データを中心に据えたDX時代におけるクラウド有効活用術が続々 - NetApp Cloud Solutions Forum 2018 レポート

 2018.07.16  ストレージチャンネル編集部

近年、ハイブリッドクラウド環境におけるクラウド データ サービスにも注力しているネットアップは、2018年4月26日、都内でNetApp Cloud Solutions Forum 2018を開催した。テーマは「企業を成長させるクラウド活用術最前線 ~データを中心に据えたクラウドサービスとその価値について考える~」。

当日はIBM Cloud、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azureそれぞれの担当者が登壇し、「VMware環境のクラウド移行」「アプリ開発の効率化、高速化に向けたクラウド利用」「既存資産にクラウドで付加価値を与える手法」などのテーマで、クラウドをより有効活用するためのヒントを語った。

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クラウドサービスを多方面から支えるネットアップ

同イベントでは、最初にネットアップの常務執行役員 近藤 正孝氏が登壇し、同社のクラウド戦略について語った。

創業以来、NAS・SANといったオンプレミス環境におけるストレージデータ管理技術の開発を中心としてきた同社だが、近年はクラウドにおけるデータサービスの開発にも力を注いでいる。

たとえばNetApp Cloud Backupは、データに重複排除・圧縮などの処理を施したうえで、安価で安全なパブリッククラウド上のストレージにデータを転送する機能を持ち、マルチクラウドゲートウェイとして利用できる。

また圧倒的なシェアを誇るストレージ専用OSであるNetApp ONTAPについても、クラウド版のONTAP Cloudをリリースしているが、こうしたソリューションは、「クラウドバックアップ・災害対策」「クラウドへのLift&Shift」「複数クラウドの有効活用」などの用途で採用が進んでいるという。

講演では、日本で今後正式リリースされるソリューションも紹介された。ひとつはパブリッククラウドでネイティブのファイルサービスとして利用できるNetApp Cloud Volume for AWSだ。

これはNetApp Cloud Centralにログイン後、表示されるメニューから即座に新ボリュームを作成できるというもので、NFSやSMBといったプロトコルをサポートしている。

わざわざ管理ツールを起ち上げる必要がなく、作業や管理の効率化につながる。もうひとつはマルチクラウド制御を実現するCloud Orchestratorで、こちらは現在開発中とのことだ。

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また近藤氏は、AIIoTの活用が進んでより大量のデータ処理が必要となるDX時代には、データパイプラインの最適化が重要で、「データからコンピュートを切り離すアーキテクチャ」がカギになると語った。

従来のように、ツールが処理したデータを順送りするアーキテクチャに比べ、下図のように統合データレイクを配置して、それぞれのツールが直接データにアクセスできる構成をとれば、ボトルネックが生じにくい。

統合データレイクに格納されたデータを、Equinixのコロケーションデータデータセンターに配備するNetApp Private Storage(NPS)と同期すれば、各種パブリッククラウドサービスのデータ分析サービスと連携させることができるようになり、新たなインサイトの獲得が可能となる。

講演では他にも、同社が今年後半以降に発表予定だというPlexistorアーキテクチャを採用したソリューションや、さらなる高速・大容量ワークロード向けのラインナップなどが紹介された。

ストレージに関するお役立ち資料

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ネットアップが提案するデータパイプライン *クリックで拡大

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VMware環境のクラウド移行 - IBM Cloud & NetAppセッション

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日本アイ・ビー・エムの次世代クラウド担当部長 伊佐治 一彦氏 と、ネットアップの会田 喜弘氏は、「ネットアップと IBM クラウドで実現するデジタルトランスフォーメーションへの第一歩」というテーマで講演。セッションのポイントのひとつは、VMware環境のクラウド移行に置かれた。

「『VMwareのオンプレ環境を、できるだけ変えることなくクラウドに移したい』というご要望が増えていますが、当社ではVMwareのバージョンが違っていてもマイグレーションが可能なVMware Hybrid Cloud Extension(HCX) on IBM Cloudを提供して、これに応えています」(伊佐治氏)

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またオンプレのVMwareでSAPを利用している企業にとっては、クラウドでSAP HANA環境を構築できる点も、IBM Cloudを選ぶポイントとなるだろう。ほかにもIBM CloudにはVMwareパートナーソリューション(アドオン)が豊富に用意されており、オンプレとクラウドのハイブリッド環境でも、VMwareベースでのシームレスな連携を可能としている。さらにIBM Cloudはパブリック用、プライベート用のネットワークを物理的に分離しているため、セキュリティに強みがあるのも特長だ。

ネットアップではIBM Cloudのアドオンとして、VMwareのサーバで動くストレージOS、NetApp ONTAP Selectを提供し、柔軟なストレージ構成をサポートしている。

「IBM Cloudでこれを複数使用してレプリケーションを行った場合、IBMのノード間では課金がなされないため、帯域使用料金がかからないというメリットもあります」(会田氏)

ネットアップとIBMでは、双方の専任アライアンスチームが協力体勢を取っており、今後もその強いパートナーシップのもとで、様々なソリューション開発に取り組むという。

アプリ開発の効率化、高速化に貢献 - AWS & NetApp

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アマゾン ウェブ サービス ジャパンのパートナー ソリューション アーキテクトである河原 哲也氏と、ネットアップの平野 和弘氏の講演は「ネットアップと AWS で実現する開発の効率化」をテーマに展開された。

そこで紹介された機能がONTAP Cloud for AWSとCloud Volumes for AWSで利用できるFlexCloneテクノロジーだ。

アプリの開発時には、オリジナルデータのコピーをベースにテストを行うのが一般的だが、テストすべきプロジェクト数やシナリオが多くなれば、その分コピーの時間やストレージ消費を増やすことになってしまう。

しかしFlexCloneでは、オリジナルデータへのポインター情報だけを複製してクローンを作成するので、複製速度が速く、開発中に変更した差分だけを格納することで、データの容量をほとんど増やさずにすむ(リカバリ用のコピーには、SnapShotが利用できる)。

5またONTAP Cloudが管理しているデータのうち、長期間アクセスがないものやSnapShotが取られているものをAmazon S3へ自動でオフロードするFabricPoolも紹介された。ストレージ消費を抑えられるだけでなく、S3に送ったデータが必要な時は、自動的に取得するため、アプリケーションから透過的に利用できるという。

ONTAP Cloud とAWSとの組み合わせにより、米国のある大手金融機関では12,000を超えるテスト環境を瞬時に起ち上げることに成功、開発の高速化・低コスト化を実現している。

また2016年からサンフランシスコで行われているハッカソンでも、マイクロサービスアーキテクチャによる医療向けサービスなど新しい活用アイディアが次々と生まれているという。

「AWSの俊敏性や柔軟性、機械学習などのクラウドネイティブサービスにネットアップのテクノロジーを組み合わせて、よりイノベーティブなアプリ開発に役立てて欲しいですね」(河原氏)

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既存資産にクラウドで付加価値を - Microsoft Azure & NetApp

日本マイクロソフトでテクニカルエバンジェリストを務める山本 美穂氏と、ネットアップの神原 豊彦氏による「ネットアップとマイクロソフトで アプリケーションをちょっと良くしよう!!」と題した講演では、2つの事例が紹介された。

6ひとつはイスラエルのコンテンツ配信サービス企業の例だ。膨大なコンテンツデータ、著作権管理データの配信のためにはAzureを、データの転送にはONTAP Cloud for Microsoft Azureを使用し、市場を60ヶ国に広げることに成功した。

「この例のように我々両社は、クラウドを利用して既存の資産にパワーを付け加えていくことにチャレンジしています。他にも共同のチャレンジとして、我々のONTAPをAzureのネイティブのサービスとして利用できるようにした、Azure Enterprise NFSサービス(仮称)を現在準備中です。Azureにはファイル共有プロトコルとしてSMBとCIFSがありますが、このサービスによってNFSも利用できるようになります」(神原氏)

もうひとつの事例は「ONTAPで管理するオンプレストレージに、コンプライアンス上、外部に持ち出せないデータがあるが、それを高度な解析にかけたい」という要望を持つ企業の例だ。

解決策として、セキュアな回線を使ってデータをAzureにマウントし、Azure Machine Learning サービスで解析、結果を同じ回線で社内に戻すという方法が考案された。

この企業では解析結果をビジネス利用することで、高い費用対効果を上げているという。このようにクラウド活用にあたっては、サービスにかかるコストとその効果を十分に考慮して、戦略を検討すべきだと山本氏はいう。

7「コスト以上の付加価値をつけないと、クラウド化も単なる移設でしかありません。その点Azureであれば、AIサービスの他、BI(Business Intelligence)、CI(Continuous Integration)、DI(Dependency Injection)など、様々な価値をつけられるサービスをご用意しています」(山本氏)

各パブリッククラウドサービスと密に連携し、様々なソリューションや事例を生み出すネットアップ。

「『高速ストレージおよび既存データ管理の仕組み』と『データファブリック』を両輪に、今後もDX時代にマッチしたサービスを展開していきたい」という常務執行役員 近藤氏の言葉からは、リーダー企業としての責任感と意気込みが伝わってきた。クラウドに課題を感じている方、より強力に活用することを検討している方は、ネットアップとそのパートナー企業の動向に注目していくべきだろう。

※本記事はマイナビニュース2018年5月の掲載内容を転載したものです。「データを中心に据えたDX時代におけるクラウド有効活用術が続々- NetApp Cloud Solutions Forum 2018レポート」

https://news.mynavi.jp/kikaku/20180529-634478/

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