HCIのデメリット「そもそもやりたかったこと」、「諦めたくないこと」を実現する方法

 2018.04.03  ストレージチャンネル編集部

HCI は「メリットに注目して評価したが、トレードオフが多過ぎて導入を断念した」という企業が案外と多い。そんな一度諦めた企業が食指を動かす製品が登場したという。

管理性を劇的に高められるストレージ基盤 として注目を集めるハイバーコンバージドインフラ(HCI)。従来型の 3層アーキテクチャと異なり、ソフトウェア定義型ストレージ(SDS)を使って、サーバ、ネットワーク、ストレージを融合することが大きな特徴だ。

管理者は、3層アーキテクチャにまつわる HBA や NIC、LUN などのストレージ管理や ネットワーク管理の手間から解放され、純粋 に業務のワークロードを管理すればよくなる。 エンジニア不足が深刻化し、限られたリソース で IT システムに対応しなければならない状況の中、HCI は救いの手として期待されている。

しかし、HCI に関心を持ちながら導入を見送った企業から聞こえてくるのは「かゆいところに手が届かない」という声だ。確かに管理はシンプルになり、スケーラビリティもある。だが、パフォーマンスや柔軟性といった 3 層アーキテクチャのメリットまで失われてしまう、と評価されている。

このような中、「一般的な HCI は利便性と引 き換えにブラックボックスが存在することが多く、ユーザーの自由を奪う」と指摘するベンダーが出現、「過去、HCI 導入を諦めた企業から評価を受けることが多い」というユニークな HCI を発表して注目を集めている。

面白いのは、既存HCIの「ここがダメ」という点を、定義にとらわれずに解決している点だ。 各社から多種多様な HCI 製品が登場する中、満を持して登場した後発の HCI は、「新世代 HCI」ともいうべき特徴を備えている。ポイントは HCI の本来あるべき「目的」と手段の整理にあるという。その真意を取材した。

第一世代のHCIではやりたいことが実現しなかった

「HCI を導入しない企業は3つの懸念を抱いています」とネットアップ アライアンス営業 推進本部 NGDC 営業開発 シニアソリューションマネージャー 稲田昭仁氏は説明する。NetApp-Inada

第 1 に、パフォーマンスの問題だ。一般的 な SDS によるストレージ管理やデータ圧縮 は、ハイパーバイザー上で行われるため、処理オーバーヘッドが大きくなりやすい。例えば、高トランザクションのデータベース処理では思ったような性能が出にくいだろう。

第 2 に、拡張時のリソースのムダへの懸念だ。多くの HCI 製品ではノード追加時に、CPU、メモリ、ストレージを同時に拡張するため、ストレージのみを拡張したい場合でもCPU やメモリが追加される。ここで、プロセッサにひも付くライセンス体系のアプリケーションを運用する場合は不要な CPU の追加でライセンスコストが跳ね上がるリスクがある。

第 3 に、統合基盤としての機能面での限界 が挙げられる。スループット制御が不十分なため、ワークロードを混在させた場合、一部の処理で負荷がかかると 、システム全 体のパフォーマンスが劣化するリスクがあるのだ。このリスクを回避するには、ワークロードごとに切り分けて運用する必要がある。管理性の高さを期待して導入したのに、かえってサイロ化が進むという本末転倒の事態になりかねないのだ。

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HCIの既成概念を覆す 「新世代のHCI」の特徴

これらは、HCI 導入時に避けては通れない 問題として認識されてきた。この問題を避けるために、従来通りの 3 層アーキテクチャやコンバージドインフラ(CI)を選択するケースも多かったが、この場合はストレージの柔軟かつ 効率的な管理や自動化、拡張性を生かした性能向上といった HCI なら期待できる機能を諦 めざるを得ない。

ストレージに関するお役立ち資料

「ユーザーが HCI に求めるのは、性能を維持しながら安定して稼働すること。リソースを最大限に活用し、ソフトウェア定義型の利点を生かした統合管理や自動化を実現すること。そして、高い運用効率を持ったインフラを実現すること。この “ 目的 ” を実現することに注力して設計したのが NetApp HCI です」(稲田氏)

NetApp HCI は、HCI の 3 つの懸念を解決するため、SDS によるストレージ管理という「手段」にとらわれず、必要な性能や利便性を実現することを目指して開発された、いわば「新世代のHCI」といえる。ポイントは、前述した旧世代型の HCI の3つの懸念を解消し 、「 パフォーマンスの保 証 」「 柔軟性と拡張性」「インフラの自動化」の3つを同時に実現したことにある。

これらの特徴を裏付けるのは、同社のス ケールアウト型オールフラッシュストレージ製 品「SolidFire」の技術だ。ネットアップのシ ステム技術本部 SolidFire プリンシパルクラウドアーキテクト 松浦 敦氏はこう説明する。NetApp-Matsuura

「SolidFireは独自のストレージOS「Element OS」でフラッシュを含むストレージを統合管理するSDSでもあります。NetApp HCIでは、ストレージ側の管理をElement OSで行い、サーバ側の管理をハイパーバイザー「VMware ESXi」で行う、3層アーキテクチャに近い構成を採用しています。コンピューティングノードとストレージノー ドの管理を別立てでもきるようにしておくこと で、従来型ストレージの良さと HCI の良さを 併せ持つ製品に仕上げたのです」(松浦氏)

新世代のHCI

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HCIらしいソフトウェア定義型の運用自動化とパフォーマンス

NetApp HCIのアーキテクチャでは 「NetApp Deployment Engine(NDE)」と 呼ぶ独自の実装を持ち、HCI とストレージ機 能の間を取り持つ。この仕組みのおかげで運 用側からするとソフトウェア定義型の自動化 が期待でき、性能面では後述するようなストレージネイティブの機能に基づくスループット性能を保証できる。性能を保証できれば、多 様な要件のワークロードを 1 つのプラット フォーム上で安全に混在運用ができることから、HCI らしい統合運用や自動化が可能になるのだ。手段にとらわれず、目的の視点から機能を組み立てることで、第一世代のHCIの課題であったシステムのオーバーヘッドを解消するアプローチだ。 「性能面では、パフォーマンス保証に加え、 ノード追加時に性能をリニアに向上できるよう、ハードウェアも設計し直しています。また、 性能予測機能などの SolidFire ならではの特徴も生かしています」(松浦氏)

Enterprise HCI

NetApp Deployment Engine(NDE)

リソースごとに拡張できてリニアに性能向上するHCI

NetApp HCI は 2U サイズのアプライアン スで、1 台のシャシー内に最大 4 台のコン ピューティングノードとストレージノードを自 由に組み合わせて搭載する仕組みだ。

シャシーを背面から見ると、上下左右に 4 台が すっぽり収まるように設計されている。 最小構成は 2 台のシャシーに 4 台のスト レージノード、2 台のコンピューティングノードだ。これにCPUやメモリが足りなくなったらコンピューティングノードを、容量が足りなくなっ たらストレージノードをそれぞれ追加できる。

ストレージ管理は全て Element OS が担うため、無停止でのノード追加/削除が可能だ。また、データの再配置、階層化、キャッシュ管理、圧縮および重複排除、障害時の自己修復なども全て自動で行われる。

SAN ストレージのように容量を追加したときにポリシー設計を見直すといった作業は不要だ。さらに、SolidFire のスケールアウト機能がそのまま使えるため、ノードの追加でパフォーマンスと容量をリニアに向上できる。

最大値だけでなく最小値も 保証できるパフォーマンス制御

ソフトウェア面では、エンタープライズ品質 の QoS 制御が出色の機能だ。ワークロード ごとに「Min( 最 小 値 )」「Max( 最 大 値 )」「Burst(必要なときにバーストを許可)」という QoS パラメーターを設定しておくことで、 IOPS 単位で性能を制御し、自動で負荷を分散させる。

この QoS の機能により、システム内にワークロードの混在が可能になり、サイロ化のない統合基盤が構築できるようになる。つまり、 性能面が重視されるシステムであるがゆえに HCI に統合できなかったシステムも、NetApp HCI であれば安全に統合して運用できるようになる。

ちなみに、HCI 製品の中で IOPSの最小値 を設定できる製品は現在のところNetApp HCIのみだ。これに加えて、VVOL(VMware vSphere Virtual Volumes)にも対応してい るので、仮想マシン単位での QoS 設定も可能だ。

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既存資産もマルチクラウドをも 視野に入れた「データファブリック」コンセプトの踏襲

NetApp HCIは、既存 HCI の課題を解消するだけでなく、既存のストレージ資産を活用した次世代の統合インフラ基盤を作る機能も備える。

NetAppは、クラウドや次世代データセンターを含む総合的なデータポータビリティーを保証するコンセプト「データファブリック」を提唱している。具体的には、ストレージ OS「ONTAP」を搭載する「FAS/AFF」、SolidFireを搭載する「SF」、バックアップアーカイブの 「AVA」、仮想ストレージアプライアンス「SG」 などのラインアップを使って統合的なデータ サービスを提供するものだ。NetApp HCI でも、このデータファブリックに対応した機能を利用できる。

既存ユーザーにとってうれしいのは、ONTAP FAS/AFF との連携だろう。NetApp HCI の Element OS は、遠隔地に FAS システムのデータを高速レプリケートする 「NetApp SnapMirror」と連携する。このため、既存の ONTAP FAS/AFF をバックアップに利用したり、他の NetApp 製品群と連携させたりもできる。

また、パブリッククラウドでも動作する仮想 ストレージアプライアンス「ONTAP Select」をNetApp HCIのハイパーバイザー上で動作させることもできる。SolidFire 管理のスト レージとONTAP管理のストレージが NetApp HCI 上で共存するわけだ。

HCI 検討企業が持つ潜在的ニーズを取り込み、集約と効率化および自動化を重視した「次世代型 HCI」といえる NetApp HCI。今後どこまで拡大するのか要注目だ。

NetAppHCIポートフォリオ

HCIを一度諦めた人のための 新世代のHCI

ここまで見てきたように、NetApp HCI は 旧世代 HCI が実現し得なかった「HCI に期待すること」をトレードオフなしに実現する、 全く新しい HCI だといえる。HCI のメリットには興味がありながら導入できなかった企業 が同製品に関心を寄せる理由は、この「HCI でやりたかったこと」を実現する目的に忠実な実装が評価されている点にある。

本稿をきっかけに、HCIに興味がありながらも、導入に踏み切れなかった経験のある方はぜひ新世代の HCI を体験してみてほしい。

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