RPAで変わるシステム運用管理の世界、そしてデメリットとは

 2018.12.14  ストレージチャンネル編集部

RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)が話題を集めています。RPAとは人間がこれまで行ってきたパソコン上の定型作業を自動化するためのソフトウェアで、人工知能とは違って開発者が指示したプログラムに従って自動化を実行します。

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Excelのマクロ機能に似ていますが、マクロ機能の場合は範囲がExcelシートに限定されており、それに対してRPAは異なるアプリケーションをまたいだ自動化を実行できる点が大きく異なります。

かんたんにRPAの活用例をご紹介します。

RPAの活用例

  • Excelで集計したデータをグラフ化し、PDFとして出力したのちに関係者全員にメールその資料を共有する
  • 特定の日時にクラウドストレージへアクセスし、未保存になっているファイルをダウンロードして特定のフォルダに保存する
  • 各店舗から送信された日次売上データを集計してシステムへ転記する

これはあくまで一例であり、RPAを活用することでPCを活用した仕事で行う定型作業のほぼすべてを自動化することができます。製品によっては自動化プロブラムの開発も比較的簡単で、部門ユーザー主体になって運用されているケースも少なくありません。

そんなRPAをシステム運用管理の領域で活用する事例が増えつつあります。本稿では、RPAで変わるシステム運用管理の世界についてお話しましょう。

「BRA」から「RPA」へ

今やビジネスはITなくして成り立たない時代です。

業務プロセスを適切かつ迅速に遂行させるためには必ずITシステムが介在し、人間とシステム間でデータのやり取りをすることで業務スピードを劇的に向上します。最近ではチャネルも増えており人手を開始た入力だけでなく、システムから取得できるログやIoTなど多様化しています。

しかしながら、IT依存が増すごとにシステム運用管理の負担も増えています。システム運用管理はコストセンターとして見られがちで投資先になることが少なく、業務量は増えても人員が増やされないという深刻な事情があることです。

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そのためシステム運用管理担当者の負担は増すばかりで、最近では「1人情シス」という言葉が流行するほど深刻化しています。

そうした中、システム運用管理担当者の負担を軽減するために登場したものがRBA(Run Book Automation:ラン・ブック・オートメーション)というツールです。

ランブックとは作業指示書や操作手順書のことで、システム運用管理業務をワークフロー化し、条件分岐も含めてワークフローを実現するものです。従来から使われてきた効率化機能のジョブスケジュールとは違って、人間の判断が必要なプロセスや作業内容の記録、作業終了のレポート作成といった業務まで自動化できます。

しかしながらRBAには運用設計の複雑さや開発コストが大きくなるという課題もありました。もう1つ重大な課題は、業務を自動化するワークフローを作成する際に、システム運用管理アプリケーションとは異なるアプリケーションやツールで実行する業務、スムーズに連携させることが難しい、ということです。

一般的には該当するアプリケーションやツールのAPI(機能やデータを呼び出すためのプログラム)を使うか、データのやり取りが可能なアプリケーションやツールを導入し連携の仕組みを構築する必要があります。ただしそうした仕組みを構築しても、アプリケーションやツールのバージョンアップによって修正や作り直しが発生するため、逆に運用の手間が増えてしまうという問題もありました。

そこでRBAの代替として注目されるようになったのがRPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)というわけです。

システム運用管理におけるRPAの価値とは?

BRAは通常、システム運用管理アプリケーションの内部に存在するもので、外部との連携を得意としていませんでした。一方RPAは特定のアプリケーションには依存せず、外部からアプリケーションとアプリケーションの間を行き来して、横断的に自動化を実現するためのロボットソフトウェアです。そのため既存のITシステムや業務プロセスに変更を加えることなく自動化できるという特長を持ちます。

では具体的に、RPAはどういった業務を自動化してくれるのでしょうか?

ポイントは「細かい」「やることが多い」「定期的」

会社に新入社員が入社すると、人事部では新入社員の個人情報をまとめて人事・給与システムのマスターに登録します。その作業が完了した段階で人事部から情報システム部に、新しいパソコンとユーザー登録の手配が入ります。

情報システム部門や必要な数のクライアントパソコンを調達するか在庫から持ち出して、アプリケーションのインストールと社内ネットワークへの接続など、ユーザーがすぐにパソコンを利用できる状態にするキッティング作業を行います。これで作業は終わりません。

さらにファイルサーバーや各業務アプリケーションへアクセスできるように、ユーザー登録を権限設定、メールサーバーやグループウェアアカウント発行などが必要になります。オフィスへの入退室管理システムを使用している場合は、IDカードの発行とユーザー登録も必要です。

こうした作業は通常、情報システム担当者が1つ1つ手作業で行います。各業務アプリケーションへのユーザー登録やアカウント発行は、それぞれ別々に入力しなければいけません。数十人単位で新入社員を採用している企業ならば、これらの作業を1ヵ月~2ヵ月ほどかけて完了させます。

こうした環境にRPAがあるとどうなるのか?人事部は新入社員の個人情報を人事・給与システムにマスターデータを登録した時点で、自動的に各業務アプリケーションでユーザー登録やアカウント発行を行うことができます。クライアントパソコンをキッティング作業においても、サーバー側でデスクトップ環境を集約管理している場合ならば、必要なアプリケーションのインストールやOS設定まで自動化できるでしょう。

RPAは特定のファイルやシステムからこの部分の情報を参照にして、他のシステムのこの部分にその情報を入力するといった定型的な自動化作業に強く働きます。そのため既存のITシステム環境や業務プロセスを変更しなくとも、これまで想定していなかった自動化を大いに実行できるのです。

RPA活用のリスクを理解する

IT業界のホットワードでもあり大変すばらしい自動化ツールのRPAですが、活用にはリスクがあることも理解しないといけません。RPA最大のリスクは「業務がシステムへの依存度を高める可能性がある」ということです。

業務プロセスをロボットソフトウェアによって自動化するということは、そこに人手は介在せず様々な業務がどんどんシステム依存していきます。もしも人間の管理が追い付かなくなると、RPAやシステムに障害が発生した際に業務プロセスを継続することが困難になり、業務停止という重大なリスクが具現化してしまいます。

さらに、業務プロセスを変更する際の誤動作にも注意しましょう。ビジネスにおけるITニーズは常に変化するものなので、それに応じてアドオン開発を行ったり処理方式を変更するといったことはしばしば起こります。そのとき、RPAによって走っている自動化プログラムにも変更を加えないと誤作動を起こしたり、エラーを繰り返すといった事態に陥ります。

RPA活用にはリスクもあるということを理解することで、より効果的にRPAを運用していくことができるでしょう。皆さんもこの機会に、システム運用管理におけるRPA活用を検討してみてはいかがでしょうか?

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