データパイプラインを最適化してデータ分析を効率化! ポイントを解説

 2022.04.15  2022.04.18

データ分析に積極的な企業であるほど、その作業にかかる時間と手間の大きさを強く意識しているのではないでしょうか。業務効率化のためにも有用なデータ分析ですが、この作業自体が非効率に陥っている企業も多いようです。そこで本記事では、「データパイプライン」という概念に注目して、データ分析を効率化する方法を解説します。

データ分析のカギであるデータパイプラインとは

データパイプラインとは、簡単に言うと、データの収集から統合、分析に至るまでの一連のプロセスを一元化する構想のことです。

企業が生み出す膨大なデータは、ビジネス価値を引き出すために分析する必要があります。そして、データ分析を効果的に行うためには、基本的にデータは豊富であればあるほど望ましいので、部門横断的にデータを収集・分析できる体制を整えることが重要です。

しかし、企業によっては、部門ごとに情報ソースや使用システムなどが異なっており、データがサイロ化してしまっていることが多々あります。そうした場合、それぞれの場所に散らばったデータを収集・統合して分析するためには、煩雑な手間と長い時間を要してしまい、分析作業全体が非効率になってしまうのです。

そこで必要になるのが、多種多様なソースに点在したデータを統合・分析のプロセスへと一元的に繋ぐデータパイプラインです。データパイプラインは、企業内のサイロ化したデータを統合し、それらのデータを使用可能な状態に変えて分析現場へ迅速に供給します。従来のデータ分析では、このデータの収集・統合のプロセスに多くの手作業を要していましたが、データパイプラインはそのプロセスを最適化し、異種ソースからのデータを一箇所に集めて分析することを可能にします。これによって企業は効率的かつ迅速にデータ分析を行うとともに、信頼性の高いデータ品質を一貫して確保できるのです。

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データパイプラインが必要になった背景

続いては、上記のようなデータパイプラインが必要になった背景を、現在の社会情勢も踏まえつつ解説します。

企業のデジタル化が急速に普及した

デーパイプラインの重要性がにわかに注目を集めているのは、まず企業のデジタル化が急速に普及した影響が大きくあります。デジタル化、DX、ITモダナイゼーション等々、スローガンは様々ですが、現在のビジネス社会においては、AIIoTなどの最新技術を用いてビッグデータを活用する取り組みが急速に広がっています。この流れは、新型コロナウイルスのパンデミックによって加速しました。

コロナ禍においては感染拡大防止の観点から、対面での接触を避けることが推奨されるため、企業はテレワークによる在宅勤務を導入したり、これまで対面で提供していたサービスをオンラインデジタルで提供できるようにしたりと、急速なIT変革をする必要に迫られました。

こうしたWithコロナ時代が到来してからある程度の時間が経過した今、そこで形成された新しい生活様式・ビジネス様式は既に社会に浸透しつつあり、この先ポストコロナ時代が訪れたとしても、完全にそれらが元の状態に戻ることはないと言われています。このようにコロナ禍において、企業のデジタル化が様々な領域で普及したことにより、そこで扱われるデータ量も増加し、情報資産としての価値が改めて見直されることになりました。

様々な環境で保有するデータを利活用できていない

上記のように、事業活動の様々な領域でデジタル化に取り組む中で多くの企業が直面したのが、それぞれの領域で収集・保存されてデータをいざ活用しようとしても上手くできないという事態です。

縦割りで構成された日本の企業組織においては、IT運用に際してもオンプレミス・クラウドの選択を含め、各部門がそれぞれ異なるプラットフォームを使っていることが多くあります。そのため、企業全体としては膨大なデータを保有していても、実際には部門ごとにデータが分断されていますう。データ分析に際してどこに必要なデータがあるのか、それすらも把握できない事態が生じてしまっているのです。

そこで注目されたのが、そのように様々な場所に散在したデータを一本化してデータ分析に繋げるデータパイプラインです。

データの処理速度の高速化が求められている

データの処理速度の高速化が求められていることもデータパイプラインが注目を集めている理由です。先のように分散化されたデータを手作業で収集し、統合し、分析にかけるまでには膨大な時間と労力、コストがかかります。

ビジネスにおけるデータ活用を進めれば進めるほど、この非効率性は企業に重い負担となって圧し掛かります。特に昨今は従来と比較して顧客ニーズの変動が速くなっている上、コロナ禍などの不透明な情勢もあって、企業には迅速な対応スピードが求められています。

いくら正確なデータ分析をしても、そのあいだにビジネスチャンスが去っていたのでは意味がありません。このため、データ分析にはタイムリーであることが必須条件であり、そのための手段として、データ分析開始前までのデータ処理を効率化・高速化するデータパイプラインが必要とされるのです。

データパイプライン構想化のポイント

では、データパイプラインを実際に構築するためにはどのような取り組みが重要になるのでしょうか。以下では、データパイプラインの構想化に当たって必要なポイントを解説します。

目的を明確化する

ポイントその1は、データパイプライン、ひいては効率的なデータ分析基盤を構築する目的を明確にすることです。データ分析と一口に言っても、その用途は部門ごと・担当者ごとに多岐に渡ります。そのため、データ分析基盤を真に効率化するためには、それらのユースケースを把握・反映し、マルチに使えるデータ活用を目指すことが大切です。

仮説を洗い出し収集データを採択する

ポイントその2は、データ分析に必要な情報を精査し、適切な情報を取捨選択できるシステムを設計することです。先述したように、データ分析においてデータ量の豊富さは非常に重要ですが、それは一定の品質を確保した場合に限られます。データ分析の精度を上げるためには、ノイズとなるデータは事前に除去されなければなりません。データパイプラインを構築する際には、必要データだけを適切に抽出できるように設計することが大切です。

ワークフロー管理を行う

ポイント3は、データ分析に伴うワークフローの管理を適切に行うことです。ここまで述べてきたように、データ分析においてはデータの収集および統合という、分析前の事前準備に膨大な手間がかかります。データ分析作業を迅速かつ効率的に行うためには、データパイプラインにおける一連の定型業務を自動化ないしは効率化し、ワークフローを最適化することが重要です。

データパイプラインの最適化なら「NetApp」

ここまで解説してきたように、現代の多くの企業にとって、様々な場所に散らばってしまった膨大な経営データを適切に整備することが大きな課題になっています。そして、それらのデータを高速かつ柔軟に処理できるデータ分析基盤を構築するためには、データパイプラインを整備し、データの流れを最適化することが必要です。

効果的なデータパイプラインの構築に際しては、「NetApp ONTAP AI」の活用をおすすめします。NetApp ONTAP AIは、AIの機械学習(ディープラーニング)を活用して、データパイプラインの簡易化・拡張・統合を可能にするソリューションです。NetApp ONTAP AIを活用することで、企業はデータ分析基盤を効率的に構築し、自社の情報資産の価値を最大化できます。

まとめ

データパイプラインとは、企業内の様々な場所に点在したデータを収集・統合するプロセスを一元化し、データ分析作業を効率化する仕組みを意味します。データパイプラインを整備することで、企業は従来よりも迅速かつ効率的にデータ分析を行い、データ資産価値の最大化や、ビジネスフローの迅速化を実現できます。データパイプラインの整備を進める際には、「NetApp ONTAP AI」の活用がおすすめです。

NetApp ONTAP AIを導入し、AIのディープラーニングの力を借りることで、データパイプラインの簡易化・拡張・統合を効率的に行い、データ分析に伴うワークフローを最適化できます。

導入事例:伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)株式会社様

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