「データを有効活用できていない」「データ管理のコストが大きい」と悩んでいる方は、データマネジメント、あるいはストレージの見直しが必要かもしれません。この記事でデータマネジメントの方法や、問題解決のために有効なクラウドストレージについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
データ管理に欠かせないデータマネジメント
企業は、単にデータを保有するだけでなく、これをビジネス上で利用していくために「データマネジメント」を行うことが大切です。
まずはデータマネジメントとは何か、活用する方法やメリットについて以下で理解していきましょう。
データマネジメントとは
多くの企業が、社員や顧客のデータ、製品データ、その他販売データなど、多種多様なデータを扱います。このようなデータをただ保有するだけでなく、自社で活かせるよう管理することを「データマネジメント」と呼びます。
データマネジメントを通して、新規に獲得したデータを「登録」し、古い内容は「更新」、蓄積したデータを「活用」することが主な管理内容です。
例えば、業務に必要なデータを安全かつ効率的に利用できるような体制を整備することは、データマネジメントの一種といえます。他にも、データを蓄積するためのシステム構築および維持、データに関する責任所在の確立などがデータマネジメントにあたります。
データマネジメントを行うメリット
データマネジメントによって得られるメリットは多岐にわたります。
管理体制が整うことで必要なデータにアクセスしやすくなれば、業務効率の改善やパフォーマンスの向上に期待できます。
また、経営においてはデータ分析に基づいた適切な意思決定を行えます。多くのデータを活用することで統計的に自社の課題を導き出すことができ、その解決にも役立てられます。顧客の客層に応じた戦略など、分析を通じてより具体的な計画の策定につながります。
データマネジメントの目的として、セキュリティ対策の強化も重要です。データが流出すれば市場競争力を損なうだけでなく、個人情報が漏洩する例では事件的に世間から注目を集めて大きく信頼を落とすなど、ずさんな管理には高いリスクが伴います。こういったネガティブな影響を受けないためにもデータを適切に管理・運用する必要があります。
データマネジメントの方法
業種や規模など、企業ごとにデータマネジメントに適した手法は異なります。データを扱う目的にあった管理を行うことが大切です。
活用までの基本的な流れとしては以下の通りです。
1:目的・目標の明確化
まずは「どのような目標を達成したいのか」「何を目的とするのか」といったことを明確にします。
目標・目的が定かでなければ、必要なデータが足りない、無駄が多く利用しにくいなどといった問題の原因となります。
例えば、業務におけるデータ参照の効率化を目指すのか客層の分析に活かすのか、同じデータを扱う場合でも収集・整理の内容や活用の手法などに違いがあります。
2:データ収集・整理
目的に沿って必要なデータの収集と整理を行います。
社名や数値の全角・半角など、表記ゆれによって重複するデータが発生しやすいので、整理時に確認が必要です。
データを取捨選択し、正確な内容に整理するとともに必要なときに素早くデータを引き出せるようデータベースを構築していきます。
3:社内環境の構築・周知
データを活用しやすい環境の整備を行います。必要なときに迅速かつ簡便にアクセスしやすいことに加え、新たなデータの入力・更新などの維持方法についても自社にあったシステムを定めましょう。
新たな社内環境が構築できたら、社員が積極的に業務へ活用できるよう周知していきます。この際、データの取扱い方針について取り決めておき、同時に伝達します。データの内容ごとに社員が閲覧・利用できる範囲を限定するなどし、データの機密性やセキュリティ上の安全を確保しましょう。
4:ビジネスへの活用
構築した環境をビジネスに活用します。目的の業務効率化や、データ分析から策定した戦略がどの程度の効果を発揮しているかをよく見極め、環境・システムを改善していくこともデータマネジメントに含まれます。目的や方針に沿って適切かつ安全に利用されているか、併せて評価しましょう。
クラウドストレージを利用して適切なデータマネジメントを
データマネジメントのために、一からシステムなどの環境を構築するのは、相応の知識とリソースを要します。クラウドストレージは初期費用や管理の手間を省きつつ、機能面にも優れています。
以下で、その種類や利用するメリットを解説していきます。
クラウドストレージとは
「ストレージ」とは、データを保存するための記憶装置を指します。従来は、データマネジメントのために自社でシステムを構築する必要があり、データサーバーの用意や社内端末への接続など、環境を整えるまでに大きな手間とコストが発生していました。
これに対し「クラウドストレージ」はインターネットを介して他社が提供するストレージや機能を利用するサービスです。サービスとして提供されているものを使えば、システムの整備や維持にかかる手間を削減できるなど、データマネジメントに役立ちます。
さらに、インターネットを通じて遠地や外出先でのデータ共有が可能になり、より柔軟にデータの保存や受け渡しが行えるようになります。
クラウドストレージの種類
クラウドストレージは「ファイルストレージ」「オブジェクトストレージ」「ブロックストレージ」の3つに大別できます。
多くの人になじみ深い形式が「ファイルストレージ」であり、フォルダによって階層構造でファイルが保管されます。各ファイルにはファイル名や作成日、更新日といった最低限のメタデータが付与され、小規模のデータの取扱いで簡潔な整理に役立ちます。
一方で階層化されている都合上、扱うデータの容量が大きくなるほど処理に必要なリソースが大きくなるため、大規模なデータの管理には不向きです。この形式で提供されているサービスは格納できるデータの総量に制限があることがほとんどです。
これに対し、「オブジェクトストレージ」は階層構造を取らず、フラットなスペースにオブジェクトデータが配置されます。オブジェクトそれぞれに任意のメタデータを設定でき、メタデータでグループ化できるなど、膨大なデータを扱う際にも検索性が高いのが特徴です。
またデータの総量で処理リソースを左右しないため拡張性が高く、クラウドシステムの多くがこの形式で提供されています。
「ブロックストレージ」は、データを細分化したブロックごとに分けて保管する形式です。各ブロックには固有のIDが付与され、複数の物理ストレージにまたがって保管されます。要求された際にはIDからブロックを組み立てて復元し、データを返します。
ブロックストレージはデータ取得に複数のパスを指定できるため、高効率で迅速に呼び出せる特徴を持ちます。一方でストレージの利用コストが高く、メタデータの付与も行えません。
クラウドストレージを利用するメリット
クラウドストレージを利用することで得られる主なメリットとしては、「管理・手間の削減」「情報共有が進む」といったことが挙げられます。
クラウド利用でもランニングコストは発生しますが、基本的に自社システムの構築にかかる初期投資や管理・維持の人的リソースなどは削減できる傾向です。
また自社システムと異なり、常に最新の機能に更新される点や、ストレージが不足する状況でも追加料金で迅速に解決可能な点がメリットです。
さらにインターネット環境さえあればどこからでもシステムにアクセスして情報共有ができ、リモートワークの導入など、場所を選ばない業務遂行につなげられます。
システム保安上の問題として、自社システムでは定期的なバックアップを取る必要がある一方で、クラウドではサービスとしてこれを行うシステムが組まれているので、バックアップを用意する必要がありません。また、バックアップを含むデータを自社内のみで保管していると、火災や倒壊などを伴う災害時にすべてを失うリスクがありますが、クラウドストレージで外部にも保管していれば、リスクの低下が見込めます。
データマネジメントにクラウドストレージを利用するなら「NetApp」
データマネジメントにクラウドストレージを活用するなら「NetApp」がおすすめです。
NetAppはデータソリューションのエキスパートです。最大の価値は、クラウドはもちろんオンプレミスも含めた複数のデータ環境にまたがるハイブリッドクラウド環境においても、ストレージを一元管理でき、ひいては企業全体のデータマネジメントが可能となる点です。他社と比較しても優れた管理性、データ保護を有しているため、業務効率の向上が期待できます。大手企業からの信頼も厚く、実際に、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなど世界的に著名なクラウドプロバイダもソリューション提供のパートナーとしてNetAppを選んでいます。
まとめ
業務効率化や経営戦略の策定など、自社データの活用はさまざまなメリットを持ちます。データを活用するために管理を行うデータマネジメントは、明確な目的を持ってデータを収集・管理し、活用しやすい環境を整えることが大切です。ストレージの選択の際には、導入コストが安く、機能性にも優れるクラウドストレージの活用も選択肢の一つです。ただ、その際にはオンプレミス環境含む複数の環境下に分散するストレージを統合管理できることは、データマネジメントとしてとても大切なことです。大手企業との豊富な取引実績を持つ「NetApp」は、複数のストレージ環境を統合管理でき、安心して導入することができるでしょう。
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