なぜ企業はOffice 365やSalesforceのバックアップが必要なのか?

 2020.03.30  2022.01.26

「クラウドだからバックアップ不要!」といったうたい文句につられて、あるいは「クラウドなんだから、事業者がバックアップを取ってるでしょう?」という考えで、間違った認識のもとクラウド利用に踏み切っている企業が少なくありません。

果たして何が間違った認識なのか?本記事では、企業がOffice 365やSalesforceなどのクラウドを利用してもバックアップが必要な理由をご紹介します。

なぜ企業はOffice 365やSalesforce、Boxのバックアップが必要なのか?

「クラウドならデータは安全」という誤解

クラウドとは、提供事業者が運用しているシステムをインターネット経由で利用できるサービスです。Office 365ならグループウェアとして組織に欠かせないコミュニケーション基盤をネット上に用意できます。Salesforceは営業活動効率化に欠かせないSFAの機能を提供しています。

これらクラウドを利用した際に生まれる重要データはどこに保存されるのでしょうか?それは、提供事業者が運用するシステム上に蓄積されます。では、有事の際に備えてデータの可用性はどのように維持されているのでしょうか?

クラウドによっては、定期的にバックアップを取得したり分散管理によって可用性を維持しているケースがあります。しかし、そうしたクラウドばかりではありませんし、可用性維持に努めているクラウドとて100%安全とは言えません。

また、企業ユーザーが適切な操作をしていながら人為的なミスで重要ファイルを削除してしまうこともあります。

そのためクラウドを利用すればデータはいつでも安全だと考えるのは誤解ということになります。

もっと見る:Microsoft 365などのSaaS環境でもバックアップが必要?その意味とは

SAP HANA向けバックアップとリカバリ
「新たな日常」時代におけるデータセキュリティの考え方

クラウドのサービス規約をしっかり確認しよう

次に、クラウド利用者としてはクラウドのサービス規約をしっかりと確認しておく必要があります。多くのクラウドは、提供事業者として負いかねないデータ消失リスクを回避するために、利用者に対してバックアップを取得する義務を課す規定が、クラウドの利用規約に多く見受けられます。例えば、マイクロソフトではOffice 365の以下のような利用規約があり、Salesforceはバックアップについて次のように言及しています。

Microsoft Office 365利用規約

マイクロソフトは、本サービスの稼動状態を維持するよう取り組んでいますが、すべてのオンラインサービスには中断および停止が時折発生します。マイクロソフトは、結果としてお客様に生じることがある中断または損失について一切責任を負いません。停止が発生した場合、お客様は、保存しているお客様のコンテンツまたは本データの取得ができなくなることがあります。本サービスに保存しているお客様のコンテンツおよび本データは、定期的にバックアップするか、第三者のアプリおよびサービスを使用して保存することをお勧めします。

引用:Microsoft サービス規約

Salesforceのバックバックアップ

Salesforce では災害復旧の目的でお客様のデータのコピーを保持していますが、お客様が総合的なデータ管理およびセキュリティモデルの一環としてデータのバックアップおよび回復戦略を立てておくことが重要です。Salesforce データ回復サービスはコストも時間もかかるプロセスのため、他のデータコピーが利用できないときの最終手段としてのみ使用するようにします。

引用:ベストプラクティス: データのバックアップおよび回復のベストプラクティス

バックアップの規約例

さらに、経済産業省 商務情報政策局が策定したクラウドセキュリティガイドライン

活用ガイドブックによると、利用者側のバックアップについて以下のように示しています。

“利用者は、利用者データについては、本サービスの提供にあたり用いられている当社の設備の故障その他の理由による消失に備え、バックアップを取っておくなど、自らの責任と費用で必要な措置をとるものとします。“

“本条は、クラウドサービスを利用するにあたり、利用者データのバックアップについては、利用者の責任と費用で行うべきことを定めた規定です。もっとも、仮にこのような規定が設けられていない場合であっても、クラウドサービスにおいて利用者データが消失した場面において、利用者がデータ消失に供えてバックアップを取得していないことは、利用者側の過失として考慮され(過失相殺)、利用者にとって不利に解される可能性があります。“

このように、経済産業省のクラウドセキュリティガイドラインにおいても、クラウド利用時には利用者のバックアップが重要だと指摘しています。

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クラウド利用環境に適切なバックアップとは?

それでは、クラウド利用環境において適切なバックアップとは何でしょうか?それは一般的なバックアップソフトウェアを導入するのではなく、クラウド利用環境に特化したバックアップサービスを利用することです。そして、NetAppが提供するSaaS Backupソリューションがそれを可能にします。

SaaS Backup for Office 365

SaaS Backup for Office 365は、Microsoft Office 365のミッションクリティカルなデータを損失から守る、デジタルネイティブの安全なバックアップソリューションです。使いやすいインターフェイスでExchange Online、SharePoint Online、OneDrive for Business、グループ、チームのデータを自動的に保護します。軟なストレージターゲット、バックアップ用の制限なしのデータ保持を活用し、データの完全な制御を実現し、きめ細かいリカバリやシングル クリック復元などの機能で、必要なときにデータに簡単にアクセスできるようになります。

SaaS Backup for Salesforce

SFA/CRMとして運用されるSalesforceには決して損失してはならない重要データが保管されています。SaaS Backup for Salesforceは自動バックアップと、重要なSalesforceデータに対するポイントインタイムのきめ細かい復元を毎日取得して、データ損失を防ぎます。機密性の高い顧客データ、CRMリードなどを保護し、これにより、フォールトトレラントなデータ保護が実現し、ビジネスに継続性をもたらすことができます。

クラウドを幅広く利用するようになった現在、バックアップデータを取得して有事の際に備えることは利用者にとっての責務です。テレワークなどクラウドを必須としている取組等も拡大しているため、この機会にクラウドに特化したバックアップソリューションの導入をぜひご検討ください。

導入事例:株式会社Y2S様

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