ストレージとは?その種類と特徴を紹介

 2017.09.21  2022.08.03

データを保存したり、読み取ったりするための「ストレージ」。このストレージには様々な種類があり、用途によって最適な製品が異なります。企業用途のストレージ環境を最適なものにするためにも、今回はそのストレージの種類と特徴に関してご紹介します。

ストレージの種類と特徴

まずはさっそく、ストレージの種類とそれぞれの特徴を紹介します。ビジネスシーンで利用するストレージと言えば、一般的にHDD(ハード・ディスク・ドライブ)やSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)、光ディスク(CD/DVD/ブルーレイ)を指します。ただし、この他にも磁気テープやUSBフラッシュメモリなど、その種類は多岐にわたります。

ここでは、HDD、SSD、光ディスク、磁気テープ、USBフラッシュメモリ、SDカードの特徴をまとめました。

HDD(ハード・ディスク・ドライブ)

今まで企業が取り入れるデータ保存のためのストレージのうち、HDDは最も一般的なものです。大容量化が進み各ストレージの中でも最も低コストで、大容量なデータを保管する必要のある環境に最適です。

しかし、HDDは使用容量が大きくなったり、高性能なシステムと接続する場合、パフォーマンスが低下してしまうという問題があります。機械部品が多い分、耐障害性に問題があります。

SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)

SSDは記憶媒体の全てに「フラッシュメモリ」を採用したストレージです。フラッシュメモリとは「セル(記憶装置の最小単位)」に電子を溜めることでデータの読み書きを可能にするもので、HDDのような電子部品を最小限の留められます。そのため、高いパフォーマンスを発揮し、高性能なシステムと接続した場合もその性能を維持します。

ただし、年々コストは低下する傾向にあるとはいえ、HDDほど大容量化と低コスト化が進んでいないことで、導入を躊躇する企業も多いようです。

こちらの「フラッシュメモリとは?」にご参考にしてください。

光ディスク

CDやDVD、ブルーレイといったディスク型のストレージを指します。非常に軽量で持ち運びにも便利なので、重要資料を記録して持ち歩く方も多いでしょう。ただし、衝撃に非常に弱いため、扱いには注意が必要です。

磁気テープ

「時代遅れのストレージ」というイメージが強くあるものの、大容量のデータ保存に有効と、その利便性が再認識されています。磁気テープは現在、一巻あたり最大6.0TBの保存が可能で、将来的には220TBの磁気テープが登場するという実証データもあります。

ただし、リアルタイムなデータ処理が行えないということで、利用頻度の少ないデータのバックアップやアーカイブに利用する場合がほとんどです。

USBフラッシュメモリ

持ち運びに便利かつ、ある程度の容量を保存できることからビジネスシーンに欠かせないストレージです。しかし、サイズが小さい分、紛失や盗難も多いことから、セキュリティには十分気を付ける必要があります。企業によっては禁止されているケースもあります。

SDカード

ビジネスシーンではほぼ利用することはありません。ただし、社用スマートフォンなどのモバイル端末に挿入されていることがあり、その際はUSBフラッシュメモリ同様にセキュリティに注意する必要があります。

“ストレージ”について詳しくは、こちらの「ストレージとは?基礎から解説」記事でぜひご覧ください。

 
 

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企業のストレージとしてSSDが注目されつつある

現在、ストレージ市場を席巻しつつある製品がSSDです。一部の市場調査では、HDD製品が市場縮小し、SSD製品の市場がそれと対比して拡大しています。大容量かつ低コストなHDDを差し置いて、なぜSSDが注目されているのでしょうか?

パフォーマンスが高いから、結果的にコストは変わらない

SSDとHDDの、1GBあたりの価格を比較すると、SSDの価格はHDDに及びません。しかし、SSDにはその価格差を埋めてもなお余る、高性能というメリットがあります。

例えばHDDストレージ製品のIOPS(1秒あたりに処理できるインプット/アウトプットの数)は15万が最大です。一方SSDを全面に採用したストレージ製品のIOPSは数百万なので、実に十倍以上の開きがあります。

このように、HDDに比べてSSDはかなり性能が高いので、必要となるサーバ数やドライブ数もHDDより少なく、結果としてコストが変わらなかったり、コスト削減につながったります。

また設置面積が少なかったり、電気代も少ないことを考慮するとトータルでSSDを搭載したフラッシュストレージが安価になるケースもあります。

パフォーマンスチューニングが要らない

HDDストレージ製品といえば、大容量かつ低コストというメリットがあるものの、サーバなどに接続するアプリケーションの性能を維持するために、定期的なチューニングが必要です。

これに対し、SSDストレージ製品はパフォーマンスチューニングを必要としません。ストレージに接続するハードウェアやアプリケーションに関係なく、一定の高い性能を維持するため、チューニングという手間を省けます。

その結果、ストレージ運用の負担が軽減し、管理者は運用以外の業務に集中できます。

以上のような点から企業のストレージ環境にSSDを搭載したフラッシュストレージ製品が注目されています。

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「オールフラッシュストレージ」とは?

オールフラッシュストレージという製品をご存知でしょうか?これはSSDに関連するストレージ製品で、今最も注目されているストレージ製品の一つです。

オールフラッシュストレージはフラッシュメモリ技術を全面に採用したもので、その点はSSDと同じです。違いは、複数のSSDを連結させていたり、SSDよりも大規模なストレージであることです。従って、厳密に言えばSSDとは異なるストレージ製品となります。

なぜ、ここでオールフラッシュストレージについて紹介しているかというと、今後多くのストレージ環境が、従来のHDDストレージ製品からオールフラッシュストレージに代替されるという見解が広く知られているためです。

HDDストレージ製品は確かに大容量で低コストという特徴により、これまで企業のITシステムを支えてきました。しかし、機械部品が多いという特徴などから、性能には限界があり、これからのビジネス社会を生き抜くための高性能なITシステム環境の足を引っ張ってしまう可能性があります。

このため、さまざまなシーンにおいてオールフラッシュストレージが代替していきます。

フラッシュメモリを採用しているため、HDDストレージ製品ほど大容量化・低コスト化は進んでいません。しかし、その差は縮小傾向にあるだけでなく、その高いパフォーマンスから、企業のITシステム環境のレベルを向上し、先述のように結果としてコスト削減になることもあります。

ですので今後ストレージ環境について考えることがある際は、ぜひオールフラッシュストレージを検討してみてください。

社会の情報流通量が増加するのに伴い、企業が保有する情報量も劇的に増え、必要なストレージ数も段々と多くなっていくかと思います。そのとき、ストレージ環境として何を採用するかでシステムパフォーマンスが左右されるので、これを機に自社のストレージ環境について熟考してみてください。

まとめ

社会の情報流通量が増加するのに伴い、企業が保有する情報量も劇的に増え、必要なストレージ数も段々と多くなっていくかと思います。そのとき、ストレージ環境として何を採用するかでシステムパフォーマンスが左右されるので、これを機に自社のストレージ環境について熟考してみてください。

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Spot by NetAppが提供する、Dimensional Researchによる本レポートは、従業員500人以上の企業に勤務するクラウド インフラ関係者を対象に実施したオンライン アンケートの結果に基づいています。

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