企業で扱うデータを効率的に管理でき、データ活用の範囲が広がるデータストレージを導入する企業が増加しています。データストレージをより効率的に管理するには、組織内で用いるデータを一元管理できるデータファブリックの活用が欠かせません。この記事では、データストレージの概要や種類別のメリット・デメリット、そしてデータストレージの管理を効率化するデータファブリックの概念を解説します。
データストレージとは
データストレージとは、効率的にデータを保管する領域のことです。データストレージを用いることで、データの種類に応じて適切に保管できます。
データストレージの種類、メリット・デメリット
データストレージには、いくつかの種類が存在します。種類ごとの特徴を理解して、自社の用途に沿ったデータストレージを活用しましょう。
クラウドストレージ
インターネット上にデータを保管するため、物理的な機器にデータを保管する必要がありません。ただし、業者が提供するストレージの用途に沿って使用する形となり、社内独自のルールを必ずしも反映できるわけではない点に注意が必要です。
クラウドストレージのユーザーインターフェースは、ドラッグ&ドロップだけでデータを保管できるなど、操作性は良いといえます。
ネットワークストレージ
企業内のネットワークにデータを保管し、自社で管理する形です。社内独自のルールを反映できる一方で、外部業者に頼らず自社で運用する必要があります。
たとえば、企業外からのアクセスを一切禁止でき、セキュリティ対策に優れたデータ管理が可能となりますが、データの管理者が必要となるため、手間や人件費は増えるでしょう。
ファイルストレージ
ディレクトリ・ファイルの階層構造でデータを保管します。階層構造で管理することにより、上位のディレクトリから紐づいた形で、整合性のあるデータ管理が実現可能です。
ディレクトリ名とファイル名を関連性のある名前にすれば、見た目にも理解しやすい構成になります。
オブジェクトストレージ
階層構造を持たず、データをオブジェクトとして保管します。オブジェクト内のデータ構成を把握した上での利用が推奨されますが、オブジェクトストレージを可視化できるサービスも存在します。
オブジェクトとしてデータを保管することにより、容量制限なく利用できるため、大量のデータを保管する場合には有用でしょう。
ブロックストレージ
データをパーティションに分けて任意のブロック単位で保管し、ブロックアクセスにより高速でデータへアクセスします。
オペレーティングシステムとしてWindowsを使用する場合に、ハードディスクのCドライブやDドライブの中にデータを保管することがありますが、これらがブロックストレージの代表例です。容量を増設する際、ハードディスク自体の増設が必要になると、高額なコストがかかる場合もあります。
各データストレージのメリット・デメリット
各データストレージのメリット・デメリットをまとめました。自社の目的と照らし合わせて、適切なデータストレージを選択してください。
データストレージの種類 | メリット | デメリット |
クラウドストレージ | どこからでもアクセスできる | 外部のサービスに依存する |
ネットワークストレージ | 外部のサービスに依存しない | 企業外からアクセスできない |
ファイルストレージ | データがファイルパス形式で階層化されている | ディレクトリごとに容量制限がある |
オブジェクトストレージ | 容量制限がない | データが階層化されていない |
ブロックストレージ | 任意のまとまりでデータを保管できる | コストが高価になる場合もある |
例えば、データにどこからでもアクセスできるようにし、ファイルパス形式で使用する場合は、クラウドストレージ及びファイルストレージに対応したデータストレージを選択してください。
データストレージの管理を効率化する「データファブリック」とは
データストレージは、データファブリックを用いることで、さらに活用の幅が広がります。ここでは、データファブリックによって実現可能なことを紹介します。
データの一元管理
組織内で用いるデータが一元管理されていないと、せっかくの貴重なデータを適切に運用することができません。
データファブリックは、データストレージで管理するデータに加えて、オンプレミスで管理するデータも一元管理できます。これにより、統一的なデータの運用が実現可能となり、データの信用性も高まります。
データの最適化
データをアウトプット・インプットする際に、最適な状態で出し入れができないと、ストレスを感じやすくなり、業務のパフォーマンスが低下するおそれがあります。
データファブリックは、利用頻度の高いデータと利用頻度の低いデータを振り分け、常にデータを最適な状態で利用できるようにします。
必要なデータに素早くアクセスできる
データファブリックはデータを単調に保管するだけではなく、分析管理ができるため、状況に応じたデータを素早く取得できます。必要なデータにスピーディにアクセスできれば、業務全体の効率化につながるでしょう。また、データを検索するためにかかる時間やコストの削減も見込めます。
タイムリーなデータを取得できる
ビジネスにおいては、マーケティングや商品開発など、リアルタイムに市場のニーズを把握したい場面があります。そのような場面でも、タイムリーなデータを取得できるデータファブリックが役立ちます。絶え間なく変化する市場ニーズに応えていくことが可能となるでしょう。
データガバナンスの実現
データを一元管理できるデータファブリックの実現は、データガバナンスの実現と直結します。
データガバナンスとは、データを活用する場面において、適切に管理・運用するためにデータを統制することです。データガバナンスの実現により、組織全体が高いレベルのセキュリティや情報モラルを持って業務に臨めるようになります。
データストレージの今後
今後も発展が予想される情報化社会のなかで、ビッグデータと呼ばれるマーケティングにおいて重要なデータも増加すると考えられます。
データストレージは、ビッグデータの保管にも適しているため、今後ますますデータストレージの需要は増えるでしょう。それに伴い、データファブリックの重要性も高まるはずです。
まとめ
データストレージとデータファブリックついて解説してきました。データを効率的に保管する方法がイメージできたのではないでしょうか。目的に合うデータストレージとデータファブリックを導入して、コスト削減や業務効率化を目指しましょう。
NetAppソリューションは、データストレージの管理を効率化できるデータファブリックを含んでいます。データが最大限の効果を発揮できるように、ぜひNetAppソリューションの活用を検討してみてください。
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