コールドデータとは?コールドストレージの種類を解説

 2022.05.16  2022.05.17

コールドデータという言葉をご存じでしょうか。コールドデータとは、使用頻度は低いが、長期的に保存する必要があるデータのことです。

企業が扱うデータ量が増えるなかで、コールドデータも増加傾向にあり、データ管理にかかるコストの増加やデータ保存容量の不足が問題となっています。この問題を解決するために注目されているのがコールドストレージです。使用しないデータを切り離して別のメディアに保存することで、データ管理コストを削減できます。本記事では、コールドデータの概要と管理方法、コールドストレージの種類について解説します。

コールドデータとは

データ増加の問題を解決するためには、データを使用頻度で分類し、それぞれに合った管理をすることが重要です。企業で扱うデータが増え続ける状況において、コールドデータの管理に注目が集まっています。

以下では、コールドデータの概要や、コールドデータのアーカイブが必要な理由について解説します。

コールドデータの概要

コールドデータとは、使用頻度が低く、データの編集は行わないが、長期的な保存が必要なデータのことです。契約書のように、法律で一定期間の保存が義務付けられている書類が含まれます。普段業務に使わない古い案件に関するデータが、日常的に使うストレージに保存されたままであると、ストレージを圧迫し、容量不足を招くおそれがあります。

コールドデータとホットデータの違い

コールドデータとホットデータは、データを使用頻度で分類したものです。コールドデータは、使用頻度が低く、あまり使われていないデータであるのに対して、ホットデータはアクセス頻度が高く、よく使われるデータのことを指します。

コールドデータとホットデータの特徴について、具体例とともに説明します。

コールドデータ

  • ほとんど読み書きされないため、迅速性は求められない
  • 法令で定められた一定期間保存が必要な書類(税関連、株主総会議事録、研究データなど)
  • 過去の契約書や契約時のやりとりの記録
  • 事件があった際に使われる監視カメラの映像、入退館記録

ホットデータ

  • 頻繁に使用されるため、保存に掛かる時間が短く、レスポンスの速さが重要
  • 店舗や拠点毎の売上状況や、顧客の注文と返品データ
  • 倉庫内の在庫数、商品の陳列データ
  • 天気、交通に基づいたリアルタイムデータ

扱うデータが増えるなかで効率よく業務を行うためには、使用頻度によって、保存しているデータを分類することが必要です。

アーカイブとバックアップの違い

アーカイブとバックアップは、どちらもデータを保存するという意味ですが、保存の考え方が異なります。

アーカイブの目的は、データを長期的に保存することです。毎日アクセスするデータではないため、データを切り離してメディアに保存されており、基本的に上書きは行われません。

アーカイブは、コールドデータの保存に利用されます。日常的にデータの更新を行わないため、データを切り離し、アーカイブとして保存することに適しています。

バックアップの目的は、データの破損が発生したときに、元のデータに復旧することです。バックアップでは、稼働しているデータを複製して、メディアに保存します。

バックアップは、ホットデータの保存に利用されています。日常的に業務で使用しているファイルは、日々データが更新されていくため、定期的に差分を上書きするバックアップで全データを保存する必要があります。

コールドデータのアーカイブが必要な理由

アクセス頻度の低いコールドデータを、ホットデータと同様にバックアップすると、バックアップにかかる時間や、ストレージ容量が増加してしまいます。
使用頻度の低いコールドデータを切り離して、アーカイブすることで、バックアップにかかる時間や、ストレージコストを削減できます。

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コールドストレージとは

企業でのデータ増加問題を解決する方法として注目されているのが、コールドストレージです。
以下では、コールドストレージの概要と、種類について解説します。

コールドストレージの概要

コールドストレージとは、長期間使用しないデータを保存するストレージのことです。コールドストレージを利用するメリットは、データの管理コストを抑えられることや、データ保存容量の不足を解消できることです。

アクセス頻度の多いデータは、ある程度のストレージ速度が求められます。しかし、コールドデータはアクセス頻度が低いため、ストレージの速度が遅くても問題はありません。そのため、速度の低いストレージを使用することで、コストを削減できます。

また、データの保存を低コストの媒体に移すことで、データ保存容量不足の解消にも繋がります。

コールドストレージの種類

コールドストレージとして利用できる、代表的な5つの媒体について説明します。

テープ

テープの特徴は、大容量かつ容量当たりのコストが低いことです。保管時に電源が不要なため、運用コストが抑えられます。また、オフラインでデータを保管できるため、ネットワーク上の攻撃に強いことも特徴です。テープは技術の進歩により、大容量化が進んでおり、コールドストレージ用のメディアとして期待されています。

光ディスク

光ディスクの特徴は、光や熱・湿度による影響を受けにくく、経年変化に強いこと、データの改ざんや消去ができないことです。テープと同様にオフラインでの保管が可能で、ネットワーク上の攻撃にも強く、保管時に電源が不要なため、運用コストが抑えられます。一般的なメディアは30年、長期保存用の光ディスクは100年以上データを保存できます。読み出し環境が入手できなくなることは、当面ないと言われているメディアです。

磁気ディスク(HDD)

磁気ディスクの特徴は、高速かつ大容量であることです。磁気ディスクは、技術の進歩により、大容量化が進んでいます。一方で、経年劣化により故障が発生する消耗品であり、水や静電気に弱く、故障時の復元が難しいのも特徴です。近年では、記録密度が高く、容量の高いSMR方式のHDDも出てきています。SMR方式のHDDは、読み書きの性能が低いため、頻繁に書き換えが発生しないデータの保存に向いています。

半導体メモリ(SSD)

半導体メモリの特徴は、読み書きの速度が速く、サイズが小さく軽いことです。ただし、大容量になると容量単価が高くなることから、コールドストレージとしての使用はまだ一般的ではありません。現在、研究開発が進められており、今後はデータ容量単価が下がる可能性があります。将来的には、コールドストレージでの利用も期待されるメディアです。

オンラインストレージ

データの保管場所が災害にあうと、データが損失するおそれがあります。これを解決するのがオンラインストレージです。コールドデータ向けのオンラインストレージは、容量が大きく、コストが安い点が特徴です。応答時間や転送速度を下げることで、低価格を実現しています。

まとめ

近年では、企業が扱うデータが増え、データの保存・活用が課題となっています。データ増加を解決するには、データを利用頻度の高いデータと、利用頻度の低いデータに分け、それぞれに適した管理をすることが効果的です。利用頻度の低いデータをコールドストレージに保存すれば、コスト削減やデータ保存容量の不足を解消できます。

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