ハイパーコンバージドインフラ(HCI)とは?概要やメリットや注意点を解説

 2020.10.21  ストレージチャンネル編集部

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サーバやストレージなどシステムに必要な全ての機能を仮想マシン上にパッケージ化して提供する「ハイパーコンバージドインフラ(HCI)」が注目されています。従来型に比べコスト面などでメリットがありますが、導入にあたっては注意しておきたい点もあります。この記事ではHCIの概要やメリット、注意点を解説します。

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ハイパーコンバージドインフラ(HCI)とは

ハイパーコンバージドインフラ(HCI、Hyper-Converged Infrastructure) 」とは、サーバ、ストレージ、アプリケーション、ネットワークのすべての機能を仮想化した基盤のもとに統合し稼働するインフラを指しています。HCIには特定の物理的なサーバやストレージは存在せず、すべての製品が仮想化され、パッケージ化された一種の“ソフトウェア”としてインフラが稼働しています。

HCIも従来型のインフラと同様に、複数のx86系サーバを組み合わせて構成されています。ただ、HCIでは「ソフトウェアデファインドストレージ(SDS、Software Defined Storage)」という技術を使って各サーバの内蔵ディスクを論理的に結合し、1つの仮想ストレージとして共有しており、外部ストレージは存在しません。HCIではすべてが仮想化されていますので、各製品の構成が非常にシンプルなものとなり、データの管理や保護などあらゆる運用管理を一体化しやすくなるといった特徴があります。

ハイパーコンバージドインフラ(HCI)が注目される背景

HCIがいま注目を浴びている背景としては、インフラ仮想化のニーズが急増していることが挙げられます。仮想化の技術が発展したことで、物理的な制約にとらわれることなく、個々のサーバやストレージのすべてのリソースを論理的に統合して扱えるようになりました。これにより、すべての機器の能力を互いに融通させながら無駄のないように使い尽くすことができるようになったのです。

例えば、サーバを例にとっても、仮想化した場合は、1台の物理マシン上で複数の仮想サーバを稼働できることになります。こうしてマシンを効率的に活用することで、ハードウェアの初期投資コストを減らすことができます。マシンを設置するスペースや稼働に必要な電力も削減できるなど、仮想化によって得られるメリットは非常に大きいと言えます。

最近では、ビジネスが変化するスピードに合わせ、業務システムも常に最適な規模にしておきたいというニーズが高まっており、インフラもスピーディに対応できることが求められています。こうして、リソースを統合し有効活用できるHCIは時代の要請にかなった技術として脚光を浴びています。

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ハイパーコンバージドインフラ(HCI)と従来型インフラの違い

では、従来型のインフラやコンバージドインフラとHCIではどのような点に違いがあるのでしょうか。

「3Tier(スリーティアー)仮想化インフラ」と呼ばれる従来型のインフラは「サーバ」、「ストレージ」、サーバとストレージをつなぐ「SANスイッチ」の3Tier(3層)で構成されており、それぞれの層については複数のハードウェアの機能を統合して仮想化されています。この従来型インフラは小規模でも始めやすく、一度構築が完了すれば安定した稼働が見込めるのがメリットです。しかし、別々に導入した複数の機器を接続して使うため構成が複雑になりますし、リソースを拡張したい場合はほぼ全てを入れ替えることになるため初期導入と同等のコストがかかります。また、運用では複数の機器をそれぞれ管理しなければなりません。

従来型のこういった欠点を補っているのが各機器を統合したパッケージ型の「コンバージドインフラ」です。コンバージドインフラでは「サーバ」「ストレージ」「SANスイッチ」と管理ツールなどがパッケージ化されて一体のハードウェアに組み込まれており、機器の構成がよりシンプルになっています。運用も管理ツールからまとめて行えますし、従来型に比べればリソースの拡張もしやすいという利点があります。

しかし、コンバージドインフラはパッケージ単位の導入となるため、従来型に比べて初期費用がかさみ、スモールスタートには不向きです。また、サーバやストレージの機器はそれぞれメンテナンスが必要です。

このコンバージドインフラの弱点を仮想化技術によって解決したものがHCIです。HCIでSANスイッチなど専用ハードウェアの導入が不要なため、初期費用が安く、導入期間も短くて済むためスモールスタートにも適しています。設置スペースも削減できますし、メンテナンスや運用にかかるコストも最小限で済みます。もちろん、拡張したい場合も変更がスムーズです。このように、HCIは従来型のインフラに比べて時間や費用などあらゆるコストが削減できるのが大きなメリットです。

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ハイパーコンバージドインフラ(HCI)活用のメリット

HCIを導入することで得られるさまざまなメリットがあります。ここではHCIのメリットについてわかりやすく解説します。

システム運用管理者の作業工数削減

従来型インフラは複数の製品を組み合わせて構成されているため、増築には手間がかかりました。しかし、HCIではあらかじめセットアップされたx86系サーバのパッケージに電源とネットワークケーブルを接続するだけで使用可能で、従来型製品に比べ管理工数を大幅に削減することができます。もちろん、サーバやストレージの専用機器が不要になるため、運用やメンテナンスの負担を大幅に減らすことが可能です。

システム環境の短期間導入が可能

HCIはすでに設定が完了した状態で納品されます。電源とネットワークケーブルをつなぐだけで利用できますので、製品が届いてから30分もあれば仮想化インフラとして稼働開始が可能です。このように、短時間で導入できるのもHCIの魅力です。インフラ導入にかかる時間を省き、スピーディにビジネスを展開することで、よりよい成果につなげられる可能性が高められると言えるでしょう。

データセンター費用の削減

HCIではSANスイッチやストレージ機器を接続する必要がなく、サーバ機器のみで構成される極めてシンプルなシステムであるため、設置スペースも最小限で済みます。
このため、スペースの確保や空調費用などデータセンターの管理維持に必要なコストを大幅に削減することが可能です。初期費用も含め、導入から運用までのすべてにおいてコスト削減につながります。

ハイパーコンバージドインフラ(HCI)活用の注意点

HCIを導入するにあたって注意しておきたい点もあります。まず、運用するシステムやサービスの規模に合ったインフラの規模を見極めて、サーバ機能、SANスイッチ機能、ストレージ機能の組み合わせバランスを考慮して決定する「サイジング」を行う必要があります。導入した後にリソースを拡張したい場合にも、サイジングを再度行うことになります。運用開始後にサーバの稼働状況を見直すスケジュールやサイジングのタイミングなどについても事前に想定し検討しておきましょう。

まとめ

ハイパーコンバージドインフラ(HCI)を導入する企業が増えています。インフラ環境のメンテナンス期限が迫っている場合や、規模を変更したい場合などは特にHCIを導入する絶好の機会です。HCIでは従来型のインフラに比べ、導入や運用にかかるコストを抑えることができます。HCIの導入にあたっては、事前に適切なサイジングを行った上で、それぞれの製品やサービスの特徴を理解し、最適なものを選ぶことも大切です。HCIを活用してよりよい環境を整え、業務の効率化に務めましょう。

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