ストレージの機能 スナップショットとは?その用途や特徴、バックアップとの違いを解説

 2019.06.10  ストレージチャンネル編集部

企業にとってデータの重要性が増す中、それに伴いストレージの重要性も大きく増しています。そして、企業が大量かつ多様性に富んだデータを高速に処理するためには、ストレージの性能が高いことはもちろん、様々なテクノロジーによって高速処理を支えなければいけません。そんなストレージはデータを高速に処理すること以外にもある役割を担っています。それが「データの可用性を確保すること」です。可用性(Availability)とは、データが「使える」「有用である」という意味であり、転じてデータが如何に保護するのかを意味します。

ストレージのデータ可用性を確保するために欠かせない機能が、本稿のテーマでもある「スナップショット」です。耳にしたことはあるけれど意味までは知らない、でも人にはなかなか聞けない「スナップショット」について解説していきます。

スナップショットとは、「瞬間」を切り取ったもの

データ可用性を確保するためにはRAID構成にするなどストレージ冗長化する方法もありますが、ほとんどの場合、ストレージのバックアップが必要です。バックアップとは、ストレージ内にあるデータのコピーを作り、万が一ストレージ内のデータが破損した際にコピーを使ってシステムやファイルを復元するためのものです。スナップショットはいわば、こうしたバックアップの一種です。

バックアップは一般的に、バックアップソフトウェアを用いてデータをコピーします。この方法は、数年前までは難なく機能していましたが、ストレージに蓄積するデータ量はここ数年で劇的に増加しており、それに加えて24時間稼働し続けなければならないサーバーが増えています。

従って、バックアップが時間通りに完了しない、バックアップ処理がサーバーに負荷をかけてサービスに影響が出る、バックアップのための時間がなかなか取れないといった問題が発生します。

そのためバックアップの技術も年々高度化してきていますが、そこでバックアップの一手法として注目を浴びている技術がスナップショットです。

スナップショットはデータを丸々コピーするのではなく、その瞬間のイメージを作成して、そのイメージを保存します。「イメージ」というのは、あくまで「その瞬間のデータのコピー」を作成したものです。つまりスナップショットを使用すると、ストレージサーバーに保存されているデータの「瞬間」を切り取ってコピーを作成・保存し、システム障害等が起こった際に活用される重要な存在なのです。

スナップショットのメリットとは?

読者の方の中には、Windowsパソコンで「システムの復元」という機能を使ったことがある方も多いかと思います。これは、Windowsに標準搭載されているバックアップ機能であり、スナップショットを活用しています。

パソコンに障害が発生したりウイルスに感染したりすると、「復元ポイント」と呼ばれる時点までパソコンのデータを復旧できる機能です。この「復元ポイント」がストレージにおけるスナップショットに似ています。

詳しい仕組みについては、スナップショットのメリットと共に解説していきます。

1.間違ってファイルを削除しても元に戻せる

ビジネスにとって重要なファイルを削除してしまった場合、何らかの方法でバックアップを取っていないとそのファイルは永遠に失われてしまいます。そうしたリスクを回避するためにバックアップを実施するわけですが、前述のように現代ビジネスでは保存すべきデータ量が非常に多く、通常のバックアップでは問題が発生します。

それに対してスナップショットは、ストレージサーバーのある「瞬間」を切り取ったものです。実は、スナップショットには元データが含まれておらず、あくまで「瞬間」を切り取ったものなので、通常のバックアップのような問題は発生せず、間違ってファイルを削除しても元の状態に戻すことができます。

2.ストレージサーバーがウイルスに感染しても元に戻せる

スナップショットの優れているところは、万が一ストレージサーバーがウイルスに感染したり、何らかのシステム障害によって復旧が困難になった際にもシステムを元の状態に戻せる点です。スナップショットで切り取った「瞬間」にシステムを戻すことで、それまで発生していたウイルス感染やシステム障害を無かったことのようにできます。

3.通常のバックアップに比べて作成時間が短い

スナップショットは通常のバックアップに比べてデータのコピーが非常に高速です。従って素早くバックアップを作成することができます。

4.必要な保存容量は元データの1~2割程度で済む

前述のようにスナップショットはある「瞬間」のイメージを作成するものです。これは元データのフルコピーを意味するため、一見して元データと同じ保存容量を必要とするように思えますが、実際は元データの1~2割程度の保存容量しかありません。そのため、通常のバックアップと比較して使用する保存領域が小さく、システムパフォーマンスに影響を与えることがありません。

5.スナップショット取得状況が分かる

スナップショットは管理者の設定によって、定期的・自動的にイメージを作成することができます。その中でスナップショット取得状況を把握できるため、より戦略的なバックアップを行うことが可能でしょう。

スナップショットにもデメリットはあるのか?

もちろん、スナップショットにもデメリットはあります。それは「元データが破損すると復旧が不可能になる」ということです。スナップショットは、実は元データを丸ごとコピーしているわけではありません。分かりやすく言えば、スナップショットを取得した「瞬間」のシステム状態(メタデータ)を記録しているだけです。

たとえば様々な色で作られた積み木で、お城を立てるとしましょう。50%ほど作成した段階で、その積み木のお城を、あらゆる角度から写真に納めます。その後もお城を作りつづけて、80%程完成したあたりで「設計と違っていた」という問題が発覚しました。そこで、先に撮っておいた写真をもとに、50%の段階までお城を直します。この「写真」がスナップショットそのものです。

では、もしも写真の積み木のどれか1つでも破損していたらどうでしょうか?スナップショットとして取った写真の状態にお城を戻すことはもはや不可能です。つまりスナップショットはバックアップの一種として、素早くバックアップを作成できるというメリットがありますが、元データが破損している場合には復旧は不可能ということです。

NetAppのスナップショット

スナップショットは、ストレージおよびデータ管理領域において広く普及している技術の1つであることはお分りいただけたでしょう。そして、ディスク故障など致命的なストレージ障害などに備えるものではなく、誤って重要なデータを失ってしまったり、データの構成に不整合が発生したりといった場合に、適切な状態に戻すための技術がスナップショットです。

このスナップショットは、各ストレージベンダーより同じような説明がなされていても各社実装方法はまちまちです。

ちなみにNetAppの場合をご紹介します。NetApp製品では、「WAFL(Write Anywhere File Layout)」という独自のファイルシステムを採用しています。そして、当然ではありますが、NetAppが提供するスナップショット技術はデータをまるごとコピーするわけではありません。NetAppでは、ディスクにデータを保存する際には、データ本体に加え、データの格納場所や長さ(容量)、所有者など、データに関する情報を含んだメタデータ(inode)も記録されます。このWAFLにおけるスナップショットでは、データ本体をコピーするのではなくその瞬間のinodeマップ(メタデータの一覧)をコピーするというわけです。inodeマップのデータ容量は小さいうえ、inodeマップがあれば、データ本体を保存しなくても、どこにどのようなデータが保存されていたのかを記録しておくことができるのです。

スナップショットを上手く活用しよう!

スナップショットはデメリットもあるものの、やはり優れたバックアップ手法の1つです。従って、多くの企業にとって昨今のデータ可用性を確認するために欠かせない機能となります。もちろんスナップショット以外にも有用なバックアップ手法は存在し、それらと組み合わせることでデータ可用性を高められます。ぜひ、スナップショットを上手く組み合わせて、データ可用性を確保しましょう。

ネットアップ ストレージ システムズ&ソフトウェア

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