低コスト化が進み、オールフラッシュストレージは今やITインフラ技術の中心になりつつあります。従来のHDDストレージに比べて動作が高速であり、かつ消費電力も少ないので、コスト削減やシステムパフォーマンスの向上が見込めます。こうした、導入効果の高いオールフラッシュストレージを導入し、社内のITインフラを再構成する企業が増えています。
しかし、オールフラッシュストレージを導入したすべての企業が、その恩恵を受けているわけではありません。「低コストになって手が届きやすくなったから」という安直な理由で導入し、その結果運用に悩まされるというケースが少なくないのです。
オールフラッシュストレージ導入で高い効果を得るためには、まず、失敗しないオールフラッシュストレージ選びが肝心です。なぜならオールフラッシュストレージ製品は、どれも同じではないからです。そこで今回は、オールフラッシュストレージの選び方を、4つのポイントで紹介していきます。
オールフラッシュストレージ4つの選定ポイント
まずは「オールフラッシュストレージとは」をご参考にしてください!
1.最も注意しなければならないのは、製品の拡張性
オールフラッシュストレージ導入後、最も問題になるのが「容量の増減」です。オールフラッシュストレージを導入した企業の多くが拡張性の問題に悩まされています。
このため、オールフラッシュストレージを選ぶ上で、まず注目すべき所が製品の拡張性です。
そもそも、なぜ拡張が難しいかというと、オールフラッシュストレージ製品の中にはボックス(ラック)単位での買い足ししかできない場合や、買い足しても別ボックス(ラック)として管理しなければならない場合があるためです。
このようなケースの場合、柔軟かつ適正価格での拡張は難しくなります。また、時には拡張するためにシステムを停止しなければならない場合もあります。
また、多くの企業がHDDとの併用を望む中で、企業のワークロードに応じてオールフラッシュストレージとHDDの併用ができない、というケースもあります。その場合にはHDD/フラッシュというストレージごとのシステム設計や運用管理が必要になったりするのです。
そうした製品を導入してしまうと、コスト肥大化や管理工数の増加、自由なストレージ構成が組めないなど、様々な問題が発生するため課題が膨らむことがあるのです。
だからこそ、オールフラッシュストレージを選ぶ際は、まず製品の拡張性を確認し、必要なときに必要な分だけ、最低限のコストで拡張できる製品を選ばなければなりません。
2.データ保護機能について確認する
データ保護を目的として、オールフラッシュストレージ内のデータを別のストレージに、バックアップやアーカイブを定期的に行うことがあります。こうしたデータ保護を考慮した場合、注意すべきことが「HDDストレージとの連携」です。
安価で大容量のデータ保存が可能なことから、データバックアップやアーカイブ先にHDDストレージを採用することは未だに健在です。
しかし、オールフラッシュストレージ製品の中には、ミラーリング先としてHDDを認めていない製品があります。この場合、ミラーリング対象となるのはSSDのみなので、結果としてデータバックアップやアーカイブのために、多くのコストが必要になってしまうのです。また、HDDストレージへの連携ができていたとしても、データ圧縮機能などが備わっていないと大容量のストレージが必要になってしまうことも注意が必要です。
さらに、SSDからHDDにミラーリングするために、別製品が必要になることもあります。そこには別製品を購入するというコストだけでなく、設定などの工数も膨らむため、高コストかつ非効率なストレージ環境になってしまいます。
こうした事態を避けるためにも、オールフラッシュストレージ選びでは、保護機能について明確に知っておきましょう。
3.オールフラッシュストレージの「不安定な性能」について理解しておく
オールフラッシュストレージの特徴の一つとして、性能が不安定になるケースもあることを知っておく必要があります。これは、オールフラッシュストレージの仕組み上、データの上書き処理が重いため、予備領域を使い書き込みの処理速度向上と使用領域の分散を行います。
この領域を使い果たしてしまうと、ガベレージコレクション処理によって、性能が安定しないという現象が発生します。加えて、重複排除や圧縮機能を使用する場合も、期待するIOPSが発揮できないことや読み書きの性能が異なるなど、企業が実行するワークロードによって、性能が不安定になることがあります。
これらの現象を避けるためにストレージベンダーでは様々な対処を行なっています。時間の経過とともにパフォーマンスが劣化する製品もあれば、一定のパフォーマンスを出し続ける製品もありますので注意が必要でしょう。
4.ベンダーやシステムインテグレータのサポート体制を確認しておく
オールフラッシュストレージ製品を導入し、何らかのトラブルや疑問が生じた場合、企業はまずサポートに連絡します。特に導入初期では、こうしたサポートとのやり取りを繰り返し行うことで運用を軌道に乗せていきます。しかし、オールフラッシュストレージを提供するベンダーやシステムインテグレータの中には、サポート体制が十分でない場合があります。
そなると、導入したオールフラッシュストレージ製品にトラブルや疑問が生じたとき、十分なサポートを得ることができず、対処に時間がかかってしまいます。最悪の場合、業務をストップすることにもなりかねません。
だからこそ、オールフラッシュストレージ選定時は、ベンダーやシステムインテグレータのサポート体制を確認し、サポートが充実している製品を選ぶ必要があります。
また、製品の保守期間も合わせて確認するようにしましょう。
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ネットアップのオールフラッシュストレージ「NetApp AFF」
企業の新しいITインフラ技術といて認めらえているオールフラッシュストレージですが、導入に際し、課題が多いことも事実です。企業は先に紹介したような選定ポイントを抑え、自社に最適な製品を選ばなければなりません。
ここで、その選定ポイントを踏まえた上で、ネットアップが提供するオールフラッシュストレージである「NetApp AFF(All Flash FAS)」について紹介します。
NetApp AFFが皆さんに提供するものは、従来のオールフラッシュストレージ製品にはない、高性能を維持した環境と、自由なストレージ環境構築を実現するシステム連携です。
NetApp AFFではレイテンシーを減らすための、フラッシュに特化した最適化機能や、インライン重複排除やインライン圧縮機能を提供し、高いIOPSを低レイテンシーで提供することができます。このため、NetApp AFFは長時間の負荷に対しても、一定した高い性能を維持することが可能です。
さらに、NetApp AFFが対応しているネットワークプロトコル(通信規格)は、FC、FCoE、iSCSI、NFS、pNFS、CIFS / SMBなど多岐にわたります。SAN環境やNAS環境など、企業のあらゆるアプリケーション環境に対応できるため、自由なストレージ環境構築ができます。
まとめ
近年、オールフラッシュストレージの進化により、企業のIT環境を「インフラから見つめ直そう」という活動が増えています。ITシステムや情報の基盤となるインフラは、ビジネスを根底から支えるものです。これを強化することが、IT戦略の拡大と、ビジネスの加速を支援します。皆さんもオールフラッシュストレージによるインフラの見直しを、ぜひご検討ください。
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