BCPとは?その策定ステップをポイントで紹介

 2019.08.09  ストレージチャンネル編集部

BCPとは、Business Continuity Planの略であり、日本語では事業継続計画という意味です。企業が自然災害、火災、テロ攻撃など予期せぬ緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能にするための方法や手段を取り決めておく計画を指します。

たとえば、皆さんの会社では以下のような状況に遭遇した際に、通常通り業務を継続できるでしょうか?

  • 大規模地震の発生により、あなたの会社の事務所にあるパソコン等の機器類の多くが机から落ちたり、あなたの会社の工場にある重要な生産設備が転倒したりして、使用できなくなった
  • 火災の発生により、あなたの会社建屋をはじめとして、事務所にある各種の書類やパソコン等の機器類、あなたの会社の工場にある重要な生産設備等が焼失して、使用できなくなった
  • インフルエンザや新型感染症の大流行により、あなたの会社の従業員の大半が、1週間以上出社できなくなった

大抵の場合は、これらの状況に対して事前準備が何もなければ、事業継続が非常に困難になることが予想されます。特に中小企業ではこのような原因により、廃業や倒産に直結する可能性が高いことから、突発的に発生する緊急事態に対し、平常時から準備を怠らないことが大切です。

本稿ではそんなBCPに対してより詳しく説明し、策定までのステップをご紹介します。

bcp

BCPを理解するための6ポイント

最初に、BCPに対してより詳しく理解していただくために、BCPを理解するためのポイントをご紹介します。

BCPは非常事態を想定した経営管理手法

ビジネスにおいて非常事態が起こるリスクというのは、決して低いものではありません。特に日本では大地震発生の可能性が至るところで示唆されており、どの企業にもリスクは等しくあると言ってもいいでしょう。BCPとは言わば、こうした非常事態時に事業にとっての被害を最小限に留めるため、リスクを想定し回避するための対策を取る経営管理手法です。

災害対策だけがBCPではない

自然災害が多いためか国内では「BCP=地震対策」といったイメージが強く定着してしまっています。しかしそれだけではなく、飲食業における鳥インフルエンザや狂牛病などの家畜伝染病が蔓延した場合の事業ストップや、製造業におけるサプライヤーの倒産による原材料や部品の供給不足など、さまざまな事象がリスクとして存在します。

BCPと防災の違い

防災対策とは人命や財産の保護を考えたものであり、BCPとは防災対策を含めあくまで"事業継続”を目的として管理手法です。従って防災対策を取っていると安心している企業でも、事業継続という観点からBCPを策定していく必要があります。

BCP策定を義務付ける法律はない

BCP策定には法的義務はありません。しかし、中小企業庁やその他の政府機関からはBCP策定のためのガイドラインが提供されています。義務はないが策定しておくのが基本なのがBCPです。

ストレージに関するお役立ち資料

ステークホルダーからの信用向上に繋がる

BCPには将来的なリスク回避だけでなく、顧客企業や株主等のステークホルダーからより多くの信用を得られるメリットがあります。

BCPを構成する3つの計画

BCPは以下3つの計画で事業復旧を考えます。

初動対応計画

何らかの脅威に遭遇した際に、可能な限り素早く仮復旧へ繋げるための事前準備です。被害状況の確認、情報収集、緊急連絡網、対策本部世知などの対応を実行します。

仮復旧計画

初動対応が完了した後に、ITベンダーからの代替設備やバックアップシステムの立ち上げ、暫定的なサプライヤー変更などをお指します。本復旧に先駆けて仮復旧を行うことで、被害を最小限にとどめながら事業を始動していきます。

本復旧計画

仮復旧後、安定的な対応から恒久的な対応へとシフトしていきます。緊急性は低いためマニュアル作成は不要ですが、計画順序を作成しておくとスムーズに進みます。

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BCP策定のステップ

それでは、BCPの具体的な策定ステップをご紹介します。

基本方針の作成

A) 自社のBCP基本方針を決める

BCPを策定することや、運用を行う目的などを明確にするのが基本方針です。緊急時においても事業を継続できるように準備し、顧客からの信用、従業員の雇用、地域経済の活力守ることが大切です。

B) 想定する緊急事態を絞り込む

想定するあらゆる自然災害や脅威をリストアップしたうえで、発生時の自社への影響度や発生する可能性などを考えて、自社のBCPが対象とする災害・事故を絞り込みます。

C) 社内でのBCP推進体制を決める


BCPはほとんどの部門に関係するため、プロジェクトチームを編成して進める場合が多いでしょう。プロジェクトチームの書く作業を調整するた目に事務局を設置する場合も多いです。

中核事業・復旧優先事業の選定

緊急事態が発生している状況下において、優先的に復旧すべき重要事業を選定していきます。その際に、「会社の売上に最も貢献している事業」や「作業延滞が会社に及ぼす影響や損害が最も大きい事業」、さらに「市場シェアや会社の評判を維持するのに重要な事業」などを判断基準に考えます。さらに、人・モノ・金・サービス・情報などの要素から事業継続に欠かせない経営資源を選び出します。

重要な業務を到底する

緊急事態が発生している状況下において、事業がどのような影響を受けるかを試算します。そのうえで、組織の活動を復旧の優先順位に応じて分類し、従業な業務を特定しましょう。これはビジネスインパクト分析と呼ばれます。

具体的には複数の視点(売上、利益、信用、雇用、コンプライアンス、復旧コスト)から影響を予測したうえで、RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)を考慮しつつ、中断するインパクトが大きく、かつ短時間で復旧する必要性が高い活動を明確にします。

事前対策の検討

A) 事業継続のための代替策を検討する

中核事業の継続に必要な資源が、被災等で利用できなくなった場合のために臨時従業員や資金、情報のバックアップなど資源の代替を確保する手段を検討します。

B) 事前対策と検討及び実施する

これまでの分析で得られた結果から、目標時間内に事業を復旧できるようにするための事前対策を検討します。施設の耐震化や従業員の緊急連絡網など、ハード面・ソフト面の両方から行います。

BCPの策定

A) BCP発動基準を明確にする

中核事業に甚大な影響を与える可能性のある災害と、その規模にもとづいて発動基準を定めます。

B) BCP発動時の体制を明確にする

緊急事態発生時、事業継続において必要となる情報を事前に整理し、帳票フォーマットに記入することでBCPの文書化を実施します。大きく分けて「BCP発動フロー」と「事業継続に必要な各種情報の帳票類」を作成しましょう。

C) BCPを継続的に行う

BCPは1度策定したらそれで終わりではありません。企業の状況に応じて、最新の情報や状態に維持しておく必要があります。定期的にチェックし、改善点を洗い出して常に最新のBCPを保ちましょう。

以上がBCP策定のステップです。

これを参考に、まずは自社独自のBCPを簡単に作成してみてはいかがでしょうか。

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