ビッグデータ時代に求められるストレージの要件を考察

 2021.04.27  ストレージチャンネル

ビッグデータの活用は、企業経営における重要な課題のひとつです。多様化かつ高度化する顧客ニーズに対応するためには、定量的な分析に基づく経営戦略の策定が求められます。そこで重要となるのが、ビッグデータ活用の基盤となる「ストレージ」です。本記事では、ビッグデータ時代に求められるストレージの要件について考察していきます。

ビッグデータ時代に求められるストレージの要件を考察

ビッグデータの処理には大容量のストレージが求められる

近年、あらゆる産業において「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の実現が喫緊の経営課題となっています。DXとは、最先端テクノロジーの活用によって企業経営に変革を起こし、市場における競争優位性を確立することです。情報通信技術の発達によって、取り扱うデータ量は飛躍的に増大し、現代は「情報爆発時代」とも呼ばれています。このような時代背景のなか、企業が市場の競争優位性を確立するためには、ビッグデータの効率的かつ効果的な運用が不可欠です。

「ビッグデータ」とは「Volume(量) 」「Variety(種類) 」「Velocity(速度)」の3つからなる、従来の処理方法では扱えない膨大なデータ群を指します。企業経営における分析データは、自社内の業務システムから生まれるExcelやCSVファイルなど、いわゆる「構造化データ」が主な対象でした。しかし、近年の情報通信技術の発達によって、見積書や契約書のようなテキストデータ、Webサイトのアクセスデータや動画ファイルなど、多様かつ大量の「非構造化データ」が日々蓄積されています。

DX実現にはビッグデータの活用が不可欠であり、そのためには企業の情報基盤となるITインフラにも、相応の性能が求められます。とくにストレージは、企業が取り扱う膨大なデータを保管するための土台です。今後さらに増大していくであろう膨大なデータ管理を最適化するためには、ストレージ強化が重要な経営課題といえるでしょう。

ビッグデータ時代に求められるストレージの要件

ビッグデータを戦略的に活用するうえで鍵となるのが、膨大なデータを保管するストレージです。ここでは、情報が爆発的に増大するビッグデータ時代に求められる、ストレージの要件について解説します。

フラッシュストレージによる高速I/Oの実現

フラッシュストレージは極めて高性能なパフォーマンスを誇り、HDDストレージに代わる情報基盤として、さまざまな企業で導入が進んでいます。大きな特徴としては、SSDの連結によって構成されたストレージ、あるいはフラッシュメモリ技術を採用したストレージという点です。「SSD」とは、フラッシュメモリを集積し構成された記憶装置であり、HDDと比較すると処理速度や静音性に優れます。

常にヘッドの移動をともなうHDDでは、構造上I/O遅延が発生します。半導体であるフラッシュメモリには、このような動作上の無駄がなく、業界最高クラスのフラッシュストレージであれば最大100万IOPSという処理能力を実現可能です。HDDのように低価格化・大容量化は進んでいないため、導入コストの高さは懸念されるものの、省電力性に優れるためTCOの削減に寄与します。

マルチクラウドを活用したデータソースの多様化

近年、自社でサーバー機器を管理するオンプレミス環境から、ベンダーが提供するクラウド環境へとシステムを移行する企業が増加しています。なかでも注目を集めているのが、マルチクラウド環境の構築です。「マルチクラウド」とは、複数の異なるベンダーのクラウドソリューションを組み合わせて運用するシステム環境を指します。

マルチクラウド環境へと移行するメリットに「リスク分散」が挙げられます。クラウドストレージはオンプレミス環境と違い、ベンダーが提供するインターネット上のサーバーにデータを保管します。そのため、災害や事故などでシステムが破壊された場合でも、データが失われることはありません。

とはいえ、いかに信頼性の高いクラウドサービスであっても、システム障害が発生し、サービスが一時的に利用不可に陥る可能性は十分考えられます。データ管理を1つのクラウドサービスに依存せず、マルチクラウド化することによって、このようなリスクの分散が可能になるのです。

AIを活用したインテリジェントストレージ

従来のITインフラの対応能力に陰りが見えるなか、注目を集めているのがインテリジェントストレージです。「インテリジェントストレージ」とは、AIを活用することで、コンピューティングリソース課題の解決に有効な対応を自律的に行うストレージを指します。

AIのアルゴリズムがインフラに知識を直接組み込み、機械学習によってデータの利用パターンを学習させることが可能です。自律的に学習し、アプリケーションの動作やデータの移動、ハードウェアの信頼性といった複数の要素からパターンを検出します。こうした自律的な機械学習の活用によって、コンピュータのパフォーマンスにおけるボトルネック解消に貢献します。

ビジネス環境に合わせたデータ活用戦略の定義

ビッグデータを活用し、DXを実現するためには、自社のビジネス環境に合わせたデータ活用戦略の定義が求められます。ビッグデータを活用することで、無秩序なデータから、ある一定の法則性や相関関係を見出すことが可能です。それにより、定量的な分析に基づいた需要予測や消費者行動の分析、需要変動の把握、迅速な意思決定の実現に寄与します。こうしたビッグデータ分析の恩恵を享受するためには、自社のビジネス環境に合わせたデータ戦略を策定し、最適なITシステムを導入する必要があるでしょう。

さまざまな産業がIT化の恩恵によって発展する一方、市場競争性は激化の一途を辿っています。このような社会背景のなかで企業が発展していくためには、高度な情報分析に基づいた革新的な経営戦略が必要です。

従来の基幹系データベースのように、形式の決まったデータを特定の目的に沿った形でチューニングする対応方法では、ビッグデータの生成に追いつくのは困難といえます。ビッグデータを戦略的に活用するためには、人材の最適化やスキル開発、アーキテクチャ整備といった運用体制の構築が不可欠です。

まとめ

情報通信技術の発達によって、さまざまな産業が大きな発展を遂げました。しかし、テクノロジーの進歩に比例するかのように、市場の変化スピードは加速し、顧客ニーズも多様化かつ高度化しています。市場の競争性が激化の一途を辿るなか、恒常的に利益を上げられる体制を確立するためには、ビッグデータの活用が不可欠です。

膨大なデータ処理を最適化するためには、情報基盤となるストレージにも相応の性能が求めらます。高度な情報分析に基づく創造的な経営戦略を構築することで、競合他社には真似できない競争優位性の確立につながるでしょう。本記事を参考に、ぜひ自社の経営戦略にご活用ください。

CTA

RECENT POST「ハイブリッド」の最新記事


ハイブリッド

オブジェクトストレージとブロックストレージの違い

ハイブリッド

ストレージ仮想化はすでに身近に。そのメリットを確認

ハイブリッド

非構造化データとは?その管理と課題解決策

ハイブリッド

CIOが意識したいストレージのトレンドを解説

ビッグデータ時代に求められるストレージの要件を考察