NASとSANの比較:それぞれのメリットと違いとは?

 2022.06.08  2022.08.03

ストレージ(データを長期間保存する際などに利用される補助記憶装置)には、DAS・NAS・SANという種類があります。DAS(Direct Attached Storage)は、「サーバーに直接接続するストレージ」で、導入コストが低く専門知識が無くても利用可能であるため、個人でもよく使用されており世の中に浸透しています。その一方、そのストレージは接続しているサーバーの占有となり複数のサーバーで共有することができないため、企業が抱える課題を解決するのは難しい仕組みになります。しかし、NASとSANは複数サーバーでのストレージの共有が可能で企業でもよく利用されます。では、NASとSANはどのようなストレージになるのでしょうか?

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NASとは?SANとは?

NASとは?

NASとは、Network Attached Storageの略で、「ネットワークに接続するストレージ」を指します。既存のサーバー構成に影響を与えない形で接続することが可能で、簡単に導入ができるため企業だけでなく個人でも利用されています。そのOSはファイル共有に特化したものとなっていて、ストレージにはファイル単位でアクセスします。基本的にはファイル共有関連の機能だけを搭載しているためメンテナンスも容易で、短期間で導入することが可能です。ただし逆に言うと、ファイル共有に特化しているため、データベースアプリケーションとしての使用には適さないものになります。また、ストレージには既存のネットワーク経由で接続するため、ネットワークに負荷がかかると速度が遅くなる可能性があり注意が必要です。

SANとは?

SANとは、Storage Area Networkの略で、「独立したストレージ用のネットワーク」を指します。社内全体の情報を一元管理することができ、専用の回線を利用するためアクセスが高速かつ他の用途に使用されることが無いため安定した通信を行うことができます。データ転送方式は、ファイバチャネル(Fibre Channel)を使用するFC-SANと、IPを使用するIP-SANがあり、FC-SANの方がデータの転送速度が早くなります。NASとは異なり、ストレージにはファイル単位ではなくブロック単位でアクセスする仕組みです。ただし、導入のハードルは高くなります。新規のインフラを構築する必要があるためコストは高く、導入とメンテナンスには専門的な知識も必要になります。

 
 
 

NAS

SAN

専門知識の必要性

低い
基本的な知識のみで導入可能

高い
専門的な知識が必要になる

導入コスト

低い
既存のLANを利用できる

高い
専用のスイッチ、専用のケーブルが必要になる

通信速度

低速(になる可能性がある)
既存のネットワークに依存する

高速
専用回線利用

メンテナンス

容易
ほとんど設定不要ですぐに導入可能

煩雑
導入時にソフトウェアのインストールなど様々な設定が必要

容量の拡張

可能

可能

NASとSANのどちらを導入すべきか

NASとSANを比較した表からも分かる通り、双方にメリット・デメリットがあります。どちらかが絶対的に優れているわけではないので、必要な条件に当てはまるものを選択することとなります。

NASは導入のハードルが低い(コストが低い・必要な知識は少ない・メンテナンスも難しくない)という点でメリットがあり、SANは高度で高性能なストレージを構築できるという点がメリットになります。そのため、ストレージの導入の目的が、コストパフォーマンス重視で比較的簡単なファイルやデータの管理なのであればNAS、高性能なシステムの構築なのであればSANが適している可能性が高くなります。企業によってどちらが適しているかは異なるため、「NASとSANのそれぞれの特徴を理解」した上で、ストレージ導入の目的と照らし合わせて検討することがポイントです。

nasとsanの違いについて、詳しくは以下の記事をご参照ください。

ストレージのNASとSANとは?その特徴と違い
https://www.storage-channel.jp/blog/nas-and-san.html

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導入するには?

ストレージは製品によって特徴があります。過去の業務改善に導入した事例を確認する限り、現在の課題を明確にした上で、それにあった適切なものを選ぶことが重要です。以下で過去の事例と、ストレージ製品を選ぶ際のポイントをまとめています。

ストレージの導入事例

事例①:リフォーム完成後のイメージのすり合わせ方法を改善

住宅のリフォームを行う不動産業界のA社では、顧客にリフォームの完成イメージの説明を行うケースがあります。その際、その場で顧客から受けた指摘を設計図に反映することができないことや、社外でメールや書類作成ができない、などの問題があり、セキュリティ面での信頼性の高いストレージ環境を導入しました。結果、顧客への説明の場で理想を確認しながら設計図を修正でき、場所を問わず社内のネットワークにアクセスし提案資料の作成などができるようになり、業務効率を改善することができました。

事例②:アクセス制限で社外からの業務対応を実現

インターネットサービスを展開するB社では、会社支給デバイス以外からの社内メールやファイルへのアクセスを禁止したいという要件がありました。しかし、もともと利用していた自社構築のシステムだと、デバイスやIPアドレスを制限する機能が存在しておらず、アクセス制限の機能をもつクラウドサービスのストレージを利用し要件を実現しました。結果として、外出先でも安心安全な状況で、メールの確認や協力会社と大容量のファイルのやり取りを実現できました。

事例③:行政における指導業務の改善

行政機関では、ストレージを導入することで保健指導の業務改善に成功しています。市民の自宅に訪問し、保健指導を行う業務で資料の用意など準備に時間がかかるという課題がありました。ファイルストレージを導入し、ネットワーク上に配置してある資料や動画にいつでもアクセスできるようにすることで、準備の時間を短縮することができました。必要なリソースを場所や時間を問わず、利用しやすい環境を作ることで業務の効率化を実現しています。

ストレージを導入する際の製品の確認ポイント

 ストレージを導入する際は、各製品を選択する上で比較すべきポイントがいくつかあります。

①費用

ストレージ製品はさまざまな企業から提供されており、種類が豊富にありますが、費用には差があります。自社でストレージを構築する場合は導入にかかる費用(インフラ構築にかかるコスト、外部に委託する場合は外注費用など)が必要です。また、クラウドサービスでストレージを導入する場合は初期費用に加え、利用料に対しての費用または月額料金がかかります。導入時にかかる費用だけでなく、その後利用する上でかかるコストも考え検討する必要があります。

②ストレージ容量

NASもSANも導入をした後に必要に応じてその容量を追加していくことは可能ですが、最初に使用する予定の容量を、想定したうえで製品を選択することは重要になります。後からストレージ増設の作業が頻発することはインフラ管理担当者の作業負担が増えることなり、特にクラウドサービスの場合は容量によって月額料金が変わるため注意が必要になります。

③セキュリティ

 ストレージの導入にはセキュリティ対策も必要になります。企業のとりあつかうデータの種類や重要度などにより、必要なセキュリティ対策は異なるため、全てのデータを確認するのは煩雑で手間がかかります。自社のセキュリティポリシーを踏まえたうえで、セキュリティ要件を満たせるストレージを選択します。特にクラウドサービスとしてストレージを導入する場合は、実施したいセキュリティ対策をクラウドベンダーが提供していないと、セキュリティ条件を満たすことが難しくなるため注意が必要です。

④既存のアプリとの互換性

既存のアプリケーションが利用できるストレージであるか(もしくは利用しやすいものになっているか)も、確認しておく必要があります。必要に応じてPoC(Proof of Concept、導入後に必要な要件が本当に実現できるかどうかを検証すること)を実施した上で製品を選択するといいでしょう。

⑤マルチデバイスへの対応

スマホやタブレットからアクセスする場合、デバイスが対応しているかや利便性も確認が必要です。業務でマルチデバイスからのストレージ利用を想定している場合や、現時点では利用予定は無くとも将来的に利用が検討されている場合は、使用予定の端末からUIがわかりづらくないか、利便性を確認した上でストレージ製品を選択します。

⑥機能

要件を満たす機能がストレージに備わっているか、確認することは重要です。多機能なものから、機能は少ないがコストが安いものなど、製品によって特徴があるため必要とする機能が備わっているかを確認する必要があります。例えば、NASの製品であれば、ユーザ認証機能やLVM機能(Logical Volume Manager、ディスクの増設時も一つの共有ディレクトリに割り当てることが可能になる)などが必要であれば機能が備わっていることを確認した上で、製品を決定します。

NetAppのソリューションを紹介

NetAppはストレージの刷新と簡素化で実績があります。企業が抱える課題やビジネス要件を満たす、NASとSANどちらにも対応したソリューションを展開しているため、あらゆる業界がNetAppを採用しています。

NetAppが提供するNASソリューションは、ストレージ専用OSの「NetApp ONTAPソフトウェア」と組み合わせて使用することで、ファイルサーバーに近いユーザ管理機能やストレージ拡張機能を実装することができます。通信プロトコルにはUNIX / Linux環境におけるファイルベースのストレージアクセス標準であるNFSを採用しています。ちなみにNetAppは、NAS市場で初めてNFSに対応した製品を提供した経緯があります。加えてWindowsの標準通信プロトコルであるSMB(CIFS)もサポートしているため、Windows Serverのファイルサーバーとシームレスな統合も実現できます。

既存のファイルサーバーからNASに完全移行せずとも、既存環境を維持しながらNAS導入が可能であり、ニーズに応じてNAS環境を拡大していけば、最終的には低コストでの運用が可能なNAS環境へ完全移行ができます。京都大学化学研究所では、信頼性と運用のしやすさから、NetApp FASシステムを採用しました。結果、膨大なバイオ情報を保存するためにデータ容量を従来の600TBから5.1PBへと拡大させただけでなく、大量データのI/O性能も向上でき、データ量の急拡大にも柔軟に対応できるようになりました。

詳しくはこちらをご覧ください。
クラウド向けのデータ管理ソリューション
https://www.netapp.com/ja/data-storage/

ファイルサーバーとNASの違い | それぞれの概要とメリット・デメリット
https://www.storage-channel.jp/blog/nas-and-fileserver.html

まとめ

 ストレージの仕組みにはNASやSANなどいくつか種類があり、多くの企業から製品が提供されており内容も様々です。導入を検討する場合、特徴や費用、メリットなどを正しく理解した上で自社のストレージ要件にあう製品を選択することがポイントになります。特にNetAppの提供する製品は、NASとSANどちらにも対応し、企業の多種多様なニーズに対応したソリューションを提供してくれるので、おすすめです。ぜひ検討してみてください。

ネットアップ 総合カタログ

ネットアップ 総合カタログ

NetApp ONTAPは、NetAppストレージに標準搭載される高度なデータ管理のための専用ソフトウェアです。企業が求めるストレージ効率性、バックアップ、ディザスタリカバリ、コンプライアンス、耐障害性と可用性、セキュリティをNetApp ONTAPが支え続けています。

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