ハイパーコンバージドインフラが日本で注目されるようになったのはごく最近のことです。そのため、自社のシステムインフラに最適なハイパーコンバージド製品を選びたくとも、製品ごとの特徴やすみ分けが分からない、という企業が多いのではないでしょうか?
今回はハイパーコンバージド製品を一覧で紹介していくので、本稿を参考に製品検討を進みてみてはいかがでしょうか。それではさっそく紹介していきます。
ハイパーコンバージド製品一覧
NetApp HCI
日本国内では2017年11月7日より提供開始された新しい製品。NetAppはオールフラッシュアレイやデータ管理ソリューションを提供しているIT企業です。オールフラッシュアレイ市場では、日本国内においてシェアNo.1を誇ります。
NetApp HCIの特長は、システムインフラの運用業務を完全自動化できる点です。NetApp Deployment Engine(NDE)により、インフラの導入は簡素化され、vCenterプラグインによって、VMware環境をわかりやすいUIで簡単に管理できます。
さらに強力なAPIを使用することで、管理、オーケストレーション、バックアップおよびディザスタリカバリ(災害復旧)を実現する高度なツールの数々を容易に統合できます。長年にわたった世界中のシステムインフラを支えてきたからこそ提供できる製品です。
ご参考:NetAppが提供する新世代ハイパーコンバージドインフラストラクチャ NetApp HCI
Nutanix
ハイパーコンバージドインフラ市場にいち早く参入した新興ベンダーです。米調査会社のガートナーによれば、2016年のハイパーコンバージドインフラ市場の売上は、その70%がNutanixとSympliVityで占めているといいます。
引用:Gartner「Magic Quadrant for Integrated Systems」
同製品の特長はプライベートクラウド、パブリッククラウド、ディストビューテッド(分散)クラウドの各オペレーティング環境を統合することです。社内でクラウド環境を構築したい企業に選択されています。
https://www.nutanix.jp/what-we-do/
HPE SimpliVity
SimpliVityはハイパーコンバージドインフラ市場にいち早く参入した新興ベンダーです。2017年にはHPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)に買収されました。そのため、現在では製品名を「HP SimpliVity」としています。
もともとハイパーコンバージドベンダーとして製品提供してきたノウハウと、HPEが持つテクノロジーを組み合わせたことで、さらに利便性の高い製品になっています。「60秒未満で1TBの仮想マシンをリストア」や「TCOを73%削減」などのメリットを掲げています。
https://www.hpe.com/jp/ja/integrated-systems/simplivity.html
Pivot3
日本でのシェアは少ないながらも、海外では実績の高いベンダーです。国内では販売パートナーを通じて導入できます。Pivot3は海外のストレージベンダーを積極的に買収して、ハイパーコンバージド製品の技術を高めています。
https://www.businesswire.com/news/home/20160129005470/ja/
Dell EMC
Dell EMCは3つのハイパーコンバージド製品を提供しています。
- VMware Virtual SAN(VSAN)を最適に構成した「VSAN Ready Nodes 」
- Nutanixベースの「XCシリーズ」
- VSANベースのアプライアンスである「VxRAIL」
3ノード構成で300万円(税別)~という低価格で提供しつつ、最大64ノードまでのスケールアップをサポートしながら、プロセッサベースのライセンスソフトウェアの導入コスト削減を実現します。
https://www.dellemc.com/ja-jp/converged-infrastructure/benefits.htm
Cisco Systems
Cisco Systemsが提供するハイパーコンバージド製品「Cisco HyperFlex」は、”シンプル設計”を念頭に置いています。秒単位で仮想マシンを構成したり、データストレージコストを削減したりと様々な特長があります。
https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/hyperconverged-infrastructure/index.html#~stickynav=1
ハイパーコンバージド製品の選び方
ハイパーコンバージド製品一覧を紹介したところで、その選び方について説明します。一口にハイパーコンバージド製品といっても様々な特徴を持ち、自社のシステムインフラに最適なものを選ぶ必要があります。製品選びの際は、以下4つの点に注意してください。
1.製品ごとの特徴を分類する
ハイパーコンバージド製品はサーバ、ストレージ、ネットワークおよびソフトウェアをコンパクトな筐体にまとめた製品です。それぞれ、動作検証済みで導入が早いなど共通の特徴があります。
ただし、製品ごとに異なる特徴もあるので注意が必要です。まずは製品ごとの特徴を分類して、それらの中から自社がハイパーコンバージド製品を導入する目的に合った製品を、いくつかピックアップします。
2.ワークロードごとにパフォーマンスは維持できるか
ハイパーコンバージド製品の中には、特定のワークロードが他のワークロードに影響を与えてしまう製品があります。そうなると、システムパフォーマンスを一定に維持できなくなるため、ハイパーコンバージドインフラとしての利点は薄れるでしょう。
アプリケーションごとのQoS(クオリティ・オブ・サービス)を保つためにも、ワークロードごとにパフォーマンスを維持できる製品を選びましょう。
3.品質や運用効率を事前に検証する
いくらハイパーコンバージドインフラといっても、必ずしもすべての企業のTCO(総保有コスト)を削減したり、パフォーマンスを向上できるわけではありません。ハイパーコンバージド製品を提供する多くのベンダーが「TCOを○○%以上削減」と銘打っているものの、あくまで理論上の話です。
その効果が真実なのか同課は、品質や運用効率を事前に検証して確かめる必要があります。
4.ベンダーサポートを確認する
初めてハイパーコンバージド製品を導入する企業は、その効果に驚くと同時に、障害発生時のサポートの不安を持つかもしれません。ハイパーコンバージドインフラは統合システムなので、一つの障害でシステム全体が停止する可能性もあります。
そうした事態を避けるためにも、ベンダーサポートを事前にしっかりと確認し、トラブル発生時の対処について計画しましょう。
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まとめ
ハイパーコンバージド製品は、今後数年で日本市場も成熟し、導入していて当たり前の時代に突入します。いち早く新しいシステムインフラに対応するためにも、現段階から導入を検討しておきましょう。導入検討時は、今回紹介した製品一覧と選び方を参考にしていただければと思います。
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