今回はNetAppが提供する「Cloud Volumes ONTAP(旧ONTAP Cloud)」に関して解説します。
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そもそもONTAPとは?
そもそもONTAPとは、NetAppが提供するストレージOSです。
インターネットやクラウド、モバイルの台頭により企業の情報システムは、ますます重要性を増しています。企業は、ビッグデータやIoTの流れによりデータは多様化、複雑化するだけでなく爆発的に増大しつつあります。その一方でシステムは柔軟な拡張性や無停止が求められており、ひとたびシステムが停止すると事業が継続できなくなるだけでなく社会的な影響にまで発展しかねません。
これら企業運営の根幹とも言える情報システムにおいて、最も重要なデータを管理するIT機器がストレージです。そして、ストレージにおいてもディスクやCPU、I/Oなどを無停止で運用し柔軟に拡張できることが求められています。
このような背景からNetAppが開発したストレージOSが「ONTAP(オンタップ)」です。
ONTAP Cloud登場の背景
多くの企業がクラウドコンピューティングを活用した情報システムに取り組んでいます。その時に企業が求めるものは、AWSやMicrosoft Azureなどのパブリッククラウド環境においても自社運用のストレージサービスと同じレベルでデータにアクセスし、管理できること以外に他なりません。
しかしパブリッククラウド プロバイダが提供するストレージサービスは必ずしも自社運用レベルと同じとは限りません。
そのような背景からパブリッククラウド環境においても従来通りのストレージの効率性や可用性、柔軟性、管理性が求められるのです。
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ONTAP Cloudとは?
ONTAP Cloudとは、NetAppが提供するONTAPがAWSやMicrosoft Azureといったクラウド上で動作するストレージOSです。
ONTAP Cloudは、今までNetAppが提供して来たONTAPと同じ各種機能をパブリッククラウド上で実現できるためクラウドの柔軟性に加えて高可用性とリスク軽減を実現できます。例えばONTAPが誇る高機能であるシンプロビジョニングやSnapshotコピー、仮想クローニング(FlexClone)、重複排除、圧縮、暗号化、レプリケーション(SnapMirror)、ディスクバックアップ(SnapVault)といったものがクラウド上で利用できるのです。
そのためパブリッククラウド使用に対する課題を取り払い、データの保管場所における新しい選択肢パブリッククラウドが現実のものとして利用できるのです。
ONTAP Cloudは、NFSやCIFS、iSCSIをサポートするためNASとSANの両方をプロビジョニングすることが可能です。
また、気になるサポートですがネットアップでは全てのONTAP Cloudのインスタンスに対して24時間365日体制のソフトウェアサポートを提供しているので安心してご利用いただけます。
Cloud Managerでハイブリッド環境の集中ストレージ管理もできる

企業の情報システムは、自社データセンターやパブリッククラウドなどあらゆる場所に利用されています。その時に求められるものが管理性です。データが分散した時に自社データセンターとパブリッククラウドのストレージ環境を統合して管理したいと思うのは当然のことです。
これらの課題を解決するためにNetAppでは、Cloud Managerを提供しています。Cloud Managerは、ONTAPを基盤とするハイブリッド クラウド ストレージ環境(ONTAP Cloud、AFFストレージ システム、FASストレージ システム)を集中管理するためのソフトウェアです。これを活用することでハイブリッドクラウド 環境の管理効率を最大限に高めることが可能になります。
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どんな時にONTAP Cloudが活用できるの?
基本的にONTAP Cloudは利用用途を問いませんが、ここでは代表的な使われ方を3つご紹介します。
テスト・開発環境として
テストおよび開発環境を自社内で構築する場合、ある程度の規模の環境を用意する必要があるため、時間とコストを必要とします。また並列でテストや開発を行えば行うほどデータコピーの時間やデータ量が2倍3倍と膨れあがります。
ONTAP Cloudは、このテスト・開発環境における「時間」と「コスト」を大幅に改善することが出来る様々な機能を提供します。元データからの差分レプリケーション機能や、差分のみを管理する即時作成可能な仮想クローン機能は、従来のテスト・開発サイクルに対しての改革の要となる機能です。
そのためテスト・開発環境をパブリッククラウドで利用するのに最適と言えるでしょう。
ディザスタリカバリ(DR)環境として
システム停止からデータを守り業務を継続するためにはDR環境が必要です。一般的にDR環境は本番環境と同一スペックのサーバを遠隔地のデータセンターに用意するため、膨大なコストがかかります。ONTAP Cloudを利用すればパブリッククラウド上にDR環境を簡単に構築できます。
データ転送時間帯のみパブリッククラウド側のインスタンスを起動させることで、劇的にコストを削減することが可能です。有事の際にはパブリッククラウドのサーバインスタンスと組み合わせ、パブリッククラウド上でのサービス再開を実現致します。
そのためディザスタリカバリ(DR)環境をパブリッククラウドで利用するのに最適と言えるでしょう。
ファイルサーバー(共有ストレージ)として
ONTAP CloudはNFS、CIFSをサポートします。AWSで同様のサービスを実現するためには煩雑な手順が必要です。しかしONTAP CloudはCloud Managerからの簡単な操作でファイルサーバーを構築することが可能です。暗号化機能、重複排除機能といったNetAppが誇るさまざまなエンタープライズ向け機能の充実も優れた点と言えます。またiSCSIもサポートしているため、Microsoft Failover Clusterなどに共有ディスク領域を提供でき、パブリッククラウド上でOSレベルのクラスタリング環境を実現させることも可能です。
ONTAP Cloudの価格は?
ONTAP Cloudの導入には大きく分けて2つの方法があります。
- パブリッククラウドプロバイダーのマーケットプレイスで契約し時間単位で利用
- 6ヶ月または1年単位のサブスクリプションをNetAppから購入
例えばAWSでは、ご契約タイプにもよりますがソフトウェアとEC2費用の合算で$1.008/hrから提供されています。(2018年6月現在)
https://aws.amazon.com/marketplace/pp/B011KEZ734?qid=1530012752837&sr=0-2&ref_=srh_res_product_title
また、Microsoft Azureでは1時間あたり$0.75で提供されています。(2018年5月現在)
価格は構成などにより異なりますので詳細に関してはネットアップに問い合わせると良いでしょう。
ONTAP Cloud購入の前に試したい場合は?
実際にONTAP Cloudを実際にお試しいただくために30日フリートライアルをご利用いただくことが可能です。
これらはすべてマルチテナント アーキテクチャーで構成されるためお客様ごとにセキュアな環境を提供しています。
NetApp ONTAP Cloud in Amazon Web Services
https://cloud.netapp.com/try-page-cloud-data-solutions-free-trial-campaign-lp
NetApp ONTAP Cloud in Microsoft Azure
https://cloud.netapp.com/azure-free-trial-lp
まとめ
企業はONTAP Cloudによりパブリッククラウドにおいても高度なストレージ環境の活用を行うことが可能になります。
開発やテスト環境、災害対策用サイトの構築などにおいてパブリッククラウドを活用することで、構築の時間やコストを大幅に短縮することができます。ネットアップは、お客様がどの形態のクラウドを選択したとしても、あらゆるクラウド環境において最適なデータ管理のプラットフォームを開発・ 提供しているのです。
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