主要オブジェクトストレージ7製品を比較

 2017.09.27  2022.08.03

IoTに代表されるマシンからの大量のデータ、コンシューマライゼーションの波、分散されたファイルサーバの統合、従業員が生成したデータ、ビッグデータ活用など、企業が管理すべきデータは増加の一途を辿っています。

そのような背景から、従来から存在するファイルサーバでは限界が生じており安価で大量のデータを安全に保管できるオブジェクトストレージがビッグデータの保管先として注目を集めています。

オブジェクトストレージは、ディレクトリ構造で管理するファイルストレージとは異なり、データを「オブジェクト」という単位 で扱います。データサイズやデータ数の保存制限がないため、大容量データの保存に適しています。

今回は、市場にある企業向けオブジェクトストレージをご紹介すると同時にどの特徴にも踏み込んでみたいと思います。

オブジェクトストレージ製品7社比較

1.NetApp StorageGRID Webscale

≪製品のポイント≫

  • ILM(情報ライフサイクル管理)に応じて最適なデータ保管ができる
  • レプリケーションやデータ分割など安全性や利便性に対応できる
  • マルチテナントに対応できる
  • 自動データ管理機能の搭載
  • マルチプロトコル対応で柔軟なアクセスが可能(HTTP、CIFS、NFS、Swiftなど)
  • 最大16箇所のデータセンターを単一のネームスペースで管理可能
  • NetApp AltaVaultと連携した最適なバックアップ環境

ストレージベンダーとして世界最大級のシェアを持つNetAppでは、同社が提供するNetApp StorageGRID Webscaleによって、様々なデータ管理課題を解決します。中でも最も重要な、ILMの最適化は、同製品の得意分野です。

データの重要性は経年によって変わります。特に、一定の保存期間が義務付けられている帳票類は、経年に応じて保存先を変えることで情報整理をスムーズに行えます。しかし、そうしたILMを人手によって実現することは困難です。

そもそもデータごとのポリシーを把握すること自体困難であり、一つ一つのデータを経年によって移動することは、さらに多くの手間を生みます。そこで、NetApp StorageGRID Webscaleを導入することでこの課題を一気に解決します。

NetApp StorageGRID Webscaleは、各データをメタデータやポリシー設定で自動管理することができ、必要に応じてデータ移行を自動で行います。

さらに、テナントごとに管理を委任できるマルチテナントや、同社のクラウドバックアップシステムであるNetApp AltaVaultと連携することで、快適かつコスト削減を実現するバックアップ環境を構築することも可能です。

ストレージベンダーの再検討

ストレージベンダーの再検討

聞こえのいい条件に惑わされることなく、自社にとって最も重要な購入条件に目を向けることが大切です。最適なストレージベンダーを選択し、データセンターの刷新を成功させることができます。

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2.Business Network Cloudian

≪製品のポイント≫

  • Amazon S3準拠のAPIを備えている

今やクラウドストレージとしての市民権を獲得したAmazon S3は、クラウドバックアップなどを行うにあたって、検討リストの上位に食い込むサービスです。Business Network Cloudianは、そんなAmazon S3に準拠したAPIを備えていることで、同クラウドストレージを利用したオブジェクトストレージ構築が可能な製品です。

http://businessnetwork.jp/Portals/0/SP/1302_cloudian/?prtext

3.Fujitsu ETERNUS CD10000 S2

≪製品のポイント≫

  • 最小4ノードから最大500ノードに対応できる

Fujitsuが提供するETERNUS CD10000 S2は、最初4ノード(物理容量176TB)という小規模環境から、最高500ノード(物理容量10PB)の大規模環境まで対応した柔軟性の高いオブジェクトストレージ製品です。また、データ分散配置技術によって、容量の使用状況に応じて自動で最適な場所にデータを格納します。

http://www.fujitsu.com/jp/products/computing/storage/eternus-cd/s2/

4.IBM Cloud Object Storage

≪製品のポイント≫

IBM Cloud Object Storageはオンプレミス、クラウドといった複数の環境をまたいだ統合ストレージ環境を構築できる製品です。ライセンス体系が柔軟で、必要なストレージ容量を購入し、企業とクラウドの間で柔軟なデータ移行が可能という特徴があります。

https://www.ibm.com/jp-ja/marketplace/object-storage

5.NEC Storage HS6-50A

≪製品のポイント≫

  • ファイルアクセスベース、オブジェクトアクセスベースに対応した柔軟なアーカイブを構築できる

NEC Storage HS6-50Aは、オブジェクトアクセスベースだけでなく、ファイルアクセスベースにも対応した柔軟なオブジェクトストレージ製品です。このため、構造化データと非構造化データが入りまじったストレージ環境で快適に動作します。

http://jpn.nec.com/istorage/product/backup/hs/hs6_50a/index.html

6.Quantam Lattus™ オブジェクト・ストレージ

≪製品のポイント≫

  • システムを中断せずにアップグレードできる

Quantam Lattus™ オブジェクト・ストレージはビッグデータ分析に特化したオブジェクトストレージ製品です。ストレージ容量は数百PBまでの拡張が可能で、データアーカイブにも適しています。また、システムを中断せずにアップグレードできることから、高可用性を実現しています。

http://www.quantum.com/jp/products/bigdatamanagement/lattus/index.aspx

7.Scality S3 Server

≪製品のポイント≫

  • オープンソースで利用できるオブジェクトストレージ

Scality S3 ServerはAmazon S3に準拠した、オープンソースのオブジェクトストレージ製品です。商用製品であるScality RINGのS3ストレージ機能をベースに、オープンソース化されました。Scality S3 ServerはDockerコンテナにパッケージ化されて提供されるため、ノートPCへの導入も可能になります。

http://ja.scality.com/about-us/press/scality-announces-s3-server-jp/ 

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環境アセスメントに始まり、最適なオブジェクトストレージ導入を

いかがでしょうか?今回オブジェクトストレージ製品7社を比較しましたが、それぞれに異なった特徴があり、最適な利用シーンも違ってきます。大切なことは、自社の利用目的に沿った製品を導入することです。

各オブジェクトストレージ製品の特長をより深く知れば、失敗しないオブジェクトストレージ導入が実現するでしょう。本記事で紹介した各製品の特長が、その助力になれば幸いです。

2022 クラウドインフラストラクチャレポート(日本語版)

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Spot by NetAppが提供する、Dimensional Researchによる本レポートは、従業員500人以上の企業に勤務するクラウド インフラ関係者を対象に実施したオンライン アンケートの結果に基づいています。

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