VDI導入前に抑えておきたい!パフォーマンスが遅くなる原因と対策について

 2021.02.04  ストレージチャンネル

近年、VDIを導入する企業が増えてきています。しかし、VDIを導入すればすべてが上手くいくわけではなく、場合によってはパフォーマンスの低下を招くこともあります。そこで当記事では、VDIのパフォーマンスが低下する原因や、その対策について解説していきます。

VDI導入前に抑えておきたい!パフォーマンスが遅くなる原因と対策について

VDIについて

「VDI」とは「Virtual Desktop Infrastructure」の略で、仮装のデスクトップをサーバー上で構築・管理するシステムのことです。近年では、このVDIを働き方改革の一環で導入する企業が増えています。

VDIでは、通常PCなどの各端末上で実行するものを、ネットワークを介しサーバー上で実行します。実行結果の画面などは端末上で表示されるものの、マウスやキーボードを使った操作もすべてサーバーへ転送され、仮装マシンにて動作します。

単にプライベートで使用する場合、大きなメリットはありません。しかし業務上、多数の従業員に高スペックのパソコンを用意するような状況では、さまざまなメリットが得られます。VDIを導入すれば、端末ごとに高いスペックを備える必要がなくなりますし、OSや各種アプリケーションの管理も容易になるからです。

アクセスさえできれば場所や端末を問わず、同じ環境下で作業ができるようになるため、テレワークの実現にも資する技術です。そのため、働き方改革の流れに乗じて導入を進める例が増えているのです。

ただ、VDIにも問題はあります。セキュリティリスクや管理者の負担が軽減されるなどの利点がある反面、ネットワークの状況にパフォーマンスが左右されてしまうという課題を抱えています。次項では、VDIのパフォーマンスが低下する原因と、それを改善するための対策などについて解説します。

VDIのパフォーマンスが遅くなる原因

VDIは端末のスペックに左右されない一方で、「サイジング」「周辺機器」などが問題となり、パフォーマンスを損ねることもあります。以下では、パフォーマンス低下の主な原因について詳しく見ていきましょう。

サイジングが適切でない

VDI導入後に生じがちなトラブルとして、レスポンスの遅延が挙げられます。特にアクセスが集中する時間帯は、処理が一向に進まず仕事を停滞させてしまうケースも珍しくありません。

一括して管理できることがVDIの強みではあるものの、アクセスに対する負荷が分散されないため、このような問題が顕在化することもあるのです。しかし、これはサーバー容量に対してアクセス状況・負荷などのバランスが取れていないことが原因で、つまりはサイジングの問題でもあります。

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「サイジング」とは、稼働しようとするシステムに対し、サーバーなど必要となる環境の規模や性能を見積もることをいいます。予測される負荷やアクセスに合わせて適切なサイジングを行い、準備することが大切なのです。このサイジングが適切にできていないと、レスポンスに遅れが生じる原因となります。

周辺機器の相性

もうひとつ、導入前から考慮しておくべき事項があります。それは、周辺機器・周辺システムとの相性を確かめておくことです。例えばスピーカーやマイク、プリンタなどが挙げられます。これらの機器とVDIとの相性がよくないと、パフォーマンスの悪化につながります。

導入にあたって、VDI基盤となる機器などに着目することは多いですが、VDI技術と直接関連しない機器に関しても目を向けることが大切です。そこで、使うことがあらかじめ想定される機器に関しては、動作の確認をしておかなければなりません。

オフィスが複数展開されており、全国に拠点が設けられている場合には、周辺機器に関しても統一を図るなどの対策をとるべきでしょう。導入後にこの問題が発覚すると、修正するのに大きな労力が必要なため、できるだけ導入前から意識して対策することが重要です。

問題の切り分けが難しい

VDIには、トラブルの原因を特定することが難しいという特徴もあります。原因がはっきりすれば、すぐに改善に向けて取り組めますが、原因も分からないという状況ではそうもいきません。問題解決までに時間がかかるうえ、余計なコストも発生し、その間は仕事が進められないということも起こり得ます。

従来の方式では、比較的容易に問題の切り分けができていました。しかし、さまざまなシステムが共有され複雑化されたVDI環境では、問題の原因特定が容易ではありません。そのため、ある問題に対し「システム全体が原因なのか」「特定のサーバーが原因なのか」などの判断が難しいのです。

また中には、問題の原因がシステムやサーバーではなく、特定のユーザーにあるケースもあります。VDIを運用するうえでは、問題発生時にその原因となっている箇所を判別できるよう、指標を設けておくなどの対策が必要でしょう。

VDIのパフォーマンスを向上するための対策案

では、VDIのパフォーマンスを向上するには、具体的にどのような対策を講じればよいのでしょうか。以下では、考えられる対策法をいくつかご紹介します。

サーバースペックの強化

まずは、サーバーのスペックを強化することが挙げられます。これは単純かつ確実な手法といえます。アクセスの集中に耐えうる高いスペックを備えることで、レスポンスの遅れも抑えられるでしょう。

しかし、この場合はコストの問題が生じます。高スペックになるほど高負荷への対応力も増しますが、その分コストが増大してしまいます。そこで、どれだけのスペックが必要なのかをしっかりと見極める必要があるでしょう。

クラウド型VDIの導入

VDIの導入方法には、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。それぞれ異なるメリット・デメリットをもちますが、現代ではクラウド型が主流とされています。パフォーマンスの観点から見ても、多くの場合でクラウド型のほうがよいといえるでしょう。

もちろん、常にクラウド型が優れているわけではなく、予算や人的リソースが潤沢に用意できる場合は、オンプレミス型でも問題ないかもしれません。しかし、VDIの管理運用にリソースを割く余裕がそれほどない場合など、多くの企業においてはクラウド型のほうが推奨されます。なぜなら、オンプレミス型は自社でメンテナンスなどを行う必要があるうえ、初期コストも大きく、本格的にVDI技術に精通した担当者が必要となるからです。

一方、クラウド型はベンダーが提供するサービスを利用する形で導入します。メンテナンスなどの作業はベンダーに一任でき、初期コストも比較的小さく済みます。大規模なサーバーも自社で用意する必要がないため、本来取り組むべき業務に専念しやすくなるでしょう。

ただ、クラウド型でも利用状況によっては、動作が不安定になることはあります。負荷の大きな作業を実施する場合、安定性を欠きレスポンスが低下する恐れもあるのです。この点も理解したうえで、クラウド型のよさを最大限に活かせるよう、適切な利用を心がけることが大切です。

Azure NetApp Filesでパフォーマンス問題を解決

VDIをクラウド環境にて導入する場合は、「ANF(Azure NetApp Files)」の活用がおすすめです。これはAzure上で動作するクラウドストレージサービスで、SAPやテレワークのためのVDI/WVD、HPC、Oracleのクラウド移行をサポートします。従量課金制のため、自社に適した運用が可能です。

ANFでは、実績あるNetAppのデータ管理プラットフォーム「ONTAP」の機能をクラウドで利用できます。柔軟なサイジングによりパフォーマンス向上が見込めるうえ、管理コストの削減にもつながります。VDIの導入を検討中の方は、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

VDIのパフォーマンスが低下する原因としては、主に「適切なサイジングができていないこと」「周辺機器との相性を確認できていないこと」が挙げられます。また、原因の特定自体が難しい点も悩ましく、適切な対策を講じる必要があります。

これらの問題を解決するためには、サイジングや周辺機器との相性を確認しておくことはもちろんですが、サーバースペックの強化やクラウド型への移行も重要な意味を持ちます。特に、人的リソースを割くのが難しい場合や、初期コストをかけられない企業には、クラウド型での導入がおすすめです。併せて「ANF」などのサービスも活用すれば、より快適なVDI運用が実現できるでしょう。


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