オンプレミスからクラウドへ移行する際に知っておきたいこと

 2019.10.21  ストレージチャンネル編集部

はじめに、「オンプレミスとクラウドの違いが曖昧だ」という方のために解説しておきます。理解しているという方は読み飛ばしてください。

オンプレミスとは、業務を支えるさまざまなシステムを稼働するのに必要なサーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどを自前で用意(購入またはリース契約)し、システムの運用を内製化するという意味です。ただし、この環境が必ずしも社内にあるわけではなく、データセンターに設置した上でネットワークを経由して利用する場合もあります。

一方クラウドとは、本来は自前で用意するはずの環境をインターネット経由で調達するという意味です。仕組みを簡単に説明すると、サービスを利用するために月間または年間単位での契約を行い、契約内容に沿った形でサーバー(厳密にはサーバーのリソース)やソフトウェアをネット経由で利用します。

オンプレミスもクラウドも一長一短があるので、一概にどちらの方がベストとは言い切れないのが現状です。だだし、オンプレミスからクラウドへ移行するという事例は確実に増えており、昨今ではクラウドファーストで考えることが基本と言えるでしょう。

本稿ではその理由も踏まえまして、オンプレミスからクラウドへ移行する際に知っておきたいことについてご紹介しますので、移行検討時の参考にしていただきたいと思います。

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オンプレミスからクラウドへ移行する理由

何を狙ってオンプレミスからクラウドへ移行するかは企業によってさまざまな理由がありますが、大方は「オンプレミスが持つ運用負担を軽減するため」もしくは「老朽化した既存システムを刷新するにあたり初期投資を押さえたい」といった理由ではないでしょうか。

一般論として、オンプレミスでシステムを稼働している企業のほとんどが運用を内製化していることから、情報システム担当者や担当兼任者への負担増大が問題視されています。少し前に「一人情シス」という言葉が流行し、その状況は未だ深刻です。

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システムの運用負担が増大すると、情報システム担当者などが運用につきっきりになることから、「新しいIT戦略へ積極的になれない」や「本業へ注力できずにビジネスが停滞する」などの問題が浮上します。これを解決するために企業が注目するのがクラウドへの移行です。

クラウドでは提供事業者がシステムの基本的な運用作業を行うことから、企業にかかる運用負担が軽減するメリットがあります。さらに、対応が難しいアップデートも自動的に行われるため、オンプレミスと比べるとクラウドの運用負担はグッと軽くなるのです。

初期投資の抑制、というのもクラウドの大きな利点です。老朽化したシステムを刷新するにあたり、ハードウェアも新しいものに買い替えるというのが通常です。クラウドはサーバーのリソースやソフトウェアを「サービスとして」利用するものなので、オンプレミスでかかる初期投資を丸ごと削減できることから、刷新先にクラウドを選択する企業が増えています。

細かい理由まで挙げれば他にもたくさんありますが、こうした理由からオンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えているのです。ところが、移行にあたって課題がないわけではありません。

新しい環境へ移行するのですから、そこには今まで発生しなかった問題が浮上しますし、それらを解決しないと適切なシステム運用が行えないことから、日常業務に支障をきたします。それでは、オンプレミスからクラウドへ移行する際に知っておきたいことをご紹介します。

オンプレミスからクラウドへ移行する際に知っておきたい4つのこと

パフォーマンスの保証とコストのバランスが難しい

「クラウドへ移行すると運用費用が軽減される」という話を聞いたことのある方は多いでしょう。これは、クラウドが必要なリソースを必要な分だけ利用する従量課金制であることから、稼働しない資源を無くし、無駄なコストが削減できるという考えからきているものです。

しかし、業務を根底から支えている基幹系システムのように常時稼働することが条件の場合、稼働率を最適化させることでのコスト削減が期待できない側面もあります。要するに、クラウドでもパフォーマンスの保証を高めようとすると、当然ながらコストも増加することから、そのバランスを取るのが難しいということです。

近年ではそうしたコストメリットをクラウドに追求せずに、運用負担の軽減とそれによって生まれた人的リソースの有効活用に着目している企業が増えており、発想の転換がクラウド移行成功のカギになるでしょう。

システムの可用性を確保するスタイルが変わる

最近ではサービスの多様化から、大企業でなくても24時間365日稼働し続けるシステムの可用性を必要とするケースが増えています。オンプレミスの場合、インフラで障害が発生したとしても自動的に待機システムに切り替えるフェイルオーバーを働かせられるため、可用性の確保をインフラ任せにできるというメリットがあります。

一方、クラウドではインフラで障害が発生してもフェイルオーバー設定が無い場合は、インフラ側での可用性確保が難しくなります。加えて、クラウド環境でインフラ障害が発生した場合は提供事業者の対応を待つ他ないため、アプリケーション側で可用性を確保するという新しいスタイルの確立が必要です。

新しいセキュリティ対策とコンプライアンスへの注意

どの企業にも強力なセキュリティ対策が必要とされているのは周知のことかと思います。そして当然ながら、クラウドへ移行することで従来のオンプレミス型セキュリティ対策は通用しません。

システムの運用形態が大幅に変更させるのですから、セキュリティ対策もまた変えていかなければなりません。それに伴い発生するコストは確かにあり、クラウド移行のボトルネックになる可能性もあります。

さらに、コンプライアンスに関する要件にも留意する必要があり、海外展開の場合は現地監査対応などチェック項目が多くなるでしょう。

事業部門での主導によるシステムサイロ化のリスクがある

初期投資の低さや導入スピードの速さに魅力を見出すあまり、事業部門別にシステムをクラウド化するケースも少なくありません。確かに事業部門別に展開すればクラウドが持つ初期投資抑制や導入スピードアップといった恩恵を大いに受けられるものの、それが推奨できないのはシステムのサイロ化のリスクがあるためです。

事業部門別に展開したクラウドではシステム間の連携が取りにくくなり、せっかく刷新したシステムもビジネス目標の効率的な達成に繋げられなくなるのが大方の落ちです。さらに、管理負担軽減の効果も薄れ、セキュリティ対策の弱化も引き起こす原因になるでしょう。

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「クラウドは必ずしも最適解ではない」を肝に銘じる

既存システムをオンプレミスからクラウドへ移行することで、今までになかった新しい環境を構築できることは確かです。それによってさまざまなメリットが生まれますし、クラウドの恩恵を受けることでビジネス目標の達成率も上がるでしょう。しかしながら、クラウドへの移行にあたって課題があることも間違いありません。本稿でご紹介した注意点を念頭に置きながら、「クラウドへの移行は必ずしも最適解ではないのだ」という大前提を持った上で、再度移行について検討していただきたいと思います。

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