いまさら聞けないファイルサーバーとは?【初心者向け】NASとの違いも解説

 2018.03.07  2022.09.15

ファイルサーバーとは「ファイル管理としての役割を与えられたサーバー」です。そのため、パソコンに専用ソフトウェアをインストールして、ファイル管理として活用すればそれはファイルサーバーと言えなくもありません。つまり、ファイルサーバーは特定のハードウェアを指す言葉ではない、ということです。
ファイルサーバーは用途や仕組みによって種類が分かれており、目的に応じて使い分けができます。
また、ファイルサーバーと似たものとしてNASがあります。NASとファイルサーバーの違いを理解し、用途を明確にした上で、導入する際には適切なものを選ぶことが重要です。

ファイルサーバーとは?

ファイルサーバーはLAN接続でデータをやり取りするのが一般的です。

LANとは「ローカルエリアネットワーク」の略であり、日本語に置き換えると社内ネットワークや内部ネットワークになります。簡単に言えば「社内など内部だけで使えるネットワーク」のことです。

まだLANが普及する以前の職場環境では、パソコン利用者同士でデータをやり取りしたければ、フロッピーディスクにデータを保存して手渡ししたり、プリンタを使用したければ機器に接続されたパソコンにフロッピーディスクを挿し込んで使用するのが一般的でした。

現在から考えればかなり不便な環境です。これがLANの登場によって一変して、記憶媒体を使用せずともネットワークを介してデータのやり取りが行える、便利な職場環境に変化しました。

ファイルサーバーはそうしたLANの中で「ファイル管理のための場所」として活用されます。

近年はスマートフォンの普及に伴って一個人が保有するデータ量が増大したことから、端末だけでのデータ管理が難しくなっています。さらに、従業員同士でファイルのやり取りをメールで行うのも生産性が低下するため、解決すべき問題です。

そこでファイルサーバーはファイル管理場所として、組織全体にファイルの保存と共有のスペースを与えます。

同じネットワークに接続しているパソコンから、ファイルサーバーは端末に備わったファイル保管スペースのように扱え、大量のデータを保存することも従業員同士でファイルをやり取りすることも容易です。

関連記事:ファイルサーバー統合における必要なポイント

いまさら聞けないファイルサーバーとは?【初心者向け】NASとの違いも解説

ファイルサーバーの種類

ファイルサーバーは、機能、用途、ファイル管理の仕組みなどによって種類が異なります。社内ネットワークのみで使用する場合や、全国の拠点間でファイルを共有する場合など、目的や使用範囲などを考慮して、適切なファイルサーバーを選ぶことが大切です。

社内共有用ファイルサーバー

社内で使用するドキュメントやファイルなどを保存・管理・共有するには、オンプレミス環境でファイルサーバーを設置するのが適しています。また、Windows Server、Windows Storage Serverのフォルダー共有機能といった、Windowsにもとから搭載されている機能を使用して対応することも可能です。

使用範囲が社内のみであるため、社内に設置したサーバーを使って簡単に導入できるのがメリットです。しかし、導入が簡単であることで安易に数を増やしてしまうと、複数のファイルサーバーが乱立して管理が煩雑になる恐れがあります。

また、ファイル管理に特化していないサーバーはセキュリティ性が低く、情報漏えいやウイルス感染のリスクもあります。

そのため、あらかじめファイルサーバーの目的や数を決める、ウイルス対策ソフトを導入してセキュリティ性を高めるといった対策が必要です。

クラウド型ファイルサーバー

クラウド型ファイルサーバーは、クラウド上にファイルを保存し管理・共有できるファイルサーバーです。各クラウドサービスからさまざまなサービスが提供されており、予算・用途・特徴などから自社に最適なものを選べます。

クラウド型ファイルサーバーであれば、ファイルサーバーを物理的に設置しないため、設置場所の確保や、新たに機材を購入する必要もありません。また、クラウド事業者が運用・メンテナンスを行うため、自社で管理する手間が省けます。
クラウド型ファイルサーバーは導入費用や人的資源を節約できるため、低予算で導入したい場合におすすめです。

また、クラウド型はインターネット接続できる端末があればデータをやり取りできるので、取引先や顧客とファイルを共有したり、データを更新したりするのに適しています。

なお、クラウドサービスの多くは利用に際して月額・年額で料金が発生し、容量が大きなファイルを扱う場合などでは利用料が高くなる傾向です。そのため長期間利用していると、運用上コストの総額がオンプレミスよりも高くなる可能性があります。事前に利用状況を想定し、コストがサービスの内容に見合うものか、シミュレーションすることが重要です。

ファイルサーバーを導入するメリット

ファイルサーバーを導入すると、ファイルにアクセスできる人を管理できる、保存するデータ容量を拡張しやすくなる、ファイルを簡単に共有できるなどのメリットがあります。ファイル管理を簡単で便利にすることで、業務効率の向上に期待できます。

権限設定によるユーザー管理がしやすい

ファイルサーバーを導入すれば、アクセス権限を設定してユーザーごとにファイルへのアクセスを制限できます。決められたグループごとに閲覧・編集・コピーなどを許可・拒否するといった、細かい設定も可能です。

これにより、機密性の高いファイルや個人情報などは特定の部署や役職のみが使用できるよう設定できます。また、ファイル共有の際に特定の人が閲覧可能でも、編集は自身のみで行いたい場合などでも、ユーザー管理によって円滑に業務が行えるようになります。

適切にアクセス権限を設定することで、仮にファイルの共有URLなどを誤送信してしまっても、権限を持たない人にはファイルを開けません。

柔軟に容量や機能が拡張できる

ファイルサーバーを自社で構築すれば、保存容量を手軽に増設でき、セキュリティ管理が一括で行えるため容易です。社内で使うファイルの容量や用途によって柔軟にカスタマイズできるため、長期的に大きなメリットを持ちます。

なお、ファイルの保存・共有にはUSBメモリや外付けHDDなども使用可能です。しかしファイルの容量が増えるごとに物理的に数を増やす必要があり、データ管理が煩雑化していきます。

クラウド型ファイルサーバーは提供者が管理を行うため、サービス内容によって容量や通信速度、スペックなどが決められています。そのため、カスタマイズの範囲は提供者の想定できる範囲内に留まり、自社構築と比較すると自由度はやや低くなります。

容易にファイル共有ができる

ファイルサーバー上にファイルを保存することで、簡単・安全にファイルを共有できます。共有のためにUSBメモリなどを持ち出す必要がなく、データを更新するたびに最新のものをメール送信しなおす手間がありません。

USBメモリなどを介したファイルの共有は、単純に手間がかかるだけでなく、紛失すれば機密情報や個人情報の漏えいに繋がります。アクセス権限を設定できるファイルサーバーで慎重に行いましょう。
なお、ファイルサーバーであっても、セキュリティが万全とは言い切れません。第三者による不正アクセスなどの被害を受ける恐れがあるため、認証設定やウイルス対策ソフトの導入など適切なセキュリティ管理が必要です。

ファイルサーバーの問題

LANが登場し、ファイルサーバーが一般化したことで職場環境は一変し、ファイル管理や共有のための負担は大きく下がりました。しかし、それと同時に発生した問題がLANやファイルサーバーの運用管理問題です。

PCサーバーを利用したファイルサーバーは、誰でも購入しやすく、すぐに設置できるという観点から乱立しがちです。多くの企業では、部門に数台あったり、支社や支店など地理的に分散していたりしていることでしょう。これらの課題は、分散されていることによる運用の煩雑さにあります。

LANやファイルサーバーが常に最新の状態を保つためには、定期的に更新プログラムを適用させ、ストレージ容量の監視やデータバックアップなどを頻繁に行わなければなりません。時にはハードウェアの故障やOSアップデートにも対応する必要があります。

また、ネットワーク接続されたデバイスから誰でもアクセスできる利点がある反面、情報漏洩などのセキュリティも心配です。そのため、管理者はアクセスコントロールを正しく行う必要があります。

管理者にとってこれらの運用管理は大きな負担であり、エンドユーザーの利便性が高まった反面、管理者への負担が重くのしかかります。これらが分散されている環境においては、ますます管理が複雑になると予想されます。

「ファイルサーバーをクラウドに移行しよう」と考える企業は多いです。インターネット上のファイルサーバーをサービスとして利用するクラウドなら、運用管理は最低限で済むため管理者の負担を軽減できます。

しかし、前述の通り利用環境やデータ容量によって料金が変動するクラウドでは、かえってコストが高くなる危険性があります。また、機密情報をクラウドに保存するのに、安全性が確保されているかどうかも心配です。さらに、インターネット接続ではLAN接続に比べてパフォーマンスが低下するため、生産性が低下する恐れもあります。

そこでファイルサーバーの代替として、NASを検討する企業が増えています。

関連記事:ファイルサーバー移行の目的と失敗しない方法とは?

関連記事:Windows ファイルサーバーの特徴と問題点

NASとは

NASは「ネットワークアタッチドストレージ」の略称です。つまりネットワークに接続されたストレージのことであり、多くの企業のファイルサーバーとして活用されています。

NetAppでもNAS製品を提供していますが、一般的には次のような機能が提供されています。

  • ファイル共有:エクスプローラーだけでなくWebDAVやWebブラウザ経由でのアクセスをサポート
  • RAID構成:ディスクが故障してもデータを紛失しない、故障時に予備ディスクを自動的に切り替える
  • ホットスワップ:電源をオンにしたままディスクを交換できる
  • 耐障害性:停電時の自動シャットダウンや自動起動など
  • バージョン管理:ファイルの改訂履歴を管理、以前のバージョンに戻せる
  • アクセス管理:ユーザーごとにアクセス権限を設定する
  • バックアップ:ほかのNAS製品やオンラインストレージへのバックアップ
  • データ同期:NAS製品同士でのデータ同期
  • VPN接続:VPN経由での安全な接続

これらはあくまで一部の機能であり、他にもオンラインストレージ連動やマルチメディアサポートなど、多数の機能を搭載しているNAS製品が登場しています。管理画面もファイルサーバーと同等かそれに近しいものがあるため、NAS製品をファイルサーバーの代替として用いる企業があるのもうなずけます。

関連記事:NASとファイルサーバーの比較:それぞれのメリットと違いとは?

NASを導入するメリット

NASは、ファイルサーバーと同様にデータ共有できる点をはじめ、さまざまなデバイスからアクセスできるといったメリットがあります。

複数のパソコンでデータ共有できる

NASを利用することで、ネットワークで繋がっている複数のパソコン間でデータを共有できます。社内ネットワークや家庭用ネットワークなどを利用すれば、必要なデータを物理的な手渡しなどに頼ることなく共有できます。

ファイルをUSBメモリに移したり、データを印刷したりして手渡すよりも、紛失のリスクがなくコストをかけずに共有できるため、安全かつ経済的です。また、接続するパソコンが増えたり保存容量が少なくなったりした場合も、HDDを増設することで容量を増やせます。

さまざまなデバイスからアクセスできる

NASはパソコン以外でも、ネットワークで繋がっているスマートフォンやタブレットといったさまざまな端末からアクセスできます。そのため、スマートフォンやタブレットに保存した写真や動画を簡単に保管して共有できます。

また、スマートフォンやタブレットの容量が不足した場合にも、NASにファイルを移動すれば端末の保存容量を確保できるというメリットもあります。データを一時的に保存し、あとから削除や編集をするといったデータ整理にも便利です。

バックアップ先として活用できる

NASはバックアップ先としても優れています。NASはクラウド型ファイルサーバーとは異なり、外部ネットワークとは接続されていません。そのため、不正アクセスなどの外部からの攻撃によるデータの消失・盗難のリスクが低く、高いセキュリティ性を持ちます。

また、データの複製を保存するRAID機能を導入すれば、データの消失リスクを低減できます。例えば、RAID1とRAID2が常に同じデータを保持するようにしておくことで、RAID1が故障してもRAID2には最新のデータが残ります。物理的な破損・故障のリスクを分散することで、大切なデータを守ることができます。

NASとファイルサーバーの違いは?

NASはファイルサーバーと同様に、アクセス権限の設定機能や複数人でファイルを共有する、容量を増設するなどが可能です。

一方で、NASとファイルサーバーではコストや機能性に違いがあり、それぞれに優れている点や苦手とする点があります。

まず、導入や運用にかかる費用は、ファイルサーバーよりもNASの方が安価です。NASはネットワークに繋がっている外付けHDDのようなものであり、比較的、導入の初期費用が安い傾向にあります。また、ファイル共有のためのソフトウェアをインストールする必要がなく、機器を設置し、簡単なネットワーク設定のみで使用開始できます。

一方、ファイルサーバーはオンプレミス環境でシステムを構築する必要があり、設置場所の確保や機器の導入費用に加えて運用・保守のための人的コストがかかります。また、ファイル共有のためのソフトウェアをインストールする必要があり、ソフトウェアの購入やライセンスのためのコストもかかります。

なお、クラウド型ファイルサーバーは機器を設置する必要がなく、導入費用はNASよりもさらに安価です。一方で運用や保守は提供元が行うため手間はかからないものの、基本的にNASのほうが安いコストで維持できます。

機能の追加やセキュリティの向上といった拡張性に関しては、ファイルサーバーが優れています。前述の通り、ファイルサーバーは新たに機能を追加したい・セキュリティを強化したいといった場合にも柔軟に対応できます。一方、NASはあらかじめ用意された機能では利用できる範囲が決まっており、機能の拡張や追加は難しい場合があります。

ファイル共有・アクセス制限・バックアップなどの機能については両者に大きな違いはありません。NASとファイルサーバーどちらを採用するかは、利用目的を明確にして比較することが大切です。

例えば、業務で使用するデータを保存・共有する場合は、導入コストが低く外部ネットワークとは繋がらないNASが適しています。一方、機密情報・個人情報といった重要なデータを保存・管理する場合には、セキュリティ性を高められるファイルサーバーが適しています。

関連記事:NASとファイルサーバーの比較:それぞれのメリットと違いとは?

ファイルサーバーをNASに置き換える際の注意点

上記のように、NASはファイルサーバーよりも導入・運用コストを抑えられ、シンプルな機能で使いやすいというメリットがあります。ファイルサーバーのように管理が複雑でない分、管理者の負担を軽減でき、さらに従来のような使い心地を実現できます。

ただし、ファイルサーバーをNASに置き換える際にはいくつか注意が必要です。

ひとつはストレージの柔軟性です。ファイルサーバー以上の機能を提供するNASでも、ファイルサーバーの柔軟性にはまだ及びません。特にストレージの拡張においては、製品選定次第で苦手とするNAS製品もあるため、あらかじめ組織全体で使用するデータ量を把握・予測して、それに応じたNASを導入する必要があります。いわゆるサイジングに苦慮するケースが多いでしょう。

もうひとつの注意点はセキュリティです。アクセス権限の設定などで一定のセキュリティは確保できるものの、やはりセキュリティシステムの適用によって体制を強化しなければ、外部からの脅威によって情報漏えいが起きてしまう可能性があります。それはファイルサーバーも同様ではありますが、既存のファイルサーバーに適用しているセキュリティシステムがNASにも適用できるとは限りません。

適用できない場合、新たなセキュリティの強化を検討する必要があり、対応のためにコストがかかる可能性があります。

NetAppが提供するNASの特徴

ネットアップのNASソリューションは、ユニファイド アーキテクチャにより、ノンストップ オペレーション、実証済みの効率性、シームレスな拡張性を提供します。

ネットアップのNASは、SMB(CIFS)を標準サポートするためWindowsファイルサーバーの統合が可能であることに加えて、Active Directoryなどの既存の認証サービスに接続できます。そのため既存の企業環境とシームレスに連携しながらアクセス制御を実現します。

以下はNetAppのNASの特徴です。

  • ストレージ効率を改善し、コストを40%削減
  • 管理上のオーバーヘッドを最大60%削減
  • 統合、使用率の向上、ダウンタイムの削減を実現
  • データ ストレージとインフラの管理を簡易化
  • Windows、Linux、UNIX環境間でファイルを共有

また、NetAppのFlexGroupという機能を利用すればパフォーマンスと容量を同時に兼ね備えた大容量NASコンテナを利用可能です。

FlexGroupにより、単一のデータ コンテナをシングルネームスペースで最大20ペタバイト(PB)、4,000億ファイルまで拡張できるため、大規模環境であってもシンプルな管理を低コストで実現します。また、パフォーマンス面においては、NetApp ONTAPが自動的にReads/ Writes I/O処理を均等に分散することに加えて、CIFS/NFSオペレーションのパラレル処理が可能になるため、多くのワークロードで最高のパフォーマンスを実現します。

詳細はNetApp総合カタログをご確認ください。

関連記事:Windows ファイルサーバー と NetAppとの違い、それぞれの項目で比較

ファイルサーバーの問題はNASで解決

いま現在、ファイルサーバーでの運用管理に問題を抱える企業では、NASでのファイル管理をぜひご検討ください。NASにも前述した注意点はありますが、それはわずかな対応でカバーできる範囲です。もちろんNetAppであれば問題ありません。

それでもファイルサーバーをNASに置き換えた際の費用対効果が上回る場合が多いため、快適なビジネス環境の実現に期待できます。

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