政府が推奨するクラウド・バイ・デフォルト原則とは

 2020.02.17  ストレージチャンネル編集部

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クラウドコンピューティングが世界のビジネスに浸透するにつれて、「クラウドファースト」と呼ばれるクラウドの利用を優先的に検討する考え方が生まれます。この考え方はあくまで、クラウドには多くのメリットがあるから、新しいシステムの構築や刷新をオンプレミスではなく、クラウドに視野を広げようという程度のものです。

近年、この考え方からさらに一歩踏み込んだ「クラウド・バイ・デフォルト原則」に注目が集まっています。これは政府が2018年6月7日に発表した『政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針』に記されており、システム構築時の基本方針として紹介されています。

政府だけでなく民間企業でも適用できる考え方なので、今回はクラウド・バイ・デフォルト原則について紹介したいと思います。

政府が推奨するクラウド・バイ・デフォルト原則とは

クラウド・バイ・デフォルト原則とは?

クラウド・バイ・デフォルト原則は文字通り、クラウドサービスの利用を第一候補と考えて、システム構築時の環境について検討を進める方針を指します。ちなみに資料の中では、「政府情報システムのシステム方式について、コスト削減や柔軟なリソースの増減等の観点から、クラウドサービスの採用をデフォルト(第一候補)とし、府省CIO補佐官の関与の下、事実に基づく客観的な比較を行いその利用を判断するための考え方」と記載されています。以下に、クラウドサービス利用検討時の具体的なプロセスを紹介します。

Step0. 検討準備

クラウドサービスの利用検討に先立ち、対象となるサービス、業務および情報といった事項を可能な限り明確化する。

Step1. SaaS(パブリッククラウド)の利用検討と利用方針

サービス、業務における情報システム化にかかわるものについて、その一部または全部がSaaS型のパブリッククラウドにより提供されている場合(SaaS型パブリッククラウドの仕様に合わせ、サービスおよび業務内容を見直す場合も含まれている)には、クラウドサービス提供者が提供するSaaS型パブリッククラウドが利用検討の対象になる。

Step2. SaaS(プライベートクラウド)の利用検討

業務における情報システム化にかかわるものについて、その一部または全部が府省共通システムの諸機能、政府共通のプラットフォーム、各府省の共通基盤などで提供されるコミュニケーション系のサービスや業務系のサービスをSaaSとして、当該サービスが利用検討の対象になる。

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Step3. IaaS/PaaS(パブリッククラウド)の利用検討と利用方針

SaaSの利用が著しく困難である場合、または経費面の優位性その他利用メリットがない場合については、民間事業者が提供するIaaS/PaaS型のパブリッククラウドが利用検討の対象になる。

Step4. IaaS/PaaS(プライベートクラウド)の利用検討

IaaS/PaaS型パブリッククラウドの利用が著しく困難である場合、または経費の優位性その他利用メリットがない場合については、サーバー構築ができる政府共通プラットフォーム、各府省独自の共通基盤などをIaaS/PaaSとして、当該サービスが利用検討の対象になる。

Step5. オンプレミスシステムの利用検討

IaaS/PaaS型パブリッククラウドの利用が著しく困難である場合、または経費の優位性その他利用メリットがない場合については、オンプレミスが利用検討の対象になる。

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クラウド・バイ・デフォルト原則策定の背景にあるもの

日本政府は今、「Society5.0(ソサエティー5.0)」の実現を絵知将しており、そのためには人工知能IoT・ロボットなど生産性を飛躍させ、かつイノベーションを起こしやすくするための生産性革命を目指しています。少子高齢化に対応し、持続的な経済成長を遂げるには経済政策の大きな2本の柱があり、1本は一億総活躍社会を作るための「人づくり革命」、もう1本が「生産性革命」と位置付けられています。つまりクラウド・バイ・デフォルト原則は、生産性革命を大きく推進するための原動力になるのです。

政府が考える生産性革命とは、Society5.0の社会実装を実現した破壊的イノベーションを起こすこととされています。その一方で、行政サービスのデジタル化やデジタルガバメントの推進が著しく遅れており、行政分野における取組の遅れが民間ビジネスの生産性に大きな影響を与えると懸念されています。

民間ビジネスの生産性向上および新しいビジネスの創出に必要な環境を整備するためにも、行政分野におけるデジタル化の取り組みは最重要課題だと言えるでしょう。そして行政のデジタル化の実現にクラウドは欠かせない存在であり、クラウドを適切に活用することで情報システムの迅速な整備や、柔軟なリソースの増減に加えて、自動化された運用による高度な信頼性、災害対策、テレワーク環境の実現などをコスト削減しながら進めていくことができます。

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企業がクラウド・バイ・デフォルト原則を採用するメリット

民間ビジネスを遂行する企業においても、政府が打ち出したクラウド・バイ・デフォルト原則を採用するメリットがあります。それこそが、資料内で指摘されているクラウド5つのメリットを享受できることです。

1. 効率性の向上

クラウドサービスでは、多くの利用者間でリソースを共有するため、一利用者当たりの費用負担は軽減されます。また、クラウドサービスは、多くの場合、多様な基本機能があらかじめ提供されているため、導入時間を短縮することが可能となります。

2. セキュリティ水準の向上

多くの情報システムにおいては、オンプレミス環境で情報セキュリティ機能を個々に構築するよりも、クラウドサービスを利用する方が、その激しい競争環境下での新しい技術の積極的な採用と規模の経済から、効率的に情報セキュリティレベルを向上させることが期待されます。

3. 技術革新対応力の向上

クラウドサービスにおいては、技術革新による新しい機能(例えば、ソーシャルメディア、モバイルデバイス、分析ツール等への対応)が随時追加されます。そのため、クラウドサービスを利用することで、最新技術を活用し、試行することが容易となります。

4. 柔軟性の向上

クラウドサービスは、リソースの追加、変更等が容易となっており、数ヶ月の試行運用といった短期間のサービス利用にも適しています。また、一般に汎用サービス化した機能の組み合わせを変更する等の対応によって、新たな機能の追加のみならず、業務の見直し等の対応が比較的簡易に可能となるほか、従量制に基づく価格が公表されていることから、値下げ競争が起きている状況にあります。

5. 可用性の向上

クラウドサービスにおいては、仮想化等の技術利活用により、複数のサー バ等のリソースを統合されたリソースとして利用でき、さらに、個別のシス テムに必要なリソースは、統合されたリソースの中で柔軟に構成を変更する ことができる。その結果、24 時間 365 日の稼働を目的とした場合でも過剰な 投資を行うことなく、個々の物理的なリソースの障害等がもたらす情報シス テム全体への悪影響を極小化しつつ、大規模災害の発生時にも継続運用が可 能となるなど、情報システム全体の可用性を向上させることができる。

クラウド・バイ・デフォルト原則を採用することで企業でもこれらのメリットを大いに享受できることから、これまでクラウド導入に積極的ではなかった企業でも、この機会にクラウド・バイ・デフォルト原則を検討してクラウド利活用を推進してみてはいかがでしょうか?

クラウドとは?その種類の解説と仮想化との違いについて詳しくご覧ください。

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