マルチクラウドとは?ハイブリッドクラウドとの違いやメリットについて

 2020.05.12  ストレージチャンネル編集部

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テナントの共有化による安価なサービスを提供する「パブリッククラウド(Public Cloud)」。独占的な環境で高可用性とハイパフォーマンスを実現する「プライベートクラウド(Private Cloud)」。そしてパブリックとプライベートを組み合わせ、実用的なインフラ基盤を構築する「ハイブリッドクラウド(Hybrid Cloud)」。

現在、クラウドへのシステム・インフラ移行を検討するにあたり、さまざまな選択肢が用意されています。そして近年注目されているのが、クラウドを活用したリスクヘッジが可能な「マルチクラウド(Multi Cloud)」です。

本記事では、マルチクラウドとは何か?ハイブリッドクラウドとは何が違うのか?そのメリットは?など、気になるマルチクラウドを解説します。

マルチクラウドとは?ハイブリッドクラウドとの違いやメリットについて

マルチクラウドって何?ハイブリッドクラウドとの違い

結論から言って、マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いは「複数のクラウドプロバイダーからサービス提供を受けるか否か」にあります。

ハイブリッドクラウドとは前述のように、パブリックとプライベートの特徴を持ったクラウドを組み合わせた利用形態を意味します。あるいは、クラウドとオンプレミスを組み合わせ、現状のシステム・インフラの実態に即したクラウド環境を構築することを指します。

パブリッククラウド、プライベートクラウド、そしてオンプレミスにはそれぞれメリットもあれば問題点もあります。その問題点をカバーし、それぞれのメリットを最大限引き出すための形態がハイブリッドクラウドというわけです。

関連記事:ハイブリッドクラウドとは?ストレージ技術者が知っておきたいポイントを解説

一方、マルチクラウドは利用する環境に関係なく、複数のクラウドプロバイダーからサービス提供を受けることを指します。複数のパブリッククラウド、複数のプライベートクラウド、あるいはパブリックとプライベートを3つ以上並行的に利用している環境がマルチクラウドです。

一見するとハイブリッドクラウドとの違いが無いようにも感じられます。しかしマルチクラウドは、複数のクラウドプロバイダーからサービス提供を受けているという点で大きく異なります。

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マルチクラウドのメリット

マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いをより明瞭にするために、マルチクラウドのメリットを整理します。

メリット1. クラウドプロバイダーの利点を使い分けられる

クラウドは、サービスを提供するプロバイダーによって利点が大きく異なります。素早い機能リリースに強いプロバイダー、コストメリットが高いプロバイダー、IoTやAIなどの新技術に特化したプロバイダーなどその特徴は多岐にわたります。

すべての要素を兼ね備えたオールラウンドなクラウドプロバイダーは存在しないと言ってもよいため、単一サービスだけでビジネス要件を満たすのは難しい話です。また、機能の不足なども発生する可能性があることから、複数のクラウドプロバイダーからサービス提供を受けることで、それぞれの利点を生かしながら自社のビジネス要件をより高水準に満たすことが可能になります。

メリット2. 障害発生時のリスクヘッジとして活用できる

大手クラウドプロバイダーが提供する信頼性の高いサービスであっても、障害が発生しないとは限りません。また、クラウドサービスを利用するとデータバックアップが自動的に取得され、可用性が保たれると誤解しているユーザーも多いでしょう。実際のところ、多くのクラウドプロバイダーが第三者サービスによるデータバックアップを推奨しています。

このため、サービスを利用する側としてはクラウド上での障害発生を想定した上で、リスクヘッジとなるような対策が必要です。マルチクラウドは同一タイプのサービスを複数のクラウドプロバイダーから利用することで、どこかでシステム障害が発生してもリスクを分散し、ビジネスの可用性を飛躍的に高める効果があります。

クラウドプロバイダーが提供するサービス内に可用性を保つためのセキュリティオプションなどが含まれていることもありますが、やはり複数のクラウドプロバイダーにリスクを分散する方が確実です。

メリット3. ベンダーロックインを回避して柔軟性を高められる

ベンダーロックインというのは、特定のクラウドプロバイダーにシステム・インフラが依存する問題を指します。クラウドはその性質上、予期せぬリリースや価格改定などが行われることが少なくありません。ユーザーは否が応でも対応しなければいけないため、実はビジネスへの影響度が未知数なのです。

もちろん、多くのクラウドプロバイダーはリリースに関するポリシーを定めて明示していますが、その中でもユーザーにとって予想外の事象が発生する可能性は否めません。マルチクラウドなら特定のクラウドプロバイダーにシステム・インフラが依存することはないため、いずれかのサービスが自社ビジネスに適合しなくなったと時は、速やかに他のサービスへと移行できます。

以上のメリットから、マルチクラウドとはより良いクラウド環境を構築するために、あえて同一カテゴリのサービスを利用するなど、重複した環境を構築することでビジネス要件を満たしたり、リスクヘッジとしたりするための新しい選択しだということが分かります。

マルチクラウドにもデメリットはある

上記のように多数のメリットを持つマルチクラウドですが、当然ながらデメリットもあります。重要なのは、デメリットを知り乗り越えるべき課題としてメリットを最大限に引き出すことです。

デメリット1. サービス利用のコストが割高に

クラウドの中には長期利用やユーザー数に応じてディスカウントが受けられるケースがあります。このため、複数のクラウドプロバイダーからサービス提供を受けることで、クラウドで使用するリソースも分散されるためそうしたディスカウントが受けられない可能性があります。

デメリット2. サービスの運用負担が増える

物理的なシステムメンテナンスはクラウドプロバイダーが実行しますが、管理コンソールからの細かい管理はユーザー自身が行うものです。複数のクラウドを利用するとその分管理すべき対象が増えるため、サービスの運用負担が増えることになります。

デメリット3. セキュリティやパスワード管理が複雑になる

障害発生時のリスクヘッジとして活用できるマルチクラウドですが、管理すべきセキュリティ対象が増えることから、脆弱性のリスクが増します。また、パスワード管理などの認証も複雑になることは言うまでもありません。当然、共通のパスワードを設定するのは非常に危険なので、サービスごとに複雑かつユニークなパスワードを設定しなければいけません。その中でセキュリティ性と利便性を高めるには、シングルサインオンによるアカウントの一元化を検討しましょう。

これらのデメリットはクラウドを利用する上で重くのしかかることがあります。各クラウドプロバイダー特徴をしっかりと整理した上で、どのサービスを組み合わせるのが最適なのかを常に検討します。

オンプレミスからクラウドまで自由自在にデータを管理可能なNetApp

NetAppが提供するストレージOSであるONTAPは、NetAppストレージに標準で搭載されるもの以外に、汎用サーバ向けのONTAP Select、AWSやAzure上で動作する Cloud Volumes ONTAPを提供します。これによりエンタープライズクラスのデータストレージ管理をクラウドやIAサーバーに展開することが可能になります。また、FabricPool を利用すればオンプレミス環境のNetAppとクラウドを連携しハイブリッドクラウド環境を構築できるだけでなくホットデータはオンプレミスに、コールドデータはクラウドに保管することなどが容易に可能になります。これらのデータはクラウド間において自由に配置設定が可能なため最適なクラウドを先手する際にもデータの可搬性は保証されるのです。

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ぜひ、自社にとって最適なクラウド環境をご検討ください。

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