ハイブリッドクラウドとは?ストレージ技術者が知っておきたいポイントを解説

 2017.10.09  ストレージチャンネル編集部

IT業界に従事しない一般の人に「ハイブリッド」と聞くと、ガソリンと電気という異なる原動力を組み合わせたエンジンを搭載するハイブリッドカーを連想する方も多いかと思います。

ここから考えるに、ハイブリッドクラウドとは異なるクラウドを掛け合わせたインフラ環境、ということになります。今回は、このハイブリッドクラウドについて、知っておきたいポイントを解説します。

「クラウド+オンプレミス」はハイブリッドクラウドではない

「ハイブリッドクラウドとは、異なるインフラ環境を組み合わせたものだ。自社は従来のITインフラにオンプレミスを、データバックアップにクラウドを採用しているから、ハイブリッドクラウドと言える」

ちょっと待ってください。この考え方は、果たして本当にハイブリッドクラウドでしょうか?

「ハイブリッド」の意味を改めて整理すると、これには交配可能な異種を掛け合わせて出来たものという意味があります。

つまり、ハイブリッドクラウドとは、異なるクラウド環境を掛け合わせて構築したインフラ環境と言い換えられますね。

従って、単にITインフラをオンプレミスで構築していて、クラウドを利用しているだけではハイブリッドクラウドとは言えない、ということです。

クラウドには2つの形態があります。1つは不特定多数のユーザーがサブスクリプション(従量課金)契約によって同じサービスを利用するパブリッククラウド。もう1つが、企業が自社のオンプレミスITインフラ上にクラウド環境を構築して、組織のユーザーに提供するプライベートクラウドです。

ハイブリッドクラウドとは、これら異なるクラウド形態を組み合わせ、自社にとって最適なクラウドインフラ環境を構築する概念またはその技術を指します。

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ハイブリッドクラウドが注目される理由

クラウドサービスを利用するメリットといえば、現状のITインフラ環境に合わせてリソースを自由に拡張したり縮退し、常に必要なリソースのみを確保できる点です。それによって継続的なハードウェア投資を控えたり、リソースの余剰といった無駄を排除します。

しかし、企業が抱えるシステムやデータは、その全てをクラウド化できるわけではありません。基本的には企業のセキュリティポリシーに則って運用されるので、基幹システムデータなど厳重管理が必要なシステムに関しては、パブリッククラウドを利用できないという企業も多いかと思います。

一方で、ファイル共有や電子メール、グループウェア、バックアップデータなど、パブリッククラウドの活用が盛んなシステムやデータも存在します。瞬間的にアクセスが増減するWebサイトのサーバやアプリケーションなども、リソースの自由な増減ができるパブリッククラウドに移行する方が、メリットの多い環境と言えるでしょう。

このように、企業にはセキュリティポリシーによって、あるいはパフォーマンスを考慮して社内に置いておくべきシステムやデータとリソースやコストを制御しやすいクラウド上に置く方がメリットの高いシステムやデータといった具体に、異なるインフラ環境の適切な管理が強く求められています。

その中で生まれたのが、自社構築のプライベートクラウドとサービスとして利用するパブリッククラウドの双方を有効利用するハイブリッドクラウドなのです。

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ハイブリッドクラウドのメリットは「良いとこ取り」

ハイブリッドクラウドのメリットを一言で説明すると、それは良いとこ取りです。プライベートクラウドとパブリッククラウド、双方のメリットを享受しつつデメリットを補足し合います。

ストレージに関するお役立ち資料

インフラコストの制御

データ量が無尽蔵に増加する中、企業には継続的なインフラ投資が求められています。その中でコスト削減を行うためには、やはりクラウドサービスの利用が不可欠です。しかし、先述の通り社内のシステムやデータすべてをクラウド化できるわけではありません。

そこで、ハイブリッドクラウド環境を構築することで、社内に残すシステムやデータと、クラウド化するシステムやデータの住み分けが可能です。これにより、従来よりもインフラコストの制御が行いやすく、コスト削減につながります。

セキュリティ要件をクリアできる

厳しいセキュリティポリシーを設定している企業では、クラウドサービスを利用できない場合もあります。しかし、多くのパブリッククラウド事業者は、社運をかけてセキュリティ問題に取り組んでいます。つまり、自社でセキュリティ管理を行うよりも高度なセキュリティ対策を講じているのがパブリッククラウドの実態ではないでしょうか。

インフラ管理負担を軽減できる

クラウドサービスはそれを提供するプロバイダがインフラの運用管理を行います。このため、クラウド化した部分に関しては社内でインフラ管理の必要がなく、IT管理者の負担を大幅に軽減してくれます。

そうすることで、本来企業が行うべきコア業務に、より集中できる環境を整えられます。

これまでの資産管理を継続する

ソフトウェアによってはライセンス管理の関係上、クラウド化できないものもあります。この時、すべてのシステムをクラウド化しようとすると、新たなソフトウェアを購入したりと多大なコストがかかります。

このため、ハイブリッドクラウドによって従来の環境も一部残しておくことで、これまでの資産管理を継続し、無駄なコスト発生を防ぎます。

もっと見る:ハイブリッドクラウドに最適なストレージ選定5つの条件とは

ハイブリッドクラウドにもデメリットはあるのか?

メリットばかりのようにも思えるハイブリッドクラウド。実は、運用する上でのデメリットもあるので注意が必要です。

代表的なデメリットは運用が難しいという点です。ハイブリッドクラウドは、プライベートクラウドとパブリッククラウドという異なるクラウド環境を構築するため、双方に関する知識や技術が必要になります。普段からクラウドに触れているIT技術者なら問題ないでしょう。しかし、これまでオンプレミス環境しか構築したことがないというIT技術者からすれば、少々難度の高いインフラ環境になります。

このため、ハイブリッドクラウドを構築する際は、まず社内のIT人材に対して適切な教育を施し、知識や技術を身に付けてもらう必要があります。

ただし、プライベートクラウドとパブリッククラウド、双方のクラウド環境を統合できるITソリューションがあると、こうした手間やコストは半減されます。2つの異なるクラウド環境を、単一の管理画面で制御できれば、これまでクラウドに触れたことがないIT技術者でも、比較的簡単にハイブリッドクラウドの管理が可能です。

こちらの「パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い」にもご参考にしてください!

まとめ

ハイブリッドクラウドには運用が難しいという課題はあります。しかし、適切に構築できれば、享受できるメリットの方が多く、コスト削減や運用負担軽減など様々な導入効果を発揮します。そうした環境を構築するためにも、ハイブリッドクラウドを統合管理するITソリューションを検討してみてください。

例えばNetAppでは、データファブリックという概念を提唱しておりマルチクラウドを利用する環境における自在なデータ管理を可能にする数多くのソリューションを提供しています。NetAppのクラウドソリューションは以下の総合カタログで詳しく説明していますので、ハイブリッドクラウド構築の際は、ぜひご注目ください。

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