ
ハイパーコンバージドインフラは、システムインフラに悩みを持つ多くの企業にとって有効的な課題解決手段です。導入期間が短く、導入コストが安く、統合管理ができ、拡張性にも優れている。もちろん、ハイパーコンバージドインフラを導入する上でいくつか注意点もあるものの、適切な導入ができれば絶大な効果を発揮します。この機会に、ハイパーコンバージドインフラ導入を、積極的にご検討ください。
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