ストレージのNASとSANとは?その特徴と違い

 2018.07.04  ストレージチャンネル編集部

企業のストレージ管理について知る上で欠かせないのが、NAS(ネットワーク・アタッチト・ストレージ)とSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)の理解です。おもにストレージ環境のネットワーク構成やストレージ装置を指す言葉であり、多数の企業がNASかSAN、あるいはこれらを両立したストレージ環境を構築しています。

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今回は、このNASとSANについて詳しく説明していきます。

NAS・SANとは

まずはNASの説明から。「NAS」と聞くとファイルサーバをイメージする方が多いかと思います。これは、NASがそもそもファイルサーバ専用機として誕生したことに起因しています。

NASの生い立ちを簡単に紹介しましょう。1990年代以前のファイルサーバはネットワークで接続すると転送速度がまだ遅く、SCSI接続に比べると性能面で劣っていました。しかしネットワークでの転送速度が徐々に進化していくとNASも次第に認知され、企業のファイルサーバとして一般化したのです。

こうした生い立ちがあるため「NAS」と聞くと、一般的にファイルサーバをイメージします。しかし、NASはネットワーク接続のストレージ装置であり、現在では企業だけでなく一般の家庭などでもファイルサーバとして利用され、より広い領域で活用されるに至っています。

一方SANは、ストレージの「構成」とそれを造るための技術・製品を指すものです。部署ごとに業務システムが立ち上げられた時代では、DAS(ダイレクト・アタッチト・ストレージ)と呼ばれる、「1つのサーバに1つのストレージ」という1:1のストレージ構成が一般的でした。しかしそれでは管理負担もリソースも無駄も多いということで開発されたのがSANです。

SANは「ストレージ専用ネットワーク」といわれ、これまで1:1だったサーバとストレージの関係を、n:1(ストレージは1または1に近い数字)に変えました。つまり、複数のサーバとそれ以下~1台のストレージを繋ぎ、運用管理の手間とリソースの無駄という問題を解消したストレージ構成だと言えます。

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NAS・SANそれぞれの特徴

最初にNASとSAN、ついでにDASのメリット・デメリットをまとめた表をご覧ください。

≪NAS・SAN・DASのメリット・デメリット≫

 

NAS

SAN

DAS

メリット

・ストレージを既存のLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)に接続するので、SANと比較して容易に導入できる

・LAN接続のため導入コストが低い傾向にある

・ストレージ専用のネットワークを構成するので、アクセス速度が非常に高速になる

・SANに接続するシステムを冗長構成にしやすいので、障害発生時も迅速に復旧できる

・社内全体のストレージを集約するので一元管理ができる

・ネットワークを介さず、サーバとストレージを1:1で接続するため、専門的な知識や技術を必要としない

・NASやSANに比べて導入コストが低い

デメリット

・アクセス速度は既存のLANに依存するので、高速化が難しい

・NASをLANに接続することでネットワークにかかる負荷が大きくなり、ネットワーク速度低下の原因になる

・ネットワーク構成のために専用機器が必要になるので、NASに比べて導入は高価になる

・専用機器について専門的な知識と技術が必要になるため、運用管理の内製化が難しい

・サーバ側で障害が発生すると、同時にストレージにもアクセスできなくなる

・ストレージ増設時にはサーバも増やす必要があり、ストレージ環境が大きくなると結果的にコストが増大する

・サーバを経由してストレージにアクセスするので、アクセス速度が遅くなる

・余っているストレージのリソースを、他のサーバと共有できないので無駄が多い

一定以上の規模でNASやSANが多く採用されるのは、やはりDASによる無駄やコストが大きいためです。DASはサーバとストレージを直接つなぐため、高い技術は必要なくコストも低いものの、リソースの無駄が生じたり、それによりストレージ構成が肥大化してコストが増加するなど、結果として現在ではNASやSANよりもデメリットの多い環境になってしまいます。

ストレージに関するお役立ち資料

一方NASは、複数のユーザーで同じストレージを共有し、ファイルを共有したい場合に有効です。このため、NASの用途は基本的にファイル共有であり、その用途で使われるケースがほとんどでしょう。

さらにSANですが、これは業務システムなど高度なパフォーマンスが要求される環境に有効です。ストレージ専用のネットワークを構成するのでアクセス速度が速く、情報システムのパフォーマンス要件を満たせます。一般的なファイルだけでなく、高速な処理が必要な業務システムのデータベースなどにも利用されます。サーバとストレージをn:1で接続できるので、DASに比べてリソースも無駄が無く、結果として効率の良いストレージ環境を構築できるところもポイントです。

このように、NASとSANは似たような言葉でも、その意味するところや特徴はまったく違います。自社ストレージ環境を見つめ直し、最適なものにするためには、まずこの違いを明確に知ることが大切ですね。

ストレージ界の中心になりつつある「オールフラッシュストレージ」とは

ここで、NASとSANには無関係ではない「オールフラッシュストレージ」について紹介しておきます。

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オールフラッシュストレージは数あるストレージ製品の中の一つで、記憶装置の全面に「フラッシュメモリ」を採用したものです。フラッシュメモリとは「セル(記憶装置の最小単位)」に電子を溜めこむことでデータを記録するもので、従来のハードディスクを使用したストレージ製品と比べ、処理速度・耐久性・軽量性が大幅に向上しています。

近年、PCに搭載するストレージとしてHDD(ハード・ディスク・ドライブ)ではなく、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)が中心になりつつあることをご存知の方も多いかと思います。SSDはHDDに比べて処理速度が速く頑丈です。

オールフラッシュストレージと従来のストレージ製品の関係はまさにSSDとHDDのようなもので、ストレージ市場では今、オールフラッシュストレージが従来製品の代替として活躍しています。

理由はやはり処理性能の高さ、それと運用負担が軽減できる点です。

オールフラッシュストレージは機械部品が少ないため、ハードディスク製品に比べて数十倍から数百倍の処理性能があり、故障の確率も少なくなります。このため、ハードディスク製品よりも1GBあたりの単価が高くても、サーバ台数に対し必要なストレージを少なくできるので、結果としてコスト削減になるケースがあります。

さらに、オールフラッシュストレージではサーバごとのパフォーマンス調整が不要なので、運用負荷も大幅に軽減できます。こうした理由の他にも様々なメリットがあるため、ストレージ市場は従来のハードディスク製品から、オールフラッシュストレージが中心になりつつあります。

こちらの「フラッシュメモリとは」もご参考にしてください。

まとめ

皆さんの会社のストレージ環境は、現在どのような構成になっているでしょうか?恐らくほとんどがNASとSANを混合して構築されているのではないかと思います。そのストレージ環境の中に、オールフラッシュストレージという高性能製品があることを想像してみてください。その高性能さにより必要なハードウェア台数は削減され、パフォーマンス調整といった手間の多い業務は無くなります。日々データ量が急増する中でも一定のシステムパフォーマンスを維持できるよう、オールフラッシュストレージについてぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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