フラッシュメモリとは?SSDとHDDの違いを解説

 2017.09.07  ストレージチャンネル編集部

現在、多くの企業が採用を加速しているフラッシュストレージ。このフラッシュストレージを理解することは、今後の情報システムに大きな価値を与えてくれることになるでしょう。そのためにはフラッシュメモリやSSDと言ったキーワードを整理しながら、旧来から存在するHDDとの違いを理解する必要があります。今回は、「フラッシュメモリとは?SSDとHDDの違いを解説」と題した記事でフラッシュストレージの強みをご紹介します。

フラッシュメモリとは?

フラッシュメモリとは、1987年に東芝で開発された記憶媒体の一つです。「不揮発性記憶素子の半導体メモリー」といって、「セル(フラッシュメモリを記録する最小単位)」という部分に、電子をためることで情報を記録します。

フラッシュメモリのタイプは大きく分けて2つあります。

それが、SLC(シングル・レベル・セル)MLC(マルチ・レベル・セル)です。SLCはセル一つあたりに記録できる情報が1ビットであるため、記録スペースの効率があまり良くありません。一方MLCは、セル一つあたりに記録できる情報が2ビット以上あるので、効率良く大量の情報を記録することができます。

しかし、MLCはセルが劣化してしまうと、記録した情報の判別が難しくなるというデメリットがあります。対してSLCはセルが劣化しても記録した情報の判別が行いやすいので、MLCより寿命が長い傾向にあります。

近年フラッシュメモリの主流になっているのは、圧倒的にMLCです。特に低コストと高品質を追求したeMLCは、企業向け記憶装置に広く採用されています。ただし、通常のMLCを採用しても、ウェアレベリング(※)といった手法により、フラッシュメモリに寿命を延ばす方法もあります。

※使用率の高いセルのデータを、使用率の低いセルに移動し、使用率を均一化することで、書き込み寿命を延長する方法

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SSDとHDDの違いとは?

SSDもHDDも、今や一般化された記憶装置の一つです。ここで、混同されがちな2つの記憶装置について解説します。

まずSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)とは、フラッシュメモリを集積して構成された記憶装置です。HDD(ハード・ディスク・ドライブ)が内部のディスクに情報を読み書きするのに対し、SSDでは各セルに記録された情報の読み書きを行います。このため、円盤状のハードディスクが内蔵されたHDDに対し、SSDはマザーボードにチップが集積されたような構造をしています。

PCなどで利用する一般コンシューマ向け製品の観点からSSDとHDDの違いを、価格・容量・速度・安定の軸で比較すると次のようになります。

 

価格

容量

速度

安定

SSD

高価

少容量

高速

不安定

HDD

安価

大容量

遅い

安定

上記のようなことからPCを選択する際には「高速・静音」重視であればSSD、「大容量・お手頃価格」であればHDDを選定するという傾向にあります。

ストレージに関するお役立ち資料

その一方で企業向けのストレージではどうでしょうか?

多くのストレージベンダーが、次世代のストレージ環境をSSDと位置付けており企業に必要不可欠な大容量化や安定性に力を入れています。そのため最近ではGB単価がHDDと同等レベルまで引き下がっており、GBあたりの価格がHDDの5倍以上かかることもあるコンシューマ製品とは著しく異なる状況です。また、企業が求める安定性に関しても各社しのぎを削り旧来から存在するHDDと同等かそれ以上の信頼性を実現しているのです。

こちらの「フラッシュストレージとSSDの違いは」も参考にしてください。

SSDとHDD、どっちを導入すべきか?

記憶装置として主流になったSSDとHDD。企業にとって、どちらを導入すべきなのか?この悩みを抱える企業も多いでしょう。

まず、SSDを導入した場合のメリットは次の通りです。

  1. 動作が(読み書き)が速く、迅速なデータ活用ができる
  2. HDDに比べて壊れにくい
  3. SSD利用の消費電力が低い

動作が速いといのはSSD最大のメリットです。一般では、SSDの動作速度はHDDの数倍と言われています。例えばこれまで5~6時間かかっていた処理が、SSDなら1時間に短縮することも可能です。

HDDには円盤状のハードディスクと、そこに読み書きするための駆動部分が存在します。これらの部品は非常に繊細で、少しの振動で故障してしまう可能性があります。さらに、一度故障するとデータが消し飛んでしまうことが多く、復旧も困難です。

対してSSDは電子回路のみで構成されているので、駆動部品を内蔵していません。このため振動に強く壊れづらく、かつ故障してもデータ復旧ができる可能性が高いので、データ保護において強みがあります。

3つめのメリットである消費電力の低さも、注目すべきメリットの一つです。SSDは、HDDに比べて高い集積度を誇ります。そのため同じ容量を保存するためのハードウェアの大きさが異なります。つまりSSDにすることで省スペース化が可能になるのです。また、SSDには駆動部品がないので、その分消費電力が少なくなります。さらに読み書きも高速なので、作業が速くなる分消費電力が少なくなります。

では、これらSSDのメリットを踏まえ、SSDとHDDはどちらを導入する方がいいのか?

今後のストレージベンダーや市場の状況を鑑みると、SSDの導入を最初に考えるべきでしょう。前述の通りSSDには、HDDにはない大きなメリットがあります。

企業向けストレージの領域では、低価格化も進みHDDと遜色ないレベルの価格帯まで落ち着いています。

つまり、企業においてSSDを活用したフラッシュストレージは、一部のパフォーマンスを求める領域のものではなくなっており、HDDと同程度の価格でフラッシュストレージが選択できるようになっているのです。これにより処理が高速になるという直接的な効果に加えて、圧倒的に設置スペースが少ないことや消費電力、データセンターのコストを削減することも可能になるのです。

企業用途に耐えうる選定が成功の鍵

ただし、注意も必要です。

各ベンダーが提供するフラッシュストレージ製品は一様ではありません。その機能や性能はまちまちです。本当に自社のニーズにあうフラッシュストレージ製品なのかを見極めてから導入を検討するようにしましょう。

また、SSDは有効であると言っても超大容量のデータを保管する場合などは、いまだにHDDベースの安価なオブジェクトストレージが有効であったりします。

それぞれのメリット、デメリットを理解した上で最適なストレージ環境を構築するようにしましょう。

フラッシュストレージは速さだけに目を奪われると危険

企業におけるフラッシュストレージの導入は、速さだけに目を奪われると危険です。

例えばオールフラッシュストレージを導入することを想定してみましょう。「オールフラッシュストレージ」は、簡単に説明すると、フラッシュメモリを使った記憶媒体であるSSDを連結させ、フラッシュメモリのみのストレージ環境です。

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製品によっては容量が足りなくなった場合に、システムを停止してスケールアップすることしたできないものも存在します。またデータ削減テクノロジが搭載されていないために思った以上に容量を消費するものも少なくありません。

他ストレージシステムとの連携性も重要になります。従来から存在するHDDベースのストレージを活用しながらSSDを導入していく企業が一般的です。その場合、HDDやSSD間にデータを柔軟に配置できる技術が必要になります。例えばVDI 環境では、パフォーマンスとスケーラビリティが要求される仮想デスクトップ領域をフラッシュに格納し、ユーザーデータはHDDに格納するなどの柔軟な配置が必要になるでしょう。また、SSDのデータをHDDにバックアップレプリケーションしたい場合もあるでしょう。このような柔軟性や管理性が企業においては重要なのです。

以下の図はネットアップが提供するオールフラッシュストレージ NetApp AFFの管理機能の概念図になります。

オールフラッシュストレージ

オールフラッシュストレージの詳しい解説については「オールフラッシュストレージとは?」をご覧ください。

まとめ

数年前まではストレージと言えばHDDが市場を席巻していました。フラッシュストレージが産声をあげた頃には「速いけど高価」のイメージが強かったかと思います。しかし、今では低価格化や高機能化が進み企業における選択肢の一つとして注目されています。

皆さんもこれを機に、フラッシュストレージによる高性能なストレージ環境をご検討してみてはいかがでしょうか?

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