AWSが提供するストレージの種類と特徴を解説

 2021.06.02  ストレージチャンネル

近年、クラウド市場は急速に拡大しつつあり、多くの企業がシステム環境をクラウド型へと移行しています。数あるクラウドサービスのなかでも圧倒的なシェアを誇るのが、Amazonが提供している「AWS」です。本記事ではAWSが提供するストレージの種類や特徴について解説します。

AWSが提供するストレージの種類と特徴を解説

AWSとは

AWSとは「Amazon Web Services」の頭文字をとった略称で、Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスの総称です。クラウドコンピューティングサービスとは、サーバーやストレージといったITインフラや、AIやIoTなど運用基盤となるITプラットフォームをクラウド上で利用できるサービスを指します。「Microsoft Azure」や「Google Cloud」とともに世界3大クラウドサービスと呼ばれており、なかでもAWSはクラウドプロバイダーとしてシェア1位の座を維持しています。

AWSは100を超えるクラウドコンピューティングサービスを提供しているのが大きな特徴です。たとえば、ストレージサービスや仮想サーバー、データベースやデベロッパーツール、データ分析基盤やAIの機械学習基盤など、幅広い分野のサービスを提供しています。こうした豊富なサービスを世界最高レベルのセキュリティ水準と、世界規模のグローバルインフラストラクチャのもとで運用できるのがAWSの大きなメリットです。

近年、クラウドファーストが加速しており、システム環境をオンプレミス型からクラウド型へと移行する企業が増加傾向にあります。クラウド型はオンプレミス型のように物理サーバーが必要ないため、導入・運用コストの大幅な削減が可能です。また、サーバー機器やネットワーク機器を設置する管理施設も不要で、情報システム管理部門の業務負担の軽減や人件費削減にも寄与します。このような背景から、自社のシステム環境のクラウド移行を契機として、AWSを導入する企業が増加しているのです。

(参照:Synergy Research Group

AWSのストレージとは

情報通信技術の発達に伴い、企業が生み出すデータ量は指数関数的に増大しています。そんななかで企業が市場における競争優位性を確立するためには、経営データの戦略的活用が不可欠です。そこで重要となるのが、さまざまな経営データを管理し、IT環境の基盤となるストレージです。

AWSでは、クラウド上にデータ保存する「クラウドファイルストレージ」、ファイルデータの共有アクセス機能を備えた「クラウドファイルシステム」、ファイルへの同時アクセスと共有ファイルのアクセス制限管理を設定できる「クラウドファイル共有」などの機能を有する複数のクラウドストレージサービスを提供しています。

AWSストレージサービスの種類

AWSのクラウドストレージは複数のソリューションが提供されています。その中から自社に適したプランを選択する必要があります。ストレージは基本的に「オブジェクトストレージ」「ファイルストレージ」「ブロックストレージ」という3つのアーキテクチャから成り立っており、AWSのストレージサービスも例外ではありません。3つのアーキテクチャはそれぞれに一長一短があるため、自社の事業形態やシステム環境に合わせた選択が必要です。ここからは、AWSのストレージサービスについて具体的に解説します。

オブジェクトストレージ

オブジェクトストレージとは、データをオブジェクト単位で読み書きするタイプのストレージを指します。ディレクトリ形式ではなくフラット形式でデータが保存されるため、大容量データの保存に適しています。ただし、階層構造を持たないため、ファイルストレージやブロックストレージと比較するとデータの検索性にやや劣ります。

AWSでは最も一般的なプランである「Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)」がオブジェクトストレージに該当します。Amazon S3は膨大なデータの保管場所として最適であり、利用状況に応じてスケールアップ・ダウンが可能という点が大きなメリットです。容量無制限かつ従量課金制なので、自社の企業規模や事業形態に合わせて運用できます。

ファイルストレージ

ファイルストレージは、フォルダやディレクトリといった形式で階層的にデータが保存されるのが特徴です。多くの人にとって最も馴染みの深いストレージ方式といえるでしょう。ファイルストレージはオブジェクトストレージと違い、データが階層的に整理されているため、大容量データの保存には不向きです。しかし、反対に小中規模のデータ管理を行う場合は優れた検索性能を発揮します。

AWSではファイルストレージを提供するサービスとして「Amazon Elastic File System(Amazon EFS)」「Amazon FSx for Windows」「Amazon FSx for Lustre」の3つが挙げられます。これらは完全マネージドサービスなので、OSのインストールや複雑なデプロイ、基盤メンテナンスなどが不要という点が大きなメリットです。容量無制限で利用でき、Amazon S3よりも高速なアクセス性能を誇ります。

ブロックストレージ

ブロックストレージとは、記録領域をボリューム単位で分割し、さらにその内部を独立したブロックとして切り出してデータを保存するストレージ形式です。ボリュームとブロックには固有のアドレスが設定され、ユーザーの要求に合わせてリソースの確保と統合が実行されます。こうした特徴を持つことから、オブジェクトストレージやファイルストレージよりも高速なアクセスが可能です。

AWSでは「Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)」がブロックストレージとして提供されています。Amazon EBSは、細やかな制御を行うことができるため、高いパフォーマンスを求められるアプリケーションの開発やテスト環境に向いています。注意点としては、あらかじめストレージ容量を設定する必要がある点です。必要に応じてスケールアップすることも可能ですが、上限があります。

AWSを利用するメリット

世界にはMicrosoftやGoogle、IBMなど数多くのクラウドベンダーが存在しています。その中でもAmazonのAWSは、クラウドサービスにおける市場シェア世界1位を誇るソリューションです。AWSが圧倒的な支持を得ている理由として挙げられるのが、柔軟かつ多様なサービス形態です。100種類以上の豊富なサービスから自社に適したものを選択でき、必要に応じてストレージやサーバーの容量を柔軟に変更できます。

また、使った分だけ課金される重量課金制で、なおかつ値下げも定期的に行われるなど、コスト面で優れるのも多くの企業に選ばれる理由でしょう。世界のセキュリティ機関によって認証された、堅牢な情報管理システムも大きな魅力です。AWSを導入することでDXを実現し、新たな市場価値の創出へと至る一助となるでしょう。

まとめ

テクノロジーの進化に伴い、さまざまな産業が飛躍的な発展を遂げました。しかし、それと同時に市場競争性は激化の一途を辿っており、発展していく企業と淘汰されていく企業の二極化が進んでいます。このような時代のなかで企業が存続し続けるためには、優れたITソリューションの活用が不可欠です。そして、デジタル技術の活用によって新たな市場価値を創出し、発展と成長を通して社会に貢献することこそが企業の存在意義といえるでしょう。

ITソリューションや経営データを戦略的に活用するためには、優れたITインフラが欠かせません。AWSは安定したパフォーマンスと柔軟かつ多様な拡張性、そして堅牢なセキュリティによってITインフラを最適化します。AWSは大手企業でも導入が進んでおり、そのシェアは今後さらに増加していくと予測されます。デジタル技術の活用によるDXを実現するためにも、AWSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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