Microsoft Azure でストレージを高速化するポイント

 2021.03.01  ストレージチャンネル編集部

「Microsoft Azure」は、業務効率化に有効なさまざまな機能を備えたクラウドサービスとして、広く使用されています。しかしそのメリットを最大限に活かす方法については、まだ知らない方も多いかもしれません。本記事ではMicrosoft Azureについて、特にストレージを高速化させるためのポイントに焦点を絞り解説します。ぜひ参考にしてください。

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高速化に重要なディスクの性能

Microsoft Azure(以下:Azure)でストレージを高速化するためには、ディスクの性能が重要な役割を果たします。ディスクの性能は、「スループット」と「IOPS」の数値を目安に確認できます。このうちどちらかが低い場合、Azure使用中に「ディスクが遅い」と感じることが多くなるでしょう。

スループットとは

スループットとは、コンピューターやネットワークなどの転送速度のことです。時間内に処理できる情報量は、転送速度1秒あたりに処理可能なビット数「Kbps」「MB/s」などで表されます。ファイルをコピーするときなどに、転送中から転送終了まで画面に表示されている「転送速度」が、スループットの代表例です。この転送速度の数値が低ければ当然、転送終了までに時間がかかります。

一般に、コンピューターの処理速度を上げようとする際は、ストレージデバイス・CPU・メモリなどシステムの性能に着目することが多いかもしれません。これらに加え、ディスクの性能にも注目し、スループットを速くするよう努めてみましょう。さらに快適なAzureの使用が可能となります。

また、Azureのデータセンターからオフィスが遠い場合や、経由するルーター数が多い場合などでもスループットが低下するケースがあります。こうした経路がなるべく短くなるようネットワークを構築することも、スループット値上昇に有効です。

IOPSとは

IOPSとは「Input/output Operations Per Second」の略です。IOPSは、1秒あたりに処理可能なデータの書き込み・読み込み速度を示しています。

厳密にはIOPSの数値は、1秒間にディスクが処理できるI/Oアクセスの数を表しているため、「1/(平均アクセス時間(秒)+データ転送時間(秒)」や「1/ディスク読み出し時間(秒)」などの式で算出できます。

読み込みや書き込みの多いデータベースなどを使用している場合、ストレージのIOPSが高いほどデータへのアクセスはスムーズで、快適に作業が行えます。

性能のよいディスクは、基本的に高いIOPSを持っているので、優れた動作速度を期待できるでしょう。しかし、「平均メディア転送速度・CPUの処理時間」なども、実際にはディスクの書き込み・読み込み速度に影響を与えます。そのため、ディスク自体のIOPSが高いにもかかわらず、現実的な動作速度があまり高くないと感じるケースも少なからず生じます。

充分な性能のCPUを積んだコンピューターに、高いIOPSを実現するディスクをそろえ、かつメディア転送速度なども安定させることで、全体のパフォーマンスを向上させることが大切です。こうした環境を整えれば、大きなデータを扱うときにも高パフォーマンスを維持し、作業効率アップ・生産性向上につながります。

関連記事:ストレージの性能指標 IOPSってなに?

Azure ストレージについて

Azureストレージ自体は、独立したストレージサーバー上にあります。そしてAzureは、また別のサーバーにある仮想マシンを介して、ストレージサーバーにアクセスしています。そのためどうしても、オンプレミス環境で物理サーバーと接続しているクライアントPCと比較すると、ストレージ使用時の反応速度が劣りがちです。

4種類のストレージ機能にはそれぞれIOPSの制限が存在する

Azureストレージには、「Blob(Binary large object)」「Files」「Queue」「Table」の4種類の機能があります。

Blob(Binary large object)はオブジェクトストレージのことで、テキストや画像、音声などのデータをBlob形式で保存します。Filesはファイルストレージサービスで、それぞれのAzure仮想マシンからファイルを共有して利用できます。Queueはメッセージを格納する機能、TableはNoSQLデータベースとしての機能を有するストレージです。

注意点として、上記4機能それぞれについて、IOPSなどの制限が設定されています。Azureは世界中のユーザーが使用しているため、ストレージやリソースの使用量が一部のユーザーだけに偏ると、サーバーの運用に支障が出るケースがあります。すべてのユーザーがサーバーを快適に使えるように、仮想マシンで利用するストレージアカウントや、Blobなどに制限が設けられているのです。

こうしたストレージ制限は契約するストレージアカウントによって異なります。自社に必要なパフォーマンスをカバーしているストレージアカウントを選択すると、快適な利用が可能となるでしょう。ストレージアカウントには、お手頃な「Standardストレージ」、高パフォーマンスが期待できる「Premiumストレージ」があります。

スタンダードストレージにVHD(仮想)ファイルが40本以上ある場合は注意しましょう。仮想マシンのディスクに負荷がかかり、アクセスを制限される可能性があります。

プレミアムストレージの場合、VHDファイルのサイズだけではなく、仮想マシンのサイズに応じた制限も設けられています。ただし、仮想マシンが互いに干渉せず使用できるよう、仮想マシン1台あたりの上限は決まっているため、台数が少ないほど高速になるということはありません。

もっと読む:Azure NetApp Files(ANF)とは?その概要について解説

Microsoft Azure でストレージを高速化させるポイント

2017年からは、ストレージアカウントがなくても利用できるAzure仮想マシン専用ディスクサービス「Managed Disks」も提供されています。このサービスには豊富な契約プランがあり、各プランによりストレージ制限も異なります。

Managed Disksサービスは「Standard HDD Managed Disks」「Standard SSD Managed Disks」「Premium SSD Managed Disks」「Ultra(SSD) Disk」、という4種類のディスクプランから選択することになります。

「HDD(Hard Disk Drive)」は、内蔵磁気ディスクの回転によりデータを読み書きするストレージデバイスで、データを順番にアクセスする際の速度に優れます。一方「SSD(Solid State Drive)」はメモリーチップを内蔵しているため、データの読み書き時に内部が動くことはありません。データの読み書き処理速度、起動速度が短く、連続していないデータへのアクセスを短時間で行えます。

Managed DisksのSSDプランには上記のように、「Standard(並)・Premium(高性能)・Ultra(超高性能)」の3種類があります。特にUltraの処理時間では、ミリ秒未満の待機時間まで実現しています。

あらかじめ性能の高いディスクを選んでいれば、取り扱うデータが大きい業務も快適に実行できるでしょう。またディスクサイズについては、まずは小さなものを選び、必要が生じたら大きなものへ変更することが可能です。

既存のディスク性能をアップさせるためには、いきなりディスクの種類を変更するよりも、まずはディスクサイズをスケールアップしてみることがおすすめです。これによりストレージが高速化することも少なくはありません。それでも変化がないようなら、ディスクの種類変更を検討しましょう。

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高速ストレージを実現するANF(Azure NetApp Files)

「ANF(Azure NetApp Files)」とは、2019年5月より提供されている、Azure用クラウドストレージサービスです。

大きいファイルを大量にクラウドで扱っていると、どうしても動作が遅くなることも多いでしょう。NetAppによる業界トップレベルのさまざまな技術が活かされたANFを導入すれば、こうした高負荷な状況でも高いパフォーマンスを保てるよう、多種多様な支援が提供されます。

また、LinuxとWindowsの両OSをAzureでシームレスに利用することが可能となります。さらに、「SAP HANA」をはじめ、さまざまなデータベースや幅広いアプリケーションを、クラウド上で簡単に利用・共有できるようにすることで、業務効率化に大きく貢献します。

加えて、必要なパフォーマンスレベルに合わせてディスクサイズを選べるため、規模を問わず多くの企業へ導入できます。最高レベルのセキュリティも備えており、大切なデータベースを保管する際も安心です。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/netapp/

まとめ

Azureのストレージの利用において、ディスクの性能が快適度に大きな影響を与えます。加えて、ストレージ速度は、ストレージアカウントの種類や、Managed Disksサービスの契約プランにより異なるので、必要な速度をカバーできるプランで契約することが大切です。

またストレージ高速化には、ディスクの種類変更も有効ですが、まずはディスクのスケールアップを試してみるとよいでしょう。

より安定的にAzureを活用したい場合は、ANFをはじめ各種支援サービスもあります。そうしたサービスの導入も含め、自社の状況に合わせて、最適なAzure活用方法を検討してみてください。


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